アイビーだけど新鮮だし、サイジングもバッチリでした!
独立後 八面六臂の活躍を見せる、世界のファッションアイコン 小木"Poggy"基史さんに続いて登場するのは、編集長干場とともに手掛ける「WH」を筆頭に、数々の名靴を世に送り続けるシューズデザイナーの坪内浩さん。
坪内さんが膨大な数を所有してきた中でも捨てられなかった服をご紹介する企画の第1回目は、「トムブラウン(THOM BROWNE)」のスーツです。
このスーツは、2005年秋冬シーズンのものなんですが、お取り扱いのあった伊勢丹で最後に投げ売り的に破格で売られていたものを買いました。
当時、トムブラウンは懐かしいけど新しい。「イイな、欲しいな」と思っていたので、ラッキーな感じで手に入れましたね。
中学生の頃にアイビーをかじっていたので、ものすごくスンナリ抵抗なく着られましたし、着丈も短くて、その頃のモードなスーツよりはカジュアルに着こなせた気がします。
自分が手掛けているシューズもアメリカンなテイストだったので、雰囲気的にも気分的にもピッタリでした。
ただ、その後に登場した、もう少し手頃な「ブラック フリース バイ ブルックス ブラザーズ(BLACK FLEECE BY Brooks Brothers)」を買って、そちらばっかり着てしまっていたので、好きな割には10回程度しか袖を通していないかもしれません…。
自分がスーツに傾倒し始めたのは、アルマーニ辺りからだと思うんですが、もちろんその頃に買ったものは手放してしまって手元にはない。そのときの気分で買って着ていたスーツも着なくなったら友人に譲ったりして手放してしまうことが多かったんですが、ここ最近は譲ることもなくなったからか溜まっていく一方ですね。なので、これも残っていますね。
このトムブラウンもですが、ずっと舶来物主義だったんです。ところが、あるときから国産物に目覚めてと言うか…、最近はなぜかドメスティックな物で満足できるようになってしまったんです。
インポートと違って、直さなくて着られるのが楽さに惹かれたと言うのも理由のひとつなんですが、その点トムブラウンは日本人でもフィットするサイジングで、良かったですね。
今後も袖を通すかは分からないですが、気に入ってるので捨てることはないと思います。
Photo:Shimpei Suzuki
Edit:Ryutaro Yanaka
シューズデザイナー
エスペランサ靴学院卒業後、靴業界のコンサルティング会社ジャルフィックに入社、各メーカーの企画デザインに携わる。フリーランスのデザイナーとして活躍した後に、マグナム創立に参画して「プレミアータ ウォモ」や「エンツォ・ボナフェ」を日本に紹介。2008年より長年のキャリアの集大成として、自身の名を冠したブランド「HIROSHI TSUBOUCHI」をスタートし、現在はFORZA STYLE編集長の干場と「WH」も手掛ける。