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FASHION 僕が捨てなかった服

【ストーンアイランドのトレンチコート】英国製ベンタイルの防水性、恐るべし!

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

2着買っておけばと、後悔…

洋品、車、ワインで、それぞれ家一軒分ほど散財するという趣味が高じて、2019年東京・人形町にヴィンテージショップ「Tango245」を開店した結城恵介さん。

膨大な数の服を所有してきた結城さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第6回目は、ストーンアイランドのベンタイルコットン製のトレンチコートです。

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外国では、雨が降ろうが雪が降ろうが傘もささずに普通に歩いていたりします。スポーツの試合に関しても「雨で大変」という表情には見えない。雨がまったく気にならないのでしょうか?

私も雨に降られたくらいでは動じないオトコになるべく、研鑚を積もうと努めましたが、無駄に風邪をひきたくはありませんので、アウターの防水にこだわりました。

しかし、コーティングによる硬さや、オイルの匂いはどうも苦手で…、何か逸品がないかと探していた際に、確か『ビギン』にて、コーティングではなく天然素材で完全防水だと紹介されていたのを見かけ、早速松屋銀座へ買いに行ったんです。かれこれ20年以上前の話です

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そのときのサイズ展開は、MとL。色はネイビーしかなかったと記憶しています。もしかしたら 黒もあったのかも…。肌触りや風合い、色合いも最高。デザインも文句なし。ダブルでなくシングルというのもイイ感じです。

星の刺しゅうはなくても良かったんですが、気に入ったので、どれをどれだけ買うか悩みました。

サイズをどちらにするのか、両方買うか、もしくはMを2着買っておくべきか? と、同時に天然素材のベンタイルがどれほどの防水性を誇るのかという不安もあり、在庫がほぼないというスタッフさんの助言はさておき、Mを1着だけ買って帰ったんですね。

帰宅し、試しにコップの水をかけてみるとビックリ! 防水は完璧でした。英国製のベンタイルコットン、恐るべし。

これは、早いうちにもう1着買っておこう、と数日後に再度松屋銀座を訪れたら、完売とのこと…。「迷ったら歯を食いしばって全部買う」という祖父の教えを咀嚼できた瞬間でした。

ちなみに今でも 防水は完璧です。あらためて繰り返しますが、英国製のベンタイル、恐るべしです。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka

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結城恵介
ヴィンテージショップ、Tango245店主
DCブランドや英国物、イタリアンブランド、クラシコイタリア等の荒波にもまれながら、会社員時代、出張にかこつけてビスポーク、スミズーラを巡る旅に年数回出るまでに。その趣味が高じて2019年ヴィンテージショップを開店。欧州の銘品、逸品を販売する一方で、日本の若い職人と組んだ別注品も手掛け、海外展開を計画。散財額は、洋品、車、ワインそれぞれで 家一軒分? モットーは「迷ったら全部買う」



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