人生には、どうしても手放せなかった服、そう「捨てなかった服」があります。そんな服にこそ、真の価値を見出せるものではないでしょうか。そこで、この連載では、ファッション業界の先人たちが、人生に於いて「捨てなかった服」を紹介。その人なりのこだわりや良いものを詳らかにし、スタイルのある人物のファッション観に迫ることにします。
いまだにクローゼットから引っ張り出して たまに袖を通します
独立後 八面六臂の活躍を見せる、世界のファッションアイコン 小木"Poggy"基史さんに続いて登場するのは、編集長干場とともに手掛ける「WH」を筆頭に、数々の名靴を世に送り続けるシューズデザイナーの坪内浩さん。
坪内さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画の第2回目は、「トキト(TO KI TO)」のタキシードジャケットです。
前回、紹介した「トム ブラウン」の前くらいだから、2002か2003年くらいに買ったんだと思います。
これはまず、この柄、ペイズリーっぽいところに惹かれました。あとはショールカラーで、包みボタン1つのフォーマルなディテールを取り入れていて、カジュアルな感じなのに、エレガントな雰囲気に仕上がっている。他ではほとんど見かけない作りが好きですね。
僕は、わりと変わったものが好きな傾向が強いので、こういうテイストのアイテムが好きだし、よく買ったりしているんです。
「トキト(TO KI TO)」のアイテムについても、いろいろ買ったりしたんですが、気に入って頻繁に袖を通し過ぎているうちに だいぶヘタって寿命を迎えて、手放してしまったものが多いんですが、このジャケットは、たまに引っ張り出して袖を通す頻度だからか、まだキレイに残っています。
これに合う、新しいコーディネートを考えてみたりもしていますし、袖なんかを直せば、まだまだ着られるので、捨てることなくクローゼットには仕舞ってありますね。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka
坪内 浩
シューズデザイナー
エスペランサ靴学院卒業後、靴業界のコンサルティング会社ジャルフィックに入社、各メーカーの企画デザインに携わる。フリーランスのデザイナーとして活躍した後に、マグナム創立に参画して「プレミアータ ウォモ」や「エンツォ・ボナフェ」を日本に紹介。2008年より長年のキャリアの集大成として、自身の名を冠したブランド「HIROSHI TSUBOUCHI」をスタートし、現在はFORZA STYLE編集長の干場と「WH」も手掛ける。
シューズデザイナー
エスペランサ靴学院卒業後、靴業界のコンサルティング会社ジャルフィックに入社、各メーカーの企画デザインに携わる。フリーランスのデザイナーとして活躍した後に、マグナム創立に参画して「プレミアータ ウォモ」や「エンツォ・ボナフェ」を日本に紹介。2008年より長年のキャリアの集大成として、自身の名を冠したブランド「HIROSHI TSUBOUCHI」をスタートし、現在はFORZA STYLE編集長の干場と「WH」も手掛ける。
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