同級生の活躍を応援しつつも刺激をもらっています
「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.(タカヒロミヤシタザソロイスト)」のデザイナー、宮下貴裕君とは中学生時代の同級生。当時から仲間の中でも、洋服に一番強い思い入れをもっていたのが宮下君でした。アメカジ(渋カジ)全盛期でも、彼のオリジナリティは群を抜いてカリスマ性があり、真似すればするほど敵わないと思ったものです。
高校卒業後、宮下君はネペンテス、僕はビームスで働いていた時期がありましたが、以降は別々の道に……。宮下君は服づくりを覚え、伝説的ブランド「ナンバーナイン」を立ち上げて、後に解散。「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」でカムバックを果たしました。
一方の僕は編集者となり、いくつかの編集部を経て、今に至っているわけですが、洋服好きという根っこは一緒なんですよね。ただ、自分らしさ、似合うスタイルを追求した結果、宮下君はハイファッションとモードに、僕はシンプルベーシック、クラシックの方向に舵を切ったという感じでしょうか。
とはいえ、リスペクトする仲間として「TAKAHIROMIYASHITATheSoloist.」のコレクションは、毎シーズン欠かさずチェックしています。彼の作る展示会やショーを見ていると、いつも謎解きを求められているような気持ちになるんですよね。表層的なデザインだけじゃなくて、その背景にあるメッセージを読み取ってみろ、みたいな……。それが難解であり、心地良くもあり……。
彼の作る洋服って、メンズファッションのルーツであるユニホーム的な要素を網羅していながら、音楽やアートが複雑に絡み合っていて、演出まで含めた総合芸術のように思えるんです。それが洋服好きを虜にする理由なのかな、と。
だから、これもたかがキャップなんですが、僕にとってはかぶるたびにクリエイティブの大切さを突きつけられている気持ちになります。
コロナ騒動前に購入したのですが、自粛生活をしていると髪の毛を切りに行けないじゃないですか。キマらない髪型を隠す意味でも、髪の毛にウイルスが付着するのを防ぐ意味でもキャップは重要。これはMLB唯一の公式キャップであるNEW ERAと、防水や抗菌の機能をもったGORE-TEX®とのトリプルネームで、今の外出時には欠かせないアイテムになっています。
同じメンズファッション シーンにいながら、ジャンルは違ってしまいましたが、宮下君は一番の親友としてこれからも応援したい存在。自分も、いつもいい刺激をもらってます!
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:Toshiaki Ishii
hoshiba
6冊目の書籍が発売しています。洋服から、ジュエリー、腕時計、ライフスタイルまで。僕が日頃から愛する大人の男女におすすめしたいブランドの逸品について書いています。読んでない方はぜひ!
干場義雅が愛する
「究極のブランド100+5」(日本文芸社)