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LIFESTYLE マコ&マルの新店ゴーゴー!

【週プレを100万部売った男】
伝説の編集者に聞く「ひとたらしのテクニック」

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エッセイスト&バーマンで、伝説の編集者でもある島地勝彦さんが主宰する『サロン・ド・シマジ』が、伊勢丹新宿店メンズ館から西麻布に移ってグランドオープン。島地さんが「自分の人生、79年の集大成であり縮図。出来上がりは完璧です。満足しています」という贅沢な空間の中で、格言である「人生は、運と縁とえこひいき」について伺いました。

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「バーカウンターは人生の勉強机」だから、いろいろ訊いてみた

マコ 島地さんは、大学卒業後に集英社に入社し、『週刊プレイボーイ』編集者を務め、1982年に同誌の編集長に就任して、100万部雑誌に育て上げました。自分はちょうど大学生で、毎週真剣に読んでいましたが、なぜ集英社だったんですか。

島地 もともと雑誌と書籍が好きだったので、出版社に入ろうと思った。

マコ 講談社ではなかったんですね(笑)。

島地 当時、集英社は新しい若い会社で、私のような変人は音羽(講談社)や矢来町(新潮社)は難しいと思った。集英社の面接の時、当時の専務であった本郷さんが担当で、その人は、戦前に『主婦の友』を160万部売った名編集長だったが、「入社して何をしたい?」と訊かれたんだ。

マル それで、何てお答えになったんですか?

島地 学生時代にヒュー・ヘフナーが発刊した雑誌『PLAYBOY』を読んでいて、最後は辞書がなくても読めたんだけど、本郷専務に、「エロチシズムとインテリジェンスの両方ある雑誌を作りたい」と言ったら、たまたま本郷専務も何冊か読んでいたらしく、いろいろ質問されて、全部答えたら、ビックリされてね。

マコ 気が合っちゃったんだ。

島地 それで、えこひいきで入っちゃったんです。人生は、運と縁とえこひいきなんですよ。

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エッセイスト&バーマンの島地勝彦さん

マル 出ました、名言!

島地 25歳で入社して、『週刊プレイボーイ』の創刊準備室に入って、10月に創刊されました。

マコ 本当にプレイボーイ一筋なんですね。

島地 雑誌を女性のヌードや水着で売っても1週間しか売れないんですよ。雑誌を売るには、いかに活字(活版)を面白くするか。ヘフナーの『PLAYBOY』に「PLAYBOY ADVISOR」という人生相談のコラムがあって、それにヒントを得て、人生相談のページを作った。柴田錬三郎先生の人生相談の編集者に自ら手を挙げて、今東光、開高健と3人担当しました。

マコ 週刊プレイボーイの名物企画でした。それで編集長になって100万部雑誌に育てたんですね。

島地 いやいや、パワーがあったのは時の運ですよ。今では100万部なんて夢のまた夢。ネットに負けちゃうよね。

マコ でも、自分はタブレットより、今でも紙で読むのがやっぱり好きです。

島地 紙で作られた本や雑誌には、「ページの風」があるんですよ。ページをめくる度に浴びる風の中に文化があって、いかに風を浴びたかが、その人を育てていく。今は小学生からタブレットだからね、すごいよね。

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島地さんご愛用の机と椅子

「人生は、運と縁とえこひいき」なら、私たちはどう生きるか?

マル 私、島地さんから、「えこひいきされる方法の身につけ方」を教わりたいです!

島地 それは、相手を尊敬することと、可愛いと思わせることですよ。今大僧正と自分は47、8歳違うから孫ですよ。柴田錬三郎先生は24ぐらい違うから息子、開高健先生は11違うから尊敬する兄、尊兄(そんけい)だね。まず尊敬して、可愛いと思ったら、どんな先生でも受け入れてくれますよ。

マル 島地さんはなんていうのかな……、本当に、「人たらし」なんですよね。幼少の頃からそうだったんですか?

島地 生まれ持った才能だと思いますが、それを発揮すれば必ず可愛がってくれる。先生たちとは相性が良かったんでしょう。

マコ 運はどうやって引き込んだらいいんでしょうか。

島地 運は生まれ持ったもんじゃないの。

マル 縁は?

島地 自分が素敵だなと思った人と親しくなりたいと、願望を伝えれば縁が生まれます。まずその人を尊敬することですよ、男も女も。

マル 私もご縁がある方のことをみんな尊敬しています。

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島地直伝の「運と縁とえこひいき」をマコマルが考える

マコ 島地さんが言っていた、「人生は、運と縁とえこひいき」ってどう思う?

マル その通りだと思います。それに尽きると思う、人生。そんなに難しいことを言っているわけじゃなくて、要は「相手に対して礼儀を尽くせ」ということでしょ。人としてリスペクトするのは当然です。

マコ 「運は生まれつき」と言われたときは、ドキッとした。

マル 私は自分で、すごくついていると思っているんです。こういう連載もご縁じゃないですか。

マコ 確かに。でも、運よりは縁だよね。「マコちゃんマルちゃん」の連載は。

マル 運という意味では、福引きや宝くじを当てるというのはないけど、いい人と出会う運は持っているかも。それと最悪を回避する能力、不幸中の幸い的な。

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マコ 自分はどうなんだろうなぁ。振り返ればいろいろ後悔することもあるけど(笑)、一番は、健康に過ごせているから、運も良いのかな。

マル 健康は大事な資産ですよね!

マコ 健康は運ではないと思うけど、こういうご時世でもあるから、ありがたいなと思うね。

マル 本当に、健康なだけで丸儲けかもしれないですね。五体満足で楽しく毎日暮らしているというのは最強だと思いますね。

マコ お金のあるないは、時と場合によるけど、今回のコロナ禍で価値観は変わっていくんだろうなぁ。

マル 島地さんにも健康でバーに立ち続けてほしいですね。あ、そうだ、今度、干場編集長を誘ってご一緒しましょうよ!

マコ おっ、それいいね。内装と雰囲気とお酒に気絶してもらいましょう!

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左から、バーマンの廣江大輔さん、島地勝彦さん、松本一晃さん。3人ともガルーシャのタイがお揃いで、まさにスリージェントルメン!

バーマン島地勝彦、松本一晃、廣江大輔で、文化を発信する

マル この『サロン・ド・シマジ』は、島地さんの理想のバーのかたちですよね。

島地 他にはない空間で、落ち着けるというのはもちろん、「バーカウンターは人生の勉強机」と言っているように、文化の匂いがいっぱいしないとダメなんですよ。そういう意味でも、良く出来たと思う。

マル 廣江さんから見て、島地さんはいかがですか。

廣江 一緒にいて勉強になる大先輩という感じですね。

島地 廣江はまだ35歳だから、孫みたいなものだね。松本が53だから、息子のようなもの。息子と孫と一緒に働いているわけだ(笑)。

松本 島地さんがカウンター越しにアドバイスや助言をしているのを横で聞いているのは楽しいですね。自分は岩手・一関で23年バーをやっていて、島地さんと初めてお会いしたときは、島地さんが集英社インターナショナルの社長時代でした。

島地 彼が作るカクテルは評判がすごいんですよ。

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「SHIMAJI」と名入れされた特別なウィスキー

マル どういうご縁なんですか?

松本 たまに伊勢丹にお手伝いに行っていたんですが、「ここのオープンの手伝いに来てくれ」と連絡があって、その後、去年の12月初旬頃に、「どうしても東京に住んでやってくれ」と(笑)。

マル それでこの3人体制なんですね。島地さん、これからの夢はなんですか?

島地 私の最大の夢は、松本と廣江がこの世でいちばん幸せになってくれることです。なぜなら、私のために運命を変えてくれたからです。

マル そうかぁ、運命を変えてくれたんですね。島地さんとお二人との絆が素敵です!

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ダビドフの特製はめ込み式ヒュミドールは、ロンドン、ジュネーブと、東京は『サロン・ド・シマジ』だけ

人生に行き詰まったら、『サロン・ド・シマジ』でコリをほぐそう

マコ 新しい『サロン・ド・シマジ』に行きたかった。今回推奨してくれてありがとう!

マル そう言っていただけてうれしいです。本当に、お店、お酒、島地さん、松本さん、廣江さん、すべてが素晴らしかったですね! 今日、島地さんと会って、インスパイアされたところってありますか?

マコ 自分が大学生で、雑誌編集者に憧れていたときに、週刊プレイボーイでブイブイ言わせていた時の編集長だから、フリートークができて楽しかった。

マル 島地さんも、編集者時代のお話はイキイキとお話されていました。

マコ 週刊プレイボーイは歴史も長いし、頑張ってほしいですよ。今でも“ヤング文春”だと思って毎週読んでいます。

マル “ヤング文春”は、言い得て妙ですね! 人生に行き詰まったら、また島地さんに会いに行きましょう。

マコ これから年月をかけてどうバーが変わっていくかも興味があるよね。本当に男が好きなモノが詰まっているから、ぜひフォルツァーの皆さんも予約して行ってみてほしいです。

マル 「バーカウンターは人生の勉強机」ですからね!

さてさて、マコマルコンビは次回、虎ノ門方向に出没する予定。
「ウィズコロナの夏の大人の過ごし方」とはいかに!?

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『サロン・ド・シマジ』特製キーマカレーも準備中。乞うご期待!

AUTHENTIC BAR SALON DE SHIMAJI

東京都港区西麻布4丁目2-5 アートサイロB1F

Tel.03-6427-1477(現在は予約制)
月曜休

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丸山尚弓(まるやま なおみ)
「美人すぎるメンズファッションライター」として活動中。メンズファッションを題材とした自身のFacebookは、コメントが女性目線で分かりやすいと好評で、紹介した商品には問い合わせが殺到する。ファッション初心者を「素敵な男性」へと優しく導くことが信条。またファッションだけでなく「人生を豊かにするライフスタイル」をテーマに、男性としてトータルの魅力アップが目指せる記事を発信している。ライター以外の活動として、メンズブランドの企画やブランディングも行う。特技はコミュニケーション力を活かして外国人ともすぐに友人になれること。趣味はタウンウォッチと英語での映画鑑賞。

Instagram:@maruchan.703

Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii



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