FASHION ― エディターヤナカのこじラグ

【ダイブ動機はノスタルジー】着込んだピケがカッコ良く、真似したのを想起させたジャケット

2019.9.8 2019.9.8
2019.9.8
自分が本当にイイと思う、一流品を買い集めていたら、無類の服好きが集まっているはずの編集部内でも「買い方がおかしい」「こじらせてる」と。自分じゃ、至極普通だと思っていたのに...。ホントにこじらせているのか確認すべく、自分が買ってきた愛しい服達を紹介していく企画「こじラグ(※こじらせラグジュアリー)」を始動させます。これがお買い物の参考になるかはわかりませんが...、世の買い物ジャンキーたちを安堵させられたら本望なのです(笑)。

デニムのGジャンは着ませんが、ピケだと欲しくなるから不思議ね❤︎

さて、151回めは「エル カミーノ レアルEL CAMINO REAL)」のベッドフォードクロス(ピケ)素材を使った、トラッカージャケット。

美しいパンツ作りに定評があったマイケル・タピア氏が、アメリカ・カリフォルニアに戻って始めたブランド「タピア ロサンゼルス(Tapia LOS ANGELES)」のデニムコレクションラインですね。

イメージソースは、労働着としてのデニムではなく、1960年代のアイビーリーガーズのジーンズなので、彼らにキャンパスウェアとして愛されたホワイトジーンズが見事に再現されています。

このベッドフォードクロス、ピケには懐かしい思い出がありまして…。

確か中2くらいのときだったかな? 中途半端な田舎だったんですが、ロン毛でシングルライダーズの上にレザーベスト、ノンウォッシュのブーツカットにエンジニアブーツ履いてメディスンバッグを腰に提げながらハーレーに跨るバイカーや、ピッタピタの4つボタンスーツでベスパに乗るモッズ、鋲を打ちまくって色まで塗ったビタビタなダブルのライダーズにパッツパツのブラックデニムで10ホールのマーチン履くスキンズ、海無いのに髪の毛が焼きそばみたいなパツキン&ソバージュでデニムのミニスカにムートンブーツ履いたロコガールまで、多種多様なオシャレを楽しんでる、オシャレで コワ〜いパイセンたちが たくさんいたんです。

その中に こ綺麗にして育ちが良さそうな格好してるんだけど、じつは悪くて喧嘩もメチャ強く、人望も厚い人がおりまして。実際にもお金持ちだったので、リアル プレッピーだったわけですが、その人が 今回紹介するジャケットの元になってるリーバイス® 911Bを颯爽と着こなしてる感じがメチャクチャカッコ良かった。

その人は、ヴィンテージのBIG Eを着ていたんですが、着込んで洗ってを繰り返し、畝が少し不規則になって馴染んできてるピケの風合いがイイ感じ過ぎて、すぐに真似して復刻を買ったという甘酢っぱい思い出があります(笑)。

ツイルよりも素材感があって着込むほどに やれてくるし、コーデュロイほど いなたくない。この絶妙な雰囲気にやられて 大人になってからも 状態の良いオリジナルを買って着たり、対となるパンツや、513なんかも買ったんですが、汚れてくると だんだん着なくなって処分したり、実家に眠らせたりしてきました。

そんなノスタルジーを呼び起こし、即清水ダイブを決断させたのが、今回のジャケット。オリジナルは着丈が短く、サイズを上げて着ないとバランスが悪かったんですが、さすがマイケル・タピア! 着丈も丁度えぇ。

身幅もスッキリさせており、シャツ一枚では心許ない春先や、ちょっと涼しくなりだした秋口に着るライトアウターとして大活躍してくれます。

さらに、サイズバランスが良いので、冬はコートのインナーにも使え、八面六臂の働きを見せてくれます。チェスターフィールドコートの下にGジャン着るのってカッコいいんですが、僕的にはデニムのあのブルーな感じが 難しく…、このアイボリーの方が合わせやすい。

僕も着ては洗ってを繰り返し、イイ感じに味の出た状態で着こなせるように試みていますが、そンな姿を見て、真似したくなるような後輩は恐らくいないんでしょうね……。

Photo:Shimpei Suzuki
Text:Ryutaro Yanaka

Author profile

谷中 龍太郎
谷中 龍太郎
Yanaka Ryutaro

FORZA STYLE シニアエディター

さまざまな雑誌での編集、webマガジン『HOUYHNHNM』編集長を経て、『FORZA STYLE』にシニアエディターとして参画。現在までにファッションを中心に雑誌、広告、カタログなどを数多く手掛け、2012年にはニューバランス初となるブランドブックも編纂。1976年生まれ。

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