ジョルジオ・アルマーニは別格感があった!
洋品、車、ワインで、それぞれ家一軒分ほど散財するという趣味が高じて、2019年東京・人形町にヴィンテージショップ「Tango245」を開店した結城恵介さん。
膨大な数の服を所有してきた結城さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第2回目は、アルマーニ、ドルガバとバーグドルフグッドマンのダブルネームです。

アメリカ・ニューヨークのバーグドルフグッドマンは店舗、商品、販売員、そして顧客が醸し出す雰囲気が最高でした。
映画にもなりましたが、その中で「私が死んだら、灰はバーグドルフのフロアに敷いて」と語った女優の話や、優秀な販売員の年収は数十万ドルだった話、ジョン・レノンがとある年のクリスマスイヴに外商を呼んで、毛皮のコートを250万ドル分購入した話など、忘れられないエピソードも盛り沢山です。
現在は親会社ともどもチャプター11となり、存続の方向では進んでいるようですが…、かつての輝きはもう感じられないのかもしれません。
僭越ですが、当店Tango425でその気概だけは受け継いでいかねば、と考えています。

80年代のバブルをかすった世代でもあるので、イタリアン ファッションの洗礼をしっかりと受けており、いろいろなブランドに触れてきましたが…、アルマーニ、それもジョルジオ・アルマーニは別格感があったと思います。
映画『アメリカンジゴロ』や『アンタッチャブル』、『汚れた英雄』も所有してたまに見返しますし、ブームが去ってからも、ちょいちょい買い足してました。
捨てられないどころか、今でもブラックラベルで程度の良いものがあれば、サイズ関係なしで手が伸びてしまうほどです。

とは言え、雰囲気のみでして。アルマーニの本質みたいなものは正直理解できておらず…、日本人向けのわりと大人しいものばかりを買い求めていたように思いますが、なかでも、イイ時代の産物であるバーグドルフグッドマンとのダブルネームは、とくに気に入っています。
当時のものは 元々が大きい作りな上に、ニューヨークの富裕層が相手ですから大きいサイズしか取り扱っておらず、自分では もはや着ることができませんが、どうにも手放すことができません。

そして、80年代を代表するのがアルマーニなら、90年代からはドルチェ&ガッバーナではないでしょうか。

同じくダブルネームのこちらコートも、じつはウィメンズなんですが、雰囲気の良さに惹かれて買ってしまいました。ナイロンなので雨の日にレインコート代わりに着ても良いかもしれません。
ベルトをなくしてしまったんですが、これも手放すことはなさそうです。







Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka

結城恵介
ヴィンテージショップ、Tango245店主
DCブランドや英国物、イタリアンブランド、クラシコイタリア等の荒波にもまれながら、会社員時代、出張にかこつけてビスポーク、スミズーラを巡る旅に年数回出るまでに。その趣味が高じて2019年ビンテージショップを開店。欧州の銘品、逸品を販売する一方で、日本の若い職人と組んだ別注品も手掛け、海外展開を計画。散財額は、洋品、車、ワインそれぞれで 家一軒分? モットーは「迷ったら全部買う」