小説「レ・ミゼラブル」の物語が宿るスペシャルエディション
世界の文学界に名を馳せた巨人を讃えるエディションとして、1992年より毎年発売されるモンブランの作家シリーズ。過去には、ヘミングウェイやアガサ・クリスティーなど、名だたる文豪の万年筆が発表されてきましたが、今では入手困難でプレミアが付くほどの人気ぶり。2020年の新作に選ばれたのは、偉大なフランスのロマン派作家、ヴィクトル=マリー・ユーゴーです。
小説家としてだけでなく、詩人、劇作家、イラストレーターなど多彩な才能を発揮したヴィクトル=マリー・ユーゴー。世界的に有名な代表作といえば、小説「レ・ミゼラブル」と「ノートルダム・ド・パリ」ですよね。この2つのフランス文学の金字塔的作品は、今回の筆記具のデザインにも色濃く反映されています。
モンブランアトリエで製作された今作。パリのノートルダム大聖堂の印象的な建築様式から、「レ・ミゼラブル」のジャン・ヴァルジャンの魅力的なキャラクターにいたるまで、ユーゴーの作品が醸し出す魔法を生き生きとよみがえらせています。小説のキャラクターとテーマは、プラチナ仕上げのフィッティングが施されたブラックプレシャスレジンで製作された、スペシャルエディションのデザインに表現されています。
注目ポイントは、パリのノートルダム大聖堂の威風堂々たるゴシック建築にインスパイアされたキャップと、大聖堂の中央の薔薇窓に想を得たスケルトンのクリップ。クリップ先端はカジモドが撞いた鐘を彷彿とさせるデザインとなっています。
クリップを透かしてボディに描かれている顔は、「レ・ミゼラブル」初版本でギュスターヴ・ブリオンが描いた主人公ジャン・ヴァルジャンの挿絵。目を奪われるほどの細かな細工は、まさに書く芸術品です。
このプラチナ仕上げのメタルとレッドラッカーで製作されたエディションは、「レ・ミゼラブル」の主人公ジャン・ヴァルジャンがたどる物語を表現したもの。ノートルダム大聖堂のゴシック建築を彷彿とさせるキャップとボディのデザインは、ベースに半透明のレッドラッカーを施したスケルトン構造が特徴で、ジャン・ヴァルジャンの刑務所での衣服から着想を得た色が採用されています。
気になるキャップに書かれた番号「24601」と「9430」は、それぞれ、ジャン・ヴァルジャンが1回目と2回目に収監されたときに割り当てられた囚人番号なんだそう。キャップトップには、ユーゴーの「静観詩集」から引用された「Chaque homme dans sa nuit s en versverslumière」(私たち一人一人はその夜が来ると光のほうへ行く。)」という言葉が刻まれており、贖罪の物語を表現しています。限定数の1831は、「ノートルダム・ド・パリ」の初版本が出版された年にちなんだものだそうで、こちらも争奪戦必至、ファンには堪らないコレクションアイテムとなりそうです。
Text:Satoshi Nakamoto
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