話題の新店をガチンコ調査する「マコちゃんマルちゃんの新店ゴーゴー!」。
第2回目は、靴磨きの世界チャンピオン、長谷川裕也さんが手がける専門店「BRIFT H(ブリフトアッシュ)」の新店舗、「THE SHOESHINE AND BAR(ザ シューシャイン アンド バー)」に行って参りました。
ライターの梶井誠(マコ)とメンズファッションライターの丸山尚弓(マル)の二人が、“長谷川さんに磨いてほしい靴”を履いて、虎ノ門の新虎通りで待ち合わせ!
靴好きはよく、「好きな靴をゆっくり磨きながら、好きな音楽を聴いて、美味い酒が飲めれば至福の時」などと都市伝説のように言われていますが、それがここで叶っちゃうんです!
マコ 長谷川さんが手がけると聞いたので、きっとユニークでおしゃれな店だろうと思っていましたが、これは靴好きにはたまりませんね。
マル 本当に。スケルトンで中が見える店で、バーカウンター越しに長谷川さんが靴を磨いていて、ドラマか映画のワンシーンみたいです。通りがかる人はみんな見ていきますね。
マコ どうして虎ノ門に新店をと思ったんですか?
長谷川 森ビルから誘われたんです。ビジネスタワーが目の前にあって、ビジネスマンが多いのはわかっていたんですが、自分はこれまでドレスシューズ磨きをやってきて、頭の片隅に、「レザースニーカー磨き」を試したいなというのがずっとあって……。
マル 確かにビジカジが定着して、レザースニーカーで通勤する人は増えてきていますよね。
マコ あと、ラグジュアリーブランドのファン作りにスニーカーは欠かせなくて、10万円オーバーのスニーカーが続々と登場して、ガッチリ売れてます。高価なスニーカーを買うと、履く前にソールにゴムを貼っておろすという話をよく聞きますね。
長谷川 FORZA STYLEでも取り上げてもらっていますが、靴磨きがちょっとしたブームになっているので、次の一手として「スニーカーもきれいに磨きたい!」と思ったわけです。
マコ なるほど。靴磨きは大会が開かれるほど、今はキラーコンテンツになっていますもんね。
長谷川 ありがたいことなんですが、まだまだ小さなパイの中で盛り上がっている感じなので、一般の方にも靴磨きに興味を持ってもらいたくてこんな店を始めました。
マル 普段は靴磨き担当とバーテンダーが常駐するそうですが、金曜日だけ長谷川さんが担当されるんですよね。
マコ 長谷川スペシャルデー! 長谷川さんに靴を磨いてもらって、カウンター越しにこうやって話もできる!
長谷川 靴磨きは11時から20時までで、バーは夕方から営業。自分がいる金曜日は11時から23時まで通しで磨きます。
マコ シューシャイン・フライデーナイト!
マル そうなんです。合言葉は「金曜の夜、虎ノ門へ行って磨いてもらおう!」なんです。
スニーカーの汚れ落としのために、独自でクリーナーを開発!
マコ マルちゃんは靴磨き選手権の審査員もやってますよね?
マル はい、昔から靴磨きが好きで、パイオニアの長谷川さんの靴磨きを見て、いつも学んでいます。私一応、鏡面磨きもできるんですよ。
マコ そういえば、女性の履いている靴で、つま先ピカピカの人ってあまりいないですよね。
長谷川 そうですね、なかなかいないですよね。
マコ THE SHOESHINE AND BARではレディースの靴も扱っているんですか?
長谷川 特にメニューには女性コースは設けていませんが、もちろん受け付けます。路面店は初めての経験なので、メンズっぽい造りの店ですが、女性もウェルカムです!
マル 今日は自分のスニーカーとショートブーツを持って来ました!
マコ さすが、THE SHOESHINE AND BARのコンセプトをちゃんと予習してきている!
マル 長谷川さんに磨いてほしくて、手強そうなパイソンのスニーカーを持って来ました。
長谷川 素敵なスニーカーをお持ちですね。
マコ エキゾチックレザーを預かることも多いんですか?
長谷川 クロコダイルやアリゲーターは多いですね。まず、レザースニーカー用に新たに開発したクリーナーでラバーの汚れを取りましょう。
マル エキゾチック系って、変な店には預けられないので、長谷川さんの店でやってもらえたら本当にうれしい。プレメンテもやってくれるんですか?
長谷川 革靴にはプレメンテは必要ですが、レザースニーカーもワックスを塗って汚れにくくするのはありですね。
マコ あ、きれいになってきた。パイソン部分がツヤツヤですね。
長谷川 はいできました。革も潤って、スニーカーらしくこぎれいに仕上がりました。
マル 美しい~!
フォルツァー諸君! 女性にとって靴磨きは「家事」なんです!
マコ マルちゃんは普段、どんなケアをしてるんですか?
マル クリームを入れるぐらいですね。革が乾燥していてぶつけた時にベロっとむけたというのを人から聞いてから気をつけるようにしています。
マコ でも女性は靴のケアをしない印象がありますよ。
マル 自分でできたらカッコイイですよね。でも、女性にとって靴磨きってまだ「家事」のイメージなんですよね。旦那さんの靴を磨くとか。
マコ なるほど。そんなこと考えたこともなかった。
長谷川 女性はブーツなど磨く面積が多い靴はメンテナンスしようという気になるようですね。パンプスの修理はありますが、自分で磨く感覚はないかも知れませんね。
マル マコちゃんは靴磨き、しますよね?
マコ いや、編集の仕事をしていて散々靴のケアの記事を作ってきましたが、実は靴磨きは苦手です(キリリ)。
マル 私も靴磨きのハウツーを書いていますが、自分でやると尻込みしちゃいますよね。長谷川さんのようなプロの手入れを直に見ると、畏れ多くて。
マコ 本当にそう思いますよ。長谷川さんの靴磨きを間近で見ていて、随所に素手を使うでしょ。ああいうのを見ると混乱する(笑)。
長谷川 加減が難しいということですかね。
マコ それもあります。コロンブスから「ブートブラック」が出て、「助かった」と思いました(笑)。あれは本当にケアが楽。自分はいろいろ揃えて、きちんとした手順ができないんです。
女性がヒールを履くとき、実は「武装」しています!
長谷川 マルちゃんのショートブーツも磨きましょう。キメの細かいベビーカーフのような革を使っていて、色もすごくきれいです。
マル レディースとメンズで、革の違いってあるんですか?
長谷川 男性に比べて女性は足が柔らかいので、足アタリがいい薄くて柔らかい革を使いますよね。メンズとレディースではアッパーの革の厚さが違います。
マコ なるほど。女性はヒールの靴を履く機会も多くて大変ですよね。
マル 女性にとってヒールは「武装」です。ヒールの靴を履くとシャキッとして、脚が長く見えるし、お尻も上がるし、「今からオンナタイム入ります!」みたいな。私は取材の時は基本ヒールですよ。
マコ 「今からオンナタイム入ります!」って感じなのかぁ。男がネクタイ締めるようなものなのかな。
長谷川 はい、磨き終わりました。革に合わせてピカピカには仕上げず、ヒール部分にもしっかりワックスを塗ってあります。
マコ こういう仕上がりを見ると、長谷川さんに頼みたくなります。
マル 男性は、奥さまや彼女の靴もTHE SHOESHINE AND BARに持って来てください。
長谷川 パートナーとご飯を食べる前にここで靴を磨いて、レストランへどうぞ。待ち合わせに使ってほしいですね。
THE SHOESHINE AND BAR
東京都港区西新橋2-33-2
03-6452-8839
営業時間:靴磨き11:00~20:00、バー17:00~23:00
定休日:日祝日
丸山尚弓(まるやま なおみ)
「美人すぎるメンズファッションライター」として活動中。メンズファッションを題材とした自身のFacebookは、コメントが女性目線で分かりやすいと好評で、紹介した商品には問い合わせが殺到する。ファッション初心者を「素敵な男性」へと優しく導くことが信条。またファッションだけでなく「人生を豊かにするライフスタイル」をテーマに、男性としてトータルの魅力アップが目指せる記事を発信している。ライター以外の活動として、メンズブランドの企画やブランディングも行う。特技はコミュニケーション力を活かして外国人ともすぐに友人になれること。趣味はタウンウォッチと英語での映画鑑賞。
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii