人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
ミラノで一目惚れして、よく袖を通していました!
独立後 八面六臂の活躍を見せる、世界のファッションアイコン 小木"Poggy"基史さんに続いて登場するのは、編集長干場とともに手掛ける「WH」を筆頭に、数々の名靴を世に送り続けるシューズデザイナーの坪内浩さん。
坪内さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画の第4回目は、「ヘルムート ラング(HELMUT LANG)」の中綿入りのプルオーバーシャツです。
前回の「スペンサーハート」や「マイケル・タピア」なんかが出てくる前に活躍していたラングは、ミニマルなんだけど、ちゃんとデザインがされていて、カッコ良かったですね。
おそらくミラノのショップで見かけて、気に入って購入したんですが、当時はほんとによく着ていました。この頃、既に「プレミアータ」を手掛けていたんで、合わせて着ることが多かったのを覚えています。
中綿入りのシャツで、しかもプルオーバーというのも珍しく、他では見かけませんでしたし、この手のアイテムってボリュームが出てしまうんですが、そこはラング。ちゃんとミニマルな雰囲気に仕上げてくれていました。
寒いときはインナーにハイネックのニットを着て、軽い感じのアウターとして重宝してくれましたね。きちんとモードな香りがするアノラック的な感覚です。
最近は袖を通す機会はなくなりましたが、手放すことなく取ってあります。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka
坪内 浩
シューズデザイナー
エスペランサ靴学院卒業後、靴業界のコンサルティング会社ジャルフィックに入社、各メーカーの企画デザインに携わる。フリーランスのデザイナーとして活躍した後に、マグナム創立に参画して「プレミアータ ウォモ」や「エンツォ・ボナフェ」を日本に紹介。2008年より長年のキャリアの集大成として、自身の名を冠したブランド「HIROSHI TSUBOUCHI」をスタートし、現在はFORZA STYLE編集長の干場と「WH」も手掛ける。
シューズデザイナー
エスペランサ靴学院卒業後、靴業界のコンサルティング会社ジャルフィックに入社、各メーカーの企画デザインに携わる。フリーランスのデザイナーとして活躍した後に、マグナム創立に参画して「プレミアータ ウォモ」や「エンツォ・ボナフェ」を日本に紹介。2008年より長年のキャリアの集大成として、自身の名を冠したブランド「HIROSHI TSUBOUCHI」をスタートし、現在はFORZA STYLE編集長の干場と「WH」も手掛ける。
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