品よく見えるのは貴族の装いがルーツだからこそ
第263回は、アントレ アミのパンツです。
2007年にナポリで誕生した「アントレ アミ」。数多くの名パンツブランドが並ぶ群雄割拠のイタリアでは比較的若手のブランドですが、立ち上げ間もなく発表したピッティ ウォモコレクションで注目を集め、早くに頭角を表したことでも有名です。中でも脚光を浴びたのが、極細パンツ。そのルーツは、ラグジュアリーでクラシックな着こなしが主流となり始めた20世紀初めの貴族の装いに遡ります。
当時の貴族階級の人々がくるぶしより少し短いパンツを穿いていたことにインスピレーションを受け、誕生したモデルが「GAGA」。股下74cm、裾幅17cmで構築され、膝下から一気にテーパードをかけたスキニーシルエットが特徴です。この絶妙なバランスがこなれ感と色気を醸し出すと人気に。今ではアントレ アミのあらゆるアイテムに登用され、エレガントな美脚パンツと言えばここ、と言わしめるほど。今回ご紹介する3本にもGAGAのDNAは受け継がれています。
ガーメントダイによる柔らかな生地感が魅力のチノパン。キックバックの良いストレッチウールを使用しているので、極細でも窮屈さはなく、高い可動性が快適なドレスカジュアルを楽しませます。くるぶしよりちょっと上のアンクルカット仕様は、革靴やスリッポンはもちろん、夏はサンダル、冬はブーツでも大人のこなれ感を演出します。シーズンを選ばずに使える万能パンツを、貴族気分でお洒落できるのはここをおいて他にないかも。
染色の技術にも定評がある同ブランド。ブリーチをかけダメージ加工を施した、ヴィンテージ風のこちらのデニムがその好例。一見男らしいデザインのライトブルーデニムですが、センタークリースをあしらい定番の美脚シルエットも後押しして、さり気なく上品さをアピールします。
新定番として仲間入りしたのがこちら。薄いジャージー生地に、腰回りはウエストゴムとドローコードを使用し穿き心地抜群です。製品染めしたブルーグレーが、ジャケットとも好相性。昨今のビジカジで楽パンは欠かせませんから、品格と快適性を併せ持つこれは重宝しそう。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Hayato Hosoya
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