CAR ― Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

妄想は続くよ、どこまでも!

大人のロマンスに欠かせない渋いクルマたち。映画「男と女」シリーズにみる男と女とクルマとロマン。

2020.2.5 2020.2.5
2020.2.5
説明しよう! 妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

あれから50有余年。男と女とクルマの物語

2020年2月最初の週末、皆さんはどのように過ごされましたか? 買い替え時期だからディーラー詣でに行ってきたぜ!という方もいれば、マスクも売り切れだったし自宅警備に専念を決め込んだ方まで、多種多様にいらっしゃるのではと思います。

で、ワタシはといえば、予選中にカンガルーの乱入でコース上が大渋滞となったバサースト12時間の決勝レースをストリーミング中継でガン見です。IGTC(インターコンチネンタルGTチャレンジ)はGT3規格のマシンなので、市販車に直結する部分と、ル・マン24時間やWEC(世界耐久選手権)を占う意味でも興味深いのであります。

Bathurst 12 Hour 2020 @gettyimages

レースの開催地はオーストラリアのマウンテン・パノラマサーキット。その名の通り、小高い山の周囲を走る一般道を含むコースは、左右上下に常にGがかかる細い道がほとんど。よって、直線番長では勝てません。レーシングカーとはいえGT3はベース車の資質が試されるので興味がわいてしまうのです。

IGTC開幕戦のバサーストを制したのはニューマシンが開花したベントレー・コンチネンタルGT3でした。マクラーレンやメルセデスAMG、ポルシェを振り切って見事優勝。ベントレーが国際レースで勝つのは久しぶりですね。まずはおめでとうございます! という感じ。今シーズンが楽しみになってきました。

もうひとつ、この週末にワタシの妄想を膨らませてくれたのが1月31日封切りのフランス映画『男と女 人生最良の日々』であります。1966年の『男と女』から“53年後”を描いたこの作品、あれから30年……なんてレベルじゃなく、半世紀以上ですからね。当時のキャストが揃うのか?って、心配もあります。まずはこのシリーズ制作年表です。

カンヌ映画祭にて。「Les plus belles annees d'une vie」キャストと監督。 @gettyimages

【男と女 制作年表】
1966年『男と女』(Un homme et une femme)
1977年『続・男と女』(Un autre homme, une autre chance)
1986年『男と女Ⅱ』(Un homme et une femme, 20 ans déjà)
2019年『男と女 人生最良の日々』(Les plus belles années d'une vie)

念のため原題も記載してみましたがいかがでしょうか。ちなみに、『続・男と女』は1870年代のアメリカ西部が舞台の『男と女』のリメイク版のような作品です。いずれもメガホンをとったのは名匠クロード・ルルーシュ監督。

『男と女Ⅱ』は、最初の出会いから20年後を描いた作品です。メインキャストの男女は20年後も家庭を築いておらず、再燃した恋愛感情も日本的には成就せず、互いの人生を歩んでいきます。ハリウッド映画バンザイな感性の方では最後まで見られないかもしれませんね。

Ford Mustang Convertible(1966)

結果的にシリーズ化してしまった『男と女』は、クルマの視点からも見所の多い作品でした。男はフォードのワークスドライバーらしく、マスタングを駆りモンテカルロ・ラリーに出走。また、ル・マンに参戦するフォードGTをテストするシーンもあります。

Ford GT(1966)

ハナシは前後しますが第一作のストーリーは、シングルファーザーの男とシングルマザーの女が、大人の恋愛をする映画です。情緒的かつリアルなシーンはさすがフランス映画というか、俳優たちに演技させない(台本を渡さない)ルルーシュ監督のスタイルと、フランシス・レイの音楽が相まって、独自の世界観を作り出します。スクリプトガールという仕事をもつ自立した女性という設定もこのシリーズの妙かもしれません。

現在公開中の『男と女 人生最良の日々』は、監督のクロード・ルルーシュが82歳、主演のアンヌを演じるアヌーク・エーメが87歳、ジャン・ルイ演じるジャン=ルイ・トランティニャンが89歳です。音楽を担当したフランシス・レイはこの作品が完成する前に86歳で亡くなりましたが、職務をまっとう。また、子役までオリジナルキャストにこだわったとか。余談ですが、役の名前を俳優のリアルネームにするあたりは監督のこだわりなのでしょう。

ストーリーはロマンティックといえるのか、受ける印象には個人差がありますが、余生が曖昧になってきたジャンを気遣い、息子のアントワーヌ(アントワーヌ・シレ)がアルピーヌに乗り、アンヌ(おそらくアヌークの愛称がアンヌ?)に「父に会って欲しい」と訪ねるところから始まります。

シトロエン2CV

一瞬戸惑ったアンヌですが、シトロエン2CVに乗りジャンを訪ねることにします。映画は第一作の回想シーンを交えたり、クルマ好きのルルーシュ監督らしく、早朝のパリを激走する短編映画『ランデブー』の映像を挿入しストーリーを展開。しかし、それはあくまで二人の背景であり、伝えたいのは二人の人間、男と女のリアルな今なのだと感じます。

原題には邦題の「男と女」という部分がありません。原題は『レ・ミゼラブル』を書いたビクトル・ユーゴの言葉から引用されています。つまり「人生最良の日々」が53年後の男と女のタイトルです。

人生を彩る名車の数々。単純に移動の手段と思えば車両価格や維持費を考慮し、総出費が安く収まるクルマが最強。しかし、人生を心豊かに楽しむクルマとなるとハナシは別です。愛車選びは楽しいけどラクじゃないね。

Text:Seiichi Norishige

映画「男と女 人生最良の日々」オフィシャルサイト

■フランス映画『男と女 人生最良の日々』クロード・ルルーシュ監督インタビュー

 

Author profile

教重 誠一
教重 誠一
Norishige Seiichi

自動車雑誌の編集者を経てモータージャーナリストへ。駆け出しの頃からサラリーマンの限界に挑戦し数々の輸入車を乗りまわす。印象深かった愛車はポルシェ911(930)、Ruf CRo
コンバージョン(964)、メルセデス・ベンツ500E、フェラーリ412、BMW6シリーズ、RG500Γ(バイク)。趣味はシガーとパイプとすし屋巡り。ジャンルを問わず酒好きだが、一定以上飲むと睡魔が襲い銘柄を失念する。1964年、北海道生まれ。

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