ちょっと寂しい年度末は時間をかけてモノ選び
海外自動車メーカーのプレスリリースをチェックしていると、各社ともに『COVID-19 pandemic』の文字が並びます。激震地イタリアでは、フェラーリやランボルギーニも2週間の操業停止。念を入れてファクトリー内の衛生状態を確保し対策を施すとあります。
開催直前に中止となったF1オーストラリアGPから帰国したスクーデリア・フェラーリの面々も、いまは2週間の自宅待機を消化中。こんなとき、エンツォならどんな言葉をかけるのでしょう。世界規模となったこの問題、皆が冷静に対処しようと奮闘していますが、こんな時こそカリスマリーダーの存在が恋しくなります。
ドイツ組も同様に、メルセデスの新生フォーミュラEチーム(記事TOP画像)も開催延期で待機中。BMWは自社の博物館を一時的に休館するなど、各社対策に余念がありません。輸入車を発注している方は、少し納期がズレるかもしれませんね。サプライヤーもこの対策を終えるまで部品供給できません。つまり、各社とも一時的に生産ラインを止め、この間をウイルス対策に充てているのです。
こうなるとデビューイヤーを迎えた新型車もローンチスケジュールが遅れたりします。また、販売開始直後の新型フィアット500はFCAグループの記念すべき最初のEVなのですが、結果として水を差された格好に。いまは4月を待って情勢を見極めるしかありません。
パーッと明るい話題を提供したいところですが、クルマなし、イベントなしと、何もいいニュースがありません。先日、スイスのショップに発注したシガーも、機材が不足しているのかジュネーブを飛び立ったまま周遊中。トラッキングによればチェコ経由で日本を目指していることが判明したのですが、ロジスティクス面も通常運行とは行かず困ったものです。
で、考えてみたのですが、こんな時こそ時間のかかるものをお買い上げしてはいかがでしょうか。例えばスーツをオーダーする、クルマなら時間のかかるオプションでカスタマイズするなどです。少し先に楽しみな物事が待っていると思えば気分も上がります。
昨年の今頃は年度末決算でブツヨク成就を!なんて言っていたような気もしますが、いまこそ日頃培った審美眼でモノ選びを心掛けたいところです。また、消費が冷え込めば職人さんも手隙となります。不埒な考えで恐縮ですが、さらに一生懸命にいいモノをと仕立ててくれる好機かも知れません。
さて、最後に恒例の動画を。今季の開幕レースはどのカテゴリーも延期かな?と思っていたのですが、なんとWRC(世界ラリー選手権)は開催中。集客の多い人気イベントですが、ラリーは一般道を使ったコースなので、観客が散らばるという特徴があります。第3戦メキシコではトヨタのセバスチャン・オジエ/ジュリアン・イングラシア組(ヤリスWRC 17号車)が今季初優勝!迫力の雄姿をお楽しみください。
Text:Seiichi Norishige
■WRC - Rally Guanajuato México 2020: WINNER Sébastien Ogier