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FASHION 僕が捨てなかった服

パラブーツのブーツ「ボーリュー」は、「ミカエル フォック」を返品して買い替え!?

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人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。

新たなファッションの楽しみを知るキッカケ!

『MEN’S Precious』を中心に、数々のカタログなども手掛け、ファッションエディターとして活躍する山下英介さん。

膨大な数を所有してきた山下さんが、なかでも捨てられなかった服をご紹介する企画の第4回は、「パラブーツ」のブーツ、ボーリュー(BEAULIEU)です。

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19歳のときに買ったんですが、初めて海外のちゃんとしたブランド物を買ったのがコレ。

この頃からトラディショナルなアイテムにも興味が湧いており、『Begin』とかも買うようになっていて、誌面でよくパラブーツが紹介されていました。

それで当時、パラブーツといえば、ナンバー44の田村さん。彼がよく履いて掲載されていたのに影響されて、僕が住んでいた埼玉県坂戸市の靴屋さんに買いに行ったんです。

じつは最初、甲にアザラシの毛皮が貼られたミカエル フォック(Michael PHOQUE)を買ったんですが、あれって模様に個体差があるんです。それで買ったはいいものの、模様の感じが思っていたのと違うぞ…ということで納得いかず、返品してボーリューに替えてもらったんです。

高校生の頃からブーツが好きでエンジニアブーツを履いたりとか、以前紹介したレッドウィングとか、なのでシャンボードではなくブーツタイプになったボーリューを選んだんですね。

当時4万円くらいで買えたんですが、とにかく革の質がめちゃくちゃイイんですよね。リーバイス®の501に合わせてフレンチトラッドな雰囲気で履くことが多かったんですが、「海外のものって、クオリティが高いんだな」って、この靴を履くことによって初めて知るわけです。

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革質は良いし、磨けば磨くほど輝く。それまではストリートとかカルチャーの文脈でしかファッションを捉えていなかったんですが、薀蓄とかそういったファッションの楽しみを知るキッカケでもあり、だいぶ今の仕事に繋がっている気はします。

大学生のときしていた警備員のバイトにも履いていったり、かなり履き込んで愛着を持って手入れをしてきたので、いい感じに育ってきたんですが、27歳のときに『LEON』で働くことになって、これを履いて編集部に行ったら、当時はロングノーズ全盛だったのもあって、創刊編集長だった岸田一郎さんから「こういうの履かない方がいいんじゃない」って言われまして……。そこからしばらく履かなくなりました(笑)。

ちょっと切ない思い出なんかもありますが、質も含めて文句なしにイイ靴なので手放すことはないと思います。

Photo:Shimpei Suzuki

Edit:Ryutaro Yanaka

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山下英介
ファッションエディター
大学卒業後いくつかの出版社勤務を経て、2008年からフリーのファッションエディターとして活動。ファッションディレクターとして参画している『MEN’S Precious』を中心に、数々のカタログなども手掛ける。背景にクラシックな文化を感じさせるものに興味を持ち、まだ知られていない世界の名品やファッション文化を伝えるべく日々精進中。1976年埼玉県生まれ。


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