シーズナルウェアだけど、この先何年も着たくなる洗練された佇まいです
第291回目は、ジル サンダーのジャケットです。

スタンダードやリラックスが注目される昨今のファッション事情。とは言え、大人ですからきちんと感は魅せたいですよね。そんな時に「ジル サンダー」のクリーンでモダンなデザインはちょうど良いんです。
1973年に自身の名を冠するブランドとしてドイツで創業したジル サンダー。2005年にラフ・シモンズがクリエティブ・ディレクターに就任、2017年から現在まではルーシー&ルーク・メイヤー夫妻がクリエイティブ・デザイナーに。メイヤー夫妻は、服を長く楽しんでもらいたいという思いから、洗練されたピュアなデザインと素材や仕立てにこだわったコレクションを展開。そのため、テキスタイルの一部は敢えて日本製にしているとか。こちらのジャケットもジャパンメイドです。
程よくボクシーなシルエットで、高密度の日本製ウールを採用。ドライタッチな日本製ウールは、シワになりにくく立体感ある仕上がりが特徴で、その重厚感が男らしさを演出。その一方で襟に取り付けられたシルクのスカーフが、ラグジュアリーな雰囲気を醸し出します。このスカーフは取り外しが可能かつスナップボタンも表に出ないので、普段はカジュアルジャケットとして使うなど汎用性も抜群。肩肘貼らずともしっかり大人顔にまとめてくれるのは、歴史あるメゾンだからこそ。
時代やトレンドに左右されない普遍的なデザインと言えば、その筆頭は本連載で紹介する定番アイテム。ジル サンダーの2020年秋冬コレクションのこちらは、シーズン物の新作ではあるものの、そのベーシックなデザインや機能性を見れば、定番と遜色なし。今から手に入れても、来年も再来年も洗練された大人のエレガントを楽しませてくれるはず。

シャツにフォーカスした、「7 DAYS SHIRTS」コレクション。「THURSDAY」と名付けられた本作は、やや落ち感のあるオーバーサイズが特徴です。最高級のコットンポプリンを採用し、センターバックプリーツによる可動域の向上も相まってリラックスした着心地に。

一枚でもサマになる、ラウンドヘムのスタンドカラーシャツ。胸下にチェーンステッチであしらわれたサボテンとヤモリが立体感を生み、存在感を強調します。上のシャツやジャケット同様にルーズなシルエットなので、今どきなゆるいモードスタイルとも好相性。

26万2000円(税抜)/ジル サンダー バイ ルーシー アンド ルーク・メイヤー(ジルサンダージャパン)



Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
【問い合わせ】
ジルサンダージャパン 0120-919-256