結婚して３年。もう夫に恋はできないの？【大人の純喫茶】

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本日のお客様からの恋のお悩みは、

「結婚して3年。夫は仕事も真面目で、優しくて、浮気もしない。本当に良い夫だと思います。だけど、もう夫にときめかないんです（涙）。
付き合い始めた頃は、あんなに求め合っていたのに。すっかり気持ちが落ち着いてしまって、いつもスッピン。どうしたら、恋の気分を味わえますか」
──女神降臨さん 公務員 (32)

いらっしゃいませ。嗚呼、悩める女神様。大人のユートピアにようこそお越しくださいました。どうぞ、お掛けください。

ご相談内容からすると、平穏な結婚生活を手に入れたのは良いけれど、途端に恋のロマンスが恋しくなってしまった。少し身勝手に聞こえてしまいますが、一つ質問させてください。

「恋と愛の違い。ご存知ですか？」

「恋」と「愛」というのは、似ても似つかない全くの別物です。そして、「恋愛」というのも、「恋」や「愛」とは別物なのです。意外と知られてないですが、この区別をはっきりしてない人が多いので、自分の立ち位置が分からなくなり、今の状況で大丈夫なのかな？と不安になるようですね。

もっというなら、不安になるのは「恋愛」であって、「愛」ではないのです。ロマンスの神様にお願いできるのは「恋」なんです。

【「恋」は独りでするもの】

さて、そもそも恋は何ぞやという話ですが、極論でいうと独り遊び。「恋に落ちる」という言葉がありますが、「さあ、二人で恋に落ちようよ！」というセリフって聞き慣れませんよね。ジャズの歌詞や少女漫画の中にはありそうな表現ですけど、現実離れしています。

恋というのは、独りで勝手に始まって、独りであれこれ盛り上がって、自爆する物語なのです（気絶）。だから、恋は実らない場合が多い。そして、結婚には不向きです。自分本位のものだから。

【「愛」は無償に与えるもの】

一方で、愛は見返りを求めず、自分から与えるものです。「愛でる」なんて言葉もありますが、対象のありのままの姿を受け入れて、愛を注ぐこと。

ただし、男女関係において注意したいのが、愛と憎しみというのは表裏一体ということ。いくら無償だといっても、一方だけが良かれと与えすぎは要注意なんです。お互いが与え合わないと、愛は育まれません。

自分自身が無くなってしまうくらい、相手に尽くしすぎてしまうと、愛のバランスがおかしくなることがあるので、ほどほどが良いと思います。

【恋と愛の狭間を揺れ動くのが「恋愛」】

恋愛の始まりが一番楽しいといわれる訳は、今まで独りで造りあげた理想郷で、二人で遊び始めるからです。そして、自分に都合の良いシナリオになっているからです（気絶）。

そして恋愛は、恋と愛の狭間を揺れ動くゲームの様な感覚である事。デートやメールのやりとりをして、相手の反応を伺ってみたり、私の事好きなの？ どうなのかな？ という答え合わせの時間が楽しかったりします。不確かである事に想像力が掻き立てられ、完全体で無い事に楽しみがあるのです。

【つかの間のヒロイン時間】

何より恋のムードを取り戻すのに不可欠なのは「独りの時間」です。独身の頃にあって、結婚生活に無いものは、独りっきりの時間。お子様もいらっしゃると尚、独りの時間は難しいですが、１日の中で10分でも良いので、自分の為だけに時間を使ってみてください。

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【お答え】
結婚生活には「愛」が必要。
結婚生活に「恋愛」は不向きなのです。
恋心を呼び覚ます為には、お化粧も大事。
自分の為だけの時間を大事にしてください。

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そんな、貴方にぴったりのナンバーは大橋純子さんの『シルエット・ロマンス』です。

この名曲は、恋心を呼び覚ます不思議な力がみなぎっています。

あくせく忙しい日々。仕事、家事、育児……。髪もとかさず座り込み、鏡に映る自分の顔（気絶）。ふと、女であることを気づかせてくれます。ちょっと新しいお化粧品でも揃えて、自分の為に装ってみませんか。

“
恋する女は夢見たがりの
いつもヒロイン　つかの間の
鏡に向かってアイペンシルの
色を並べて迷うだけ

窓辺の憂い顔は　装う女心
茜色のシルエット

ああ　あなたに　恋心ぬすまれて
もっと　ロマンス　私に仕掛けてきて
ああ　あなたに　恋模様染められて
もっと　ロマンス　ときめきを止めないで”
　
シルエット・ロマンス〈1981〉
歌：大橋純子. 作詞：来生えつこ. 作曲：来生たかお
参照：『うたまっぷ 歌詞無料検索』
 

 

お客様、選曲はお口に合いましたでしょうか？
またのご来店、心よりお待ち申し上げております。

純喫茶 ぺぺ

Photo：Yuta Takamatsu, Shuhei Kato
Text：RIKAPEPE(ペペ)
Illustration：Eri Sakai