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やっぱりフェラーリが好き!純粋なV8ガソリンエンジンのラストモデル、フェラーリF8トリブートに試乗してみた!

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V8ミッドシップフェラーリのラスボスを、雨のフィオラノ・サーキットで試す!

この仕事をしていてたまにフェラーリに嫉妬することがあります。いまだ所有することができず……、なんてことではなく、理由は注目度の高さ。他のクルマをどんなに一生懸命取材してレポートしても、「フェラーリに新モデルが出ました!」という方が話題になりますし、ぶっちゃけPVも増えます。先日SUVだけを集めた大掛かりなイベントにスタッフとして参加しましたが、その時もこんな会話がありました。「これが全部スーパーカーだったらテンション上がるね」というと、「そんなことしたら会場整理が大変なことになる」と。いやはやフェラーリを筆頭とするスーパーカーは不滅です。

さて、そのフェラーリですが、新型車が出ました(笑)。フェラーリF8トリブート です。今年3月のジュネーブモーターショーでワールドプレミアされ、6月にジャパンプレミアとして東京都現代美術館で発表会が行われたモデルです。でもって、今回イタリアで国際試乗会がありテストドライブして参りました。

ユニークなのはその名前で、「トリブート 」はイタリア語で、英語の「トリビュート」を意味します。フェラーリ的解釈としては、V8エンジンモデルに対するオマージュってところでしょう。488GTBの後継ですが、1975年から始まったV8フェラーリのラスボス的印象です。

ではなぜ「トリブート 」なのか? フェラーリは公言していませんが、純粋なV8ガソリンエンジンの最後になると考えられます。つまり、今後出てくるのはモーターか何かを組み合わせた新世代ユニットになるかと。すでに発表されているプラグインハイブリッドのSF90ストラダーレが第一弾ですかね。その辺は追っかけ取材が必要でしょう。

F8トリブート は488GTBを正常進化させた感じです。奇をてらったところはなく、エンジンとボディをよりブラッシュアップしました。排気量は変わらずの3.9リッターV8ターボ。最高出力は488GTBプラス50cvの720cvとなります。488GTBのハイパフォーマンス版488ピスタと同等です。ちなみに“cv”はフェラーリ流の馬力表記です。ただ、ディテールへのこだわりは強く、コンロッドをチタン製にしたり、50%のパーツを新設計したりして488GTBエンジン比約17%軽量化しました。

エアロダイナミクスの向上も頑張りました。リアスポイラー、アンダーボディ云々で、かなり空気抵抗値も上げています。お見事ですね。

試乗は、イタリアと言いましたが、正確に申しますとフェラーリ本社と工場のあるモデナ県のマラネッロで、F1マシンもテストする彼らのテストコース“フィオラノ・サーキット”と街の郊外を走り回りました。興奮の一日です。

が、試乗スタートの午前中はあいにくの雨。いくらテストコースとはいえ、720cvのスーパーカーのアクセルを気軽には踏み込めません。勢い余って「やっちゃいました!」ではすみそうにありませんから。本社社員食堂で何十年も皿洗いしないと……。

なんてのは冗談で、ステアリング上にあるドライブモード“マネッティーノ”をウェットモードにすると、720cvのじゃじゃ馬が絶妙に躾けられ、思い通りのラインでフィオラノを駆け抜けます。ストレートを2回通過したあたりでは、一周目とは段違いのスピードで走れました。ベストなタイミングでの電子デバイスによる姿勢制御はさすがです。途中レースモードも少し試しましたが、その時のステアリングやアクセルに対するクイックな反応は感動的でした。このダイレクト感はまんまレーシングカーです。

マラネッロの街中と郊外の走りでは乗り心地の良さが際立ちました。フェラーリシティでありながら市街地は舗装路面が悪く、かつバンプも多く設置されているので、それがよくわかります。このバンプは世界中から集まるフェラーリオーナーが街中で飛ばさないためのものです。

もちろん、スタートダッシュから高速道路でのハイスピードまで、どの領域も速さは際立ちます。が、この時も比較的安心して快適に乗れます。フロントエンジンのフェラーリを“日常でも使えるフェラーリ”とよく例えますが、この感じだとF8トリブートもかなり使い勝手は良さそうですね。

なんて感じのテストドライブ。あー、この記事も普段よりPVいいのかな? といって悪かったら、僕のせいってことですかね。



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