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FASHION 僕が捨てなかった服

【いまは無き平林洋服店】40万円かけてビスポークした極上のツナギ

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

実は春夏用、秋冬用で2着仕立てて貰いました!

『MEN’S Precious』を中心に、数々のカタログなども手掛け、ファッションエディターとして活躍する山下英介さん。

膨大な数を所有してきた山下さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第12回目は、平林洋服店のツナギです。

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平林さんとは、2010年くらいに初めてお会いして、当時はコモリのパタンナーでした。「とてもスゴい方がいる」と知人から紹介されて出会って、コートとかスーツとか結構いろいろなものを作っていただきました。

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そんな中で一番気に入って着ているのが、このツナギなんです。

今までにツナギなんか作ったことはなかったようですが、スゴくセンスの良い方で、自身もスケボーに乗ったり、そちら側のカルチャーにも精通してるから、僕の想っていた気持ちとかモードな気分も上手に汲み取ってくれて、想像以上のものが仕上がりました。

平林さんとは反りが合うテーラーさんで、一般的なテーラーさんが作らないようなものを作ってもらっていたんですが、残念ながらほぼ引退状態で、いまほとんど仕事していないようです…。

なので、これがぼくにとっては最後の作品になってしまいました。

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ツナギも大好きで他にもたくさん持っているんですが…、実際に着ていて思うのが、身長に対する股下のバランスがおかしいものが多いんですよ。インポートを着ると、ウエスト位置が低くなって、股下が下がりすぎてアンバランス。

なので、ビスポークであれば、上半身と下半身のバランスも取れるからと、じつはこの冬用以外に夏用の生地でも作ってもらいました。これで 40万円くらいなので、2着で…。

ツナギって考えないで着られるので便利なんですが、意外に方が凝る。でも、この平林さんのはウエストにきちんとベルトが付いていて、重さが肩だけに乗らずに着心地が良いんです。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka

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山下英介
ファッションエディター
大学卒業後いくつかの出版社勤務を経て、2008年からフリーのファッションエディターとして活動。ファッションディレクターとして参画していた『MEN’S Precious』を中心に、数々のカタログなども手掛ける。背景にクラシックな文化を感じさせるものに興味を持ち、まだ知られていない世界の名品やファッション文化を伝えるべく日々精進中。1976年埼玉県生まれ。



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