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LIFESTYLE 洋食天国

第一回『人形町 芳味亭』で食した洋食弁当はオトナのお子様ランチだった!

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料理芸人のクック井上。による、“飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”というデータがある中、何十年もの間、お客に愛され続けてきた洋食屋さんを巡り、その想い、歴史、人、町を知る連載コラムです。

絶滅危惧種「町の洋食」を救え!

この度、連載コラム【洋食天国】をスタートさせて頂く事になりました、料理芸人のクック井上。です!

「洋食」と聞いて、皆さんどんな言葉を思い浮かべるでしょうか?
僕にとって、「洋食」イコール「憧れ」です。

僕は現在45歳になりますが、今でも洋食を食べると、幼稚園の頃や小学校低学年の頃に、親に洋食屋さんへ連れていってもらった時の思い出が蘇ります。
もしかしたら、皆さんにとっても“いくつになってもワクワクしちゃう”、そういう食べ物ではないでしょうか?

当企画【洋食天国】は、“飲食店は開店してから、2年以内に半数が閉店に追い込まれる”というデータがある中、何十年もの間、お客に愛され続けてきた洋食屋さんを巡り、その想い、歴史、人、町を知る連載コラムです。

さて、最初の洋食屋は、人形町『芳味亭(ほうみてい)』。

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その歴史は古く、昭和8年(1933年)、横浜のホテルニューグランドで洋食を学んだ初代店主・近藤重晴さんが開業。
数寄屋造りのお座敷に座り、お箸で洋食を食べるスタイルが、当時の最先端の流行として人気を博し、明治座の役者さん、花街の芸者さんなどで賑わいを見せたそうで、向田邦子さんや、千代の富士もよく通われたとの事。

最初の店名は、東京都中央区の旧町名、花街である芳町(よしちょう)からとって、『芳味亭(よしみてい)』だったのですが、いつしかお客が“ほうみてい”と読み出し、現在の店名に落ち着ちついたとか。

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現在の人形町『芳味亭(ほうみてい)』の看板は、開業当時のもの。歴史深し!

ところで、現在で5代目となる人形町『芳味亭(ほうみてい)』ですが、現在はすき焼きの名店、『人形町今半(いまはん)』が運営しているって、ご存知でしょうか?
今回、人形町『芳味亭(ほうみてい)』を担当している、株式会社人形町今半 鈴木崇史課長に、どうして『人形町今半』が運営する事になったのか、お話を伺う事ができました。

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人形町『芳味亭(ほうみてい)』の壁に飾られている、歴史の数々。

「実は、旧『芳味亭』は『人形町今半』の真裏にあったので、現社長の髙岡 慎一郎や、副社長の髙岡哲郎が小さい頃から親しんだ味だったんです。先代の『芳味亭』の大将がこの世を去り、後継者もいないという状況になり、平成30年(2018年)6月に閉店が決まったのですが、“このままでは『芳味亭』の想いが絶えてしまう。潰したくない、未来に伝えたい!”と、同じ町の繋がりで、『今半』が『芳味亭』の“江戸前洋食”を継がせていただくことになり、同年12月に現『芳味亭』をオープンさせた経緯があるんです。現在は、先代の大将の奥様も、想いを伝えるべく、ホールに立って下さっています」と鈴木さんは熱く語ります。

と、何とも心がポカポカあったかくなる、エピソードをお伺いする事が出来ました。
想いが受け継がれたバトン、その味を堪能させて頂きましょう。

人形町『芳味亭(ほうみてい)』の、押しも押されもせぬ看板メニューをオーダー。

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洋食屋のコックさんは、なんでこんなにカッコいいんだろうか!

これが洋食屋の命、デミグラスソース!

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寸胴の中には、今までのシェフたちの歴史が詰まっています!

そしてやってきたのがこちら!
【洋食弁当】2,750円(税込)

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この佇まいに、思わず背筋が伸びます。

ラインナップは、「ビーフスチュー」「ミニハンバーグ」「エビフライ」「カニコロッケ」「魚介ソテー(この日はホタテ)」「サラダ」「スープ」「おしんこ」って、主役ばかりやん! 

オールスター夢の共演、洋食界のアベンジャーズ。名付けるなら「大人のお子様ランチ」。

早速行っちゃいましょう!

・ビーフスチュー

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煮込まれたすね肉は、箸を添えただけでスッと身が崩れる程ホロホロ。デミグラスソースは、上品で深いあじわい。しかしながら、小さなお子さんも美味しいと思える庶民的な部分も残している。凛として主役の座に君臨しています。シチューではなくスチューという点に歴史が……。

・ミニハンバーグ

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お肉の素材感を感じながらも、良く練り込まれているとわかる滑らかな舌触り。大きくはないけど、“ビーフスチューの脇役になるものか!”という存在感である。

・エビフライ

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決して大きくないがしっかりと2尾。噛んだ瞬間に、鼻の奥まで奥まで届く芳醇な香り。そして歯を押し返してくる活きのいい弾力。こやつ、まだ生きてやがる。

・カニコロッケ

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蟹“風味”じゃない! ちゃんと舌が感じる蟹のほぐし身の存在感。クリームも舌全体を包み込み、しっかりと幸せを与えてくれる。

・魚介ソテー

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この日はホタテの貝柱。噛んで驚いた。中は、ほんのりと温かいしっとり超レア。外にはちゃんと香ばしい焼き目があるが……、きっとこの貝柱はまだ焼かれた事に気づいてない。

・サラダ

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ブロッコリー・トマト・これぞTheポテサラと続いて、下に敷かれているのは、単なるキャベツの千切りかと思いきや否。甘酸っぱく味付けされた、コールスロー! どこまでも手抜きナシだ!

・スープ

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この日はあさりのスープ。何たる芳醇な旨味。舌の味蕾、全てが笑顔になる。

いやー、満足の上の極楽!

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心の底から、御馳走様でした。
ところで、少し巻き戻してみよう……。

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この真ん中にある、見るからにシルキーなお肉は「ローストポーク」。
でもお料理のラインナップに入っていなかったのでは? 書き忘れたのか? と思いきや、違うという。

これは「ビーフスチュー」と「サラダ」の“間仕切り役”として入っているとの事。
恐れ入りました! これが“間仕切り役”とは…、“世界イチ贅沢なバラン”と名付けようではないか。

最初、洋食1食で2,750円と聞いて、“少し高い?”と思ったが撤回、正直お得過ぎる!

何日も面倒を見て作り上げた「ビーフスチュー」を始め、主役ばかりのお料理の数々、そして間仕切りが「ローストポーク」という内容で2,750円。

居酒屋に1度飲みに行くより安いし、なんだったら、焼肉屋の上お肉、1皿分の値段だ!

そしてお食事の内容に加えて、空間もご覧のとおり贅を尽くした内装……

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予約をすれば使える個室は、少しお洒落して休日に足を運びたい。大切なひと時を過ごしたい!

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子どもや家族を連れていきたいというのはもちろん、“自分の親を連れていきたい!”と思わせてくれる。自分が親になった今、親子三代で楽しみたい、それが「洋食」だ。

そして、子どもはもちろんだが、大人も食べ進めるうちに、我が子よりも笑顔になり、幼稚園生や小学校低学年だったあの頃に戻ってしまうタイムマシーンのような存在、それが「洋食」なのだ!

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憧れの「洋食」という名の和食文化、まだまだ東京のあちらこちらに有りそうだ。
巡って、その想い、歴史、人、町を探りたいと思います。

追記:
人形町『芳味亭(ほうみてい)』には、テイクアウトもご用意があるとの事。

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このご時世に、またこの事態が落ち着いてからも、お土産として是非。

芳味亭
東京都中央区日本橋人形町2-3-4
03-3666-5687
営業日:火~日曜
ランチ  11:00~14:00(L.O)
ディナー 17:00~22:00(L.O21:00)
現在はテイクアウト営業のみ 11:00~19:00
定休日:月曜(祝日または戌の日は翌火曜日が休業)
最寄駅:都営地下鉄浅草線 人形町駅(A3出口)徒歩2分
※時間の短縮、営業日の変更があります。来店前に店舗にお問い合わせください。
公式ホームページ

Text:Cook Inoue
Photo:Takuji Onda

クック井上。プロフィール
お笑いコンビ「ツインクル」のクック井上。です! 芸人でありながら、食のイベントMC・料理教室講師・食のプロデュース等も! ●フードコーディネーター●ホームパーティー検定●食育インストラクター●野菜ソムリエ●BBQインストラクター●アスリートフードマイスター●こども成育インストラクター●パエリア検定 など食に関する資格も多々あり。
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