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LIFESTYLE 洋食天国

第二回前編 思い出の『洋食 ヨシカミ』でクック井上。涙腺崩壊!

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料理芸人のクック井上。による、“飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”というデータがある中、何十年もの間、お客に愛され続けてきた洋食屋さんを巡り、その想い、歴史、人、町を知る連載コラムです。

絶滅危惧種「町の洋食」を救え!

料理芸人のクック井上。です!
 “飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”というデータがある中、町には何十年もの間、お客に愛され続けてきた洋食屋さんが沢山あります。

そんな老舗の洋食屋を巡り、その想い、歴史、人、町を知る連載コラム【洋食天国】。vol.2は、浅草『洋食 ヨシカミ』にやって参りました。

これはかなり個人的な話になりますが、実は『洋食 ヨシカミ』は、僕の45年の人生で一番と言って良いほど、思い出深いお店なんです。

そんな思い出は後述するとして、まずは高校を卒業してから料理の道へ進み、『洋食 ヨシカミ』ひと筋という、吾妻弘章社長からお店のお話をお聞きしたいと思います。

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『洋食 ヨシカミ』社長の吾妻弘章さん。

──創業当時からあるメニューって何ですか?

吾妻社長  メニューはほとんど変わってないですよ。古い資料は残ってないんですけどね。戦前戦後、バラックから色んな商売を始めて、これからは洋食が良いっていうんで、『洋食 ヨシカミ』がスタートしました。だけど、その頃は戦争は終わったけども、毎日が戦争のような日々で、要するに商売的に物事がこんな長く続くと思って始めてないから、古い資料が残ってないんですよ。毎日くたくたになって、そのまま寝るような日々だったそうです。

──戦争が終わっても、毎日が戦争のような日々。時代ですね。

吾妻社長  そうですね。昭和35年(1960年)に店を建て替えをした頃の浅草は、今の歌舞伎町と渋谷が合体したような賑わいで、東京で最大の歓楽街。夜に劇場・映画館から出てきたお客がバーッとお店に入ってきて、その後、キャバレーが終わったら、女性とお客が同伴でバーッときて、深夜25時で終わりだっていうのにとちっとも帰ってくれない。ただただ、くたびれてぐちゃぐちゃな日々だったそうです。

──お店の中も外も、その時代は、しっちゃかめっちゃかだったんですね。

吾妻社長  そうですね。僕が入社した昭和59年(1984年)頃は、浅草が少しさびれていて、治安もあまりよくなかった。けど、また最近は、昔のようなエンターテインメントの街というよりは、観光で賑やかになりました。

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駆け足ですが、創業当時の頃のお話、現社長が入社された頃のお話、色々とお伺いする事が出来ました。

クック井上。ヨシカミの思い出を語る
ところで、冒頭でお話した“浅草『洋食 ヨシカミ』は、僕の45年の人生で一番と言って良いほど、思い出深いお店なんです。”の件です。

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僕も両親も神戸出身なのですが、幼稚園の時に親父が転勤で東京勤務になり、小学校卒業までの8年程を関東で過ごしました。

その頃、両親に毎月のように連れてきてもらった思い出のお店、それが『洋食 ヨシカミ』なんです。
両親になぜヨシカミだったのか聞くと、叔母に“東京に行ったら『洋食 ヨシカミ』がオススメよ”と教わったのがきっかけだったようです。

ある時は週末に少しお洒落をして、ある時には平日に仕事終わりの親父と家族で待ち合わせをして、『洋食 ヨシカミ』を訪れていました。

僕が頼むのは、もちろん決まって「ポークソテー」。

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ポークソテー1,550円(税抜)

家族でテーブル席に着いても、コックさんがお料理を作っている間だけカウンターに座らせてもらい、火柱をあげながらフライパンを振るコックさんを見学し、その様子に心を奪われたのを鮮明に覚えています。

それがいつしか憧れに変わり、料理好きになったと言っても過言ではありません。

僕のコックタイが、無意識に『洋食 ヨシカミ』のテーブルクロスとお揃いの赤のギンガムチェックなのも、この為です。

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大人になってからも、よく両親とは『洋食 ヨシカミ』の話になります。約10年前、僕が結婚式を挙げた翌日には、両親・兄弟・妻と一緒に訪れました。

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僕の結婚式の翌日、吾妻社長と一緒に。(撮影:おかん)

この日も僕は、子どもの頃と同じ「ポークソテー」を食べながら、あの頃より年をとった両親と、『洋食 ヨシカミ』のお料理を初めて食べて、目を丸くした奥さんを見ながら、こうして家族になっていくんだなぁと、とても感慨深かったです。

『洋食 ヨシカミ』は、僕ら家族の思い出そのものなのかもしれません。

僕ら家族以外にも、こうした記念日などで、幸せの風景が重ねられてきたであろう『洋食 ヨシカミ』。
令和2年にあって、そのお料理は、決してお洒落で気取った見た目でも味でもありません。

しかし、どこまでも誠実で丁寧な味、そして誰の舌にも懐かしくホッとするのに、家庭では出せない、よそ行きの味。

これぞ、下町の洋食の極みであり、日本人誰が食べても納得する味なのだ。“うますぎて申訳ないス!” は、下町の洒落であると同時に、『洋食 ヨシカミ』の自信でもあるのです。

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今回の取材時に吾妻社長と。

そして今思えば、僕は小さい頃に、若き日の吾妻社長ともお会いしていたんですね。

吾妻社長、素敵な時間を有難う御座いました。

次回は、いよいよ思い出の「ポークソテー」実食です!
お見逃しなく‼︎

洋食 ヨシカミ
電話 03-3841-1802
住所 東京都台東区浅草1-41-4
営業時間 11:45~22:00
日曜営業
定休日 木曜(祝日の場合は営業)

Text:Cook Inoue
Photo:Takuji Onda
Edit:Takashi Ogiyama

クック井上。プロフィール
お笑いコンビ「ツインクル」のクック井上。です! 芸人でありながら、食のイベントMC・料理教室講師・食のプロデュース等も! ●フードコーディネーター●ホームパーティー検定●食育インストラクター●野菜ソムリエ●BBQインストラクター●アスリートフードマイスター●こども成育インストラクター●パエリア検定 など食に関する資格も多々あり。
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