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LIFESTYLE

【ドクトルの書生が行く英蘭客船の旅】vol.3
腹ペコで臨むのが鉄則。クイーン・エリザベスのアフタヌーン・ティーが教えてくれた、本当の豊かさとは?

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FORZA STYLEの読者の皆様、こんにちは! 本誌でもお馴染みのドクトル赤峰こと赤峰幸生先生のもとで勉強をさせてもらっています、渡邉耕希と申します。

クイーン・エリザベスでの船内エンターテイメントのハイライトを体験し、未踏の地アムステルダムへ足を踏み入れた前回。最終回となる今回は、アムステルダム2日目とサウサンプトンへの帰路そして下船後の過ごし方をご紹介します。

アムステルダム2日目。好天に恵まれ、美しい街並みが迎えてくれます

船上から見えた日の出。

2日目は前日とうってかわって青空が広がり、気温も前日より5度ほど高くジャケットのみで歩いてまわれそうです。エイマイデンからアムステルダムへ向かうシャトルバスの中は大混雑していましたが、ドライバーの軽妙なトークで和気あいあいとした雰囲気。着いたらどこへ行く、何を食べるなどと楽しそうな会話が聞こえてきます。

昨日の運河も荒れに荒れた様子はどこへやら、穏やかな表情を取り戻していました。改めて街並みを見渡してみると様々な色や高さの住宅が密集しており、似たような建物が連なるパリやロンドンとはまた違った景観を生み出していることに気がつきます。

我慢できず出発前にリドでしっかりイングリッシュ・ブレクファストを平らげたのに、もう空腹な自分に半ば呆れながら向かったのは友人に勧められた老舗カフェ。街にはたくさんの雰囲気の良いカフェがあるので思わず目移りしてしまいます。

オランダには「ブランカフェ」と呼ばれるコーヒーやビールを楽しめる庶民派カフェが多く存在します。中央駅からもほど近い「Café Het Papeneiland(パーペンアイランド)」はその代表格的存在で、もともと葬儀屋で1642年にコーヒーを振る舞い始めたのがこのカフェの始まりだそうです。オープンしてすぐにも関わらず、大勢のお客さんで賑わっていました。

私がオーダーしたのはパーペンアイランド名物で、アムステルダムで一番との呼び声高いアップルパイ。ドリンクはジンジャーティーを。手づくりの巨大なアップルパイにはこれでもかと生クリームが添えられています。中身のりんごもぎっしりと詰まっており、このワンカットのパイにりんごをいったい何個使っているのかと思うほど。戸惑いを隠せないポーションですが、シナモンの香りに誘われ一口食せば、フレッシュなバターとりんごの甘酸っぱさ、果汁を吸ったレーズンの甘みが口いっぱいに広がり最高の気分に。

私はどちらかというと甘党で、アップルパイは好物で色々と食べてきましたが、パーペンアイランドのものが今までで一番美味しいと感じました。著名人もお忍びで食べに来るのだとか。甘いものがそこまで好きでないという方にもおすすめです。

ジンジャーティーにも大きな生姜のスライスが豪快に浸かっており、とにかく身体を温めてくれます。とてもさっぱりとしていて、パイとの相性もなかなかでした。お隣ではアップルパイとビールというびっくり仰天な組み合わせを楽しんでいらっしゃいました。

創業当時からのそのままといわれる店の内装、窓の外に見える運河、近くの教会から聞こえてくる鐘の音が心に安寧をもたらしてくれます。この日は、海の水色やアンティーク家具の茶色など珍しい色合わせのツイードジャケットにウェストコートとネクタイで色を広い、キャバルリーツイルのトラウザーズを合わせました。カフェの雰囲気が引き立ててくれた気がします。

ついつい長居してしまい(もちろんパイは完食)、気がつけばお昼で店内も人でいっぱい。会計を済ませてお店を出ると外には行列が! 相当な人気なのですね。お昼以降はチーズやビターバレン(オランダの国民食フライドミートボール)もメニューに加わり、夜はパブとしての機能を果たします。

懐の大きな街アムステルダム、まだまだ見足りないのですが、船へ帰る時間が近づいてきました。オランダ名物の丸いストロープワッフルをお土産にして、船へ戻ることにします。

今回は2日とも寄港地を散策しましたが、もちろん船内に留まるという選択肢をとる方も多くいらっしゃいます。多くの乗客が船を離れるこのタイミングは、ゆっくりお茶を飲んだり、食事をしたり、スパやフィットネスを気兼ねなく楽しむことのできる絶好のチャンスです。キュナード・ラインも船に残る方のためにエンターテインメントを多数用意しています。

特に寄港1日目などは温かい船内で映画を観たり、昼間からお酒を楽しんだという方も多かったようです。



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