まさか2枚が、3、4…… このときは知る由もナシ
さて、172回目は 「エルメス」のTシャツ。以前 紹介したものを またも "色ち買い"してしまったワケですが、その高価格も納得…、いやTシャツにしては恐ろしく高額ではあるものの、どうしても欲しくて買ってしまう理由があるんですね。
なんてったって、肌触りは想像の遥か遥か上をいくサラサラ具合。緯糸に強撚糸を使うことで表面にシボを出し、日本においては「綿ちぢみ」とも呼ばれているコットンクレープジャージー素材を採用しているので、恐ろしく細番手の糸で織っていても肌にまとわりつきづらいんです。
そのため、湿気の多い日本でも涼しく爽やかで相当に快適。さすがに 大量の汗を掻いたときは多少肌につく瞬間はありますが、コットンクレープジャージーは乾くのも早いので、不快指数は皆無に等しい!
文字通り、我が家には売るほどTシャツがあるわけですが、数多のそれを差し置いて、登板回数がとにかく多い。カネやん、もしくは権藤並みの活躍を見せてくれる不動のエースの座を獲得しています。
2019年夏に訪れた、激暑なピッティ&ミラノ取材中も八面六臂の大活躍!
となると、減価償却も早いけど 劣化だって早くなる。こんな着心地抜群なエースが登板できなくなり、しかも早めに引退だなんて寂しすぎるし、困る…。そんな言い訳を#添えて、二本柱にして寿命を伸ばすべく、もう一枚、汎用性の高さそうなネイビーを清水ダイブしてみました。
前回は かなり大きめなサイズ(XXL)を入手しましたが、今回は Lで。ただ エルメスの Lは、他ブランドに比べると大きめなので、若干 肩が落ちる感じ。その雰囲気も 今の気分にピッタリです。
胸ポケのサイズ感・カッティング具合も 相変わらずイイ感じ。ポケT好きには堪らない!
そして、忘れちゃダメなのが、肩の切り替え部分にステッチで表現した「H」! さり気なさすぎるのに工数多いから、職人さんも大変だし、そりゃ工賃、さらに価格も上がるわってツッコミたくなるほど…(笑)。
まぁ、「よく見たら Hだった」という まるで自分を表しているかのようなディテールは 飲み屋のネタとしては充分なんで、なんとか 元は取れるんじゃないかと思っています。
ただ、1枚のはずが2枚。そして3枚、4枚…と、番長皿屋敷のお菊さんよろしく 数を数えているうちに背筋にツゥーっと汗が垂れるのを感じたってお話は、もう少し暑くなってから。
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka