皆さん、ごきげんよう。腕時計羅針盤、船長（キャプテン）RYと申します。
日々刻々と表情を変える時代の波を乗り越えて、理想の腕時計を追い求めて航海を続ける、アラサー船長であります。
この腕時計羅針盤は、そんな旅路の航海日誌を記し、諸兄の時計選びの針路に役立てて頂きたく筆を執った次第です。
さて、第一回は「夏のビジネスシーンに合わせたい腕時計」について考えてみようと思います。
梅雨が明け、本格的に夏本番に入った日本列島。夏のビジネスマンは、半そでシャツやポロシャツを着る人も多いのではないでしょうか？ そうすれば、スーツの時よりも腕の露出は増え、自然と腕時計が目立ちますよね。
腕時計は、その人のことを静かに物語ると私は考えています。その人の、趣味・趣向、モノの価値観、センス、収入……。もちろん、全てではありませんが、腕時計からある程度の情報を読み取ることはできるかなあと。
よって、夏の時計選びはより重要になるわけです。しかも、自由なカジュアル着とは異なり、ビジネスシーンでは、ある程度のフォーマルさも残しつつ、夏の過酷な環境に耐えなければならないという制約があります。そこでどんな時計をチョイスするかで、センスが試される……。う～む、何と深く面白いかな時計選び……。
では、どんな腕時計が最適なのか？ 条件を５つ考えてみました。
１. 防水性は10気圧or100m防水以上
２. ステンレスベルト
３. シンプルな３針
４. ゴツ過ぎない(ケース直径42mm以下、ケース厚さ12mm以下)
５. 青文字盤
この条件を満たす腕時計が、夏のビジネスシーンに似合うと思います。
まず、防水性は10気圧あればスキンダイビングができるほどで、急なゲリラ豪雨や汗でも比較的安心できます。さらに、革ベルトでは汗で傷んでしまいますし、ラバーベルトではカジュアルすぎる印象が否めません。よってステンレスベルトが一番良いと考えています。
次に、ビジネスシーンであることから、あまり主張が激しくならないように、シンプルな３針が望ましく、サイズもゴツ過ぎない方がスマートだと思います(ほとんどの日本人の方には、ケース径42mm以下、厚さ12mm以下くらいが着けやすいと思います)。
最後に、これは個人的な趣味ですが青文字盤です。一般的に、白文字盤はフォーマル、シルバー文字盤はビジネスライク、黒文字盤はスポーティという印象を持たれやすくなっています。
そこに近年人気を博しているのが青文字盤です。この青文字盤は、「カジュアルでありながらも清楚、スポーティでありながらもエレガント」な雰囲気を纏っていると私は思っています。よって、夏の腕元に、フレッシュさと清楚さを加点してくれるはずです。
では、そんな条件に合う時計はどれほどあるかというと、実はそんなに多くはないんですね。その中からさらに絞り込んで、３本選んでみました。
１. ヴァシュロン・コンスタンタン オーヴァーシーズ 4500V/110A-B128
１本目は、世界三大時計に数えられる、ヴァシュロン・コンスタンタンのラグジュアリースポーツウォッチのオーヴァーシーズ。何と言っても美しすぎる青文字盤が魅力的です（太平洋のど真ん中でみた紺碧の海を思い出しました）。
さらに、15気圧防水と２万5000A/mの耐磁性というスペックの高さに加えて、ワンタッチでストラップを交換できるチェンジストラップ機能が秀逸すぎます。まさにこれ一本で、ビジネスシーンはもちろん水着からフォーマルスーツまでカバーできる守備範囲の広さは、まさに時計界トップクラス。
あと個人的に「オーヴァーシーズ」という名前や、ローターに模された羅針盤がもうたまらないです（笑）。
２. A.ランゲ＆ゾーネ オデュッセウス 363.179
２本目は、ドイツの至宝ランゲ&ゾーネから2019年に誕生したスポーツモデルのオデュッセウス。デビュー当時は、ついにあのランゲ&ゾーネがステンレス製スポーツモデルを出してきたか！と驚きました。
ランゲ&ゾーネらしからぬスポーツモデルですが、その作りこみやデティールはやっぱりランゲ&ゾーネらしい究極の一本だと思います。細かな使い勝手に配慮されているのも凄いと思うポイントです。
例えば、バックルについているランゲ&ゾーネのロゴを模したボタンを押せば、最大７mmまでブレスレットの長さを調整できます。さらに、日付と曜日もボタン一つで調整可能。防水性が120m防水という点も安心できます。
本当にハンサムな時計という印象でありながら、実は細かな配慮が行き届いている時計。仕事ができるビジネスエリートを時計にしたら、このオデュッセウスになるのでは？ と思ってしまう程です（笑）。
３. ジラールペルゴ ロレアート 81005-11-431-11A
３本目は、老舗名ブランドのジラール・ペルゴからロレアート。
まずパッと目が行くのは、クル・ド・パリの仕上げ文字盤です。ブルー文字盤の爽やかさの中に、個性が際立っていていいですね。さらに八角形のケース形状も、パッと目を引いてくれます。10気圧防水も嬉しいポイント。
そして、何と言ってもこの時計の素晴らしいところは、サイズ展開が豊富なことだと思います。私としては、特にこの38mmがスィートスポットで、選択肢にあるのがとても嬉しいです。この手の時計で良くあるのが37mmか41mmという展開。しかし、41mmでは若干大きいし、37mmでは若干小さい……と感じている方も多いのではないでしょうか（私がそうです）。
その点、このロレアートは38mmという痒い所に手が届くサイズを持っています。さらに厚さは10.02mmと、今回紹介した３本の中で最薄。軽快な着け心地を体感できます。
実はこのサイズ選びというのは、１mmでもバカにならないくらい大切なことは、FORZASTYLEの読者であればよくご存知だと思います。
様々な服やスーツ、靴などのファッションアイテムもサイズ選びが肝だったりしますよね。歴史に裏打ちされた個性がありながら、スポーティで爽やかさも備えている一本だと思います。
いかがだったでしょうか？ 本日は夏のビジネスシーンに合わせたいラグスポ時計３選を考えてみました。腕時計選びは、考え出すとなかなか制約があるのですが、そこがかえってゲーム性があって面白いなあと思います。
それではまた！ ありがとうございました。
Text:RY
