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【応用法まで徹底解説】カクテルパーティー効果って⁇

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気にしないようにすればするほど気になっちゃいますよね……

飲み会や繁華街などの人がたくさん集まりガヤガヤと騒いでる空間でも隣の相手と会話が成り立ったり、電車の中で寝てしまっても自分の駅に着くと自然に目が覚めることはありませんか?

これはカクテルパーティー効果と呼ばれる現象です。

単語は聞いたことがあるという人や意味は知っているという方は多いでしょう。しかし、実はこのカクテルパーティー効果が恋愛やマーケティングにも使用できることは意外と知られていません。

今回はそんなカクテルパーティー効果についてじっくりとご説明します‼

目次

●カクテルパーティー効果とは

●メカニズム
・なぜカクテルパーティー効果があるの?
・実は……

●カクテルパーティー効果の影響
・視覚的影響
・心理的影響

●実験
・提唱者の実験
・アメリカの実験

●活用方法
・恋愛
①相手の名前を頻繁に呼ぶ
②相手が興味のある話題をだす
・マーケティング
①宣伝を具体化する
②ターゲットが求めていそうな単語をちりばめる

●カクテルパーティー効果で脳トレ
・ざわついたところで
・音楽で脳エクササイズ

●カクテルパーティー効果がない人
・発達障害を持っている人
・選択的注意力が弱い人

●まとめ

カクテルパーティー効果とは

カクテルパーティー効果とは、たくさんの人がそれぞれに雑談しているなかでも自分に必要な事柄だけを選択して聞き取ったり、見たりする脳の働きのことです。

パーティーのざわざわとした騒音の中でも会話相手の声を判別できることから、この名前がついたと言われています。

メカニズム

・なぜカクテルパーティー効果があるの?

なぜカクテルパーティー効果が起こるかというと、脳のパンクを防ぐためです。五感から得た情報をすべて等しく認識していたら、大変なことになってしまいますよね。

例えば街を歩いているとき、視界の文字をすべて読みすべての音を聞き、服が肌に触れる感覚を覚えすべてのにおいを理解していたら耐えきれないと思います。

脳はそれを回避するため、必要そうな情報のみを得て他をシャットダウンしているのです。

・実は……

実はカクテルパーティー効果のメカニズムは、現代でもまだ詳細に解明されてはいません。さきほど述べたように、人の脳が耳から入ってきた音情報を取捨選択しているのはわかっているのですが、どのような処理がなされているかは明確ではないのです。

ただこの取捨選択は、音源の位置や声の周波数の差があることによってなされているのではと考えられています。なぜなら、カクテルパーティー効果が働いた状況を録音し、音源位置や周波数の差をなくした状態で聞くと、判別が非常に難しくなるからです。

カクテルパーティー効果の影響

・視覚的影響

カクテルパーティー効果は聴覚だけでなく視覚にも影響があります。

目的のお店の看板がパッと目に飛び込んできた経験や、ほしいと思っているアイテムがよく目にとまったりという経験はありませんか? これも、脳が意識した事だけをピックアップした結果なのです。この視覚現象は「カラーバス効果」とも呼ばれています。

裏を返せば、自分が意識していないものは視界からはじかれているということになります。書類上の大きな誤字脱字に気づけなかったり、「さっき通ったときにはこんなお店あったっけ?」という状況は、他のことに意識が向いていたからだと説明することができます。

・心理的影響

「やたらと他人のヒソヒソ話が耳について気になってしまう……」というのもカクテルパーティー効果のせいです。

つまり、「そのヒソヒソ話は自分に関係がある情報だ」と脳が意識しているために、たくさんの情報のなかからヒソヒソ話を選出して聞いてしまっているということ。

自分に自信がなかったり、なにか負の感情を持っていると周囲の目が気になりますよね。すると脳がその情報が必要なんだなと解釈するので、普段は雑音で気にならなかった話し声などが気になってしまうんです。聞きたくないと思えば思うほど、その情報に意識が集中していきます。このようなときは、何か他に集中できる事柄を見つけましょう。

実験

カクテルパーティー効果の謎を解明すべく、様々な実験が行われてきました。そのなかでも有名な三つをお教えします。

・提唱者の実験

カクテルパーティー効果は、1953年にイギリスの心理学者コリン・チェリー氏によって初めて提唱されました。

チェリー氏が行った実験をご紹介します。まず、被験者の左右の耳に同時に異なる音声を聴かせ、片方の耳に注意を傾けるよう指示します。すると意識を傾けなかったほうの音声が聞こえなくなるという結果が出ました。これにより、人は意識を向けた情報を優先し、それ以外の情報を無視していることが証明されたのです。

また同様の実験中に、意識を傾けていないほうの音声に被験者の名前を混ぜたところ、被験者の意識がそちらに移るという現象が起きました。このことから、人は自分の名前に強制的に意識が向くということがわかります。

・アメリカの実験

アメリカでは、カクテルパーティー効果が人間関係にどういった影響を及ぼすのかの実験が行われました。

まず、男女の被験者に15分間会話をさせるというパターンと、15分間の会話中に複数回相手の名前を呼ばせるというパターンをつくります。すると、会話の中で名前を呼ばれたパターンのほうが、相手に対して親しみや好意を持っていたということがわかったのです。

活用方法

アメリカの実験結果を見て、「カクテルパーティー効果を活用すれば、他人からの印象を操作することができるのでは?」と思われた方もいらっしゃるでしょう。そうなんです、カクテルパーティー効果は恋愛やマーケティングなどといった様々な場面で活かせる現象です。

ポイントは、相手の名前を呼んだり相手が気になるワードを出すだけ。ちょっとしたテクニックを習得して、物事をすこし有利に進めてみませんか?

・恋愛

恋愛の初期段階で重要なのは、自分を意識してもらうこと。ここで言う「意識」とは、恋愛感情ではなく言葉通りの「認識」的な意味だと思ってください。意識されていなければ、どんな会話や行動をとったとしても無意識になってしまいます。

その他大勢から記憶に残るような知り合いになるために、そしてできるだけ好意的な記憶として残るためにカクテルパーティー効果は有効なのです。

①相手の名前を頻繁に呼ぶ

知り合ったばかりの気になる人に名前を呼ばれて嬉しかった経験はありませんか? 名前を呼ばれると、自分に興味を持ってくれている感じがしたり、特別感がありますよね。

そこで、会話のなかでさりげなく名前で呼んでみましょう。相手に好印象を与えられるだけでなく、相手からも名前で呼び返してもらえる可能性が高まります。名前を呼び合うのは親密になるために非常に効果的です。

例えば、婚活パーティーをイメージしてみてください。ただの会話では、一日に何十人もの異性とマッチングする婚活パーティーで意識に残ることができませんよね。ざわざわとした会場で名前を呼ばれると、まず相手の意識があなたに向きます。そして何度も会話の中に名前を登場させ、相手からも呼ばせることで、相手のなかにあなたの印象が根づくのです。

しかし、効果的だからといってやり過ぎては逆効果。馴れ馴れしく思われて距離を取られてしまう恐れがありますので、1文中に1回くらいにとどめましょう。また、最初から苗字ではなく名前で呼ぶというのも、大人的にはNGです。

②相手が興味のある話題をだす

相手が興味のある話題を出すことも、恋愛において効果的です。

人混みでも自分が興味のある言葉は耳に入ってくるように、自分に関係があると脳が意識したことはピックアップされるのです。そのため、合コンなど自分以外に相手の意識が向いてしまいそうなとき、相手が興味のあるワードを出してつなぎ止めることができます。

またその言葉に相手が食いつき、むこうが饒舌になればこちらは聞き手に回ることができますし、相手のことをもっと知るための手掛かりになりますよ。

・マーケティング

ビジネスの場でもカクテルパーティー効果は役立ちます。

ちなみに、恋愛編で述べた「相手の名前を呼ぶ」というテクニックは、取引先などでの人間関係を円滑にスタートさせることにも使えますよ‼

①ターゲットを具体化する

例えば熱帯夜のお祭りで「ビールいかがですかー‼」と叫んでる店員と「あっつ~い夜、キンッキンに冷えたビールでプハッとしませんかー‼」と叫んでる店員。どちらに惹かれますか?

前者は通り過ぎている人全員にアピールしているため、かえって訴求力が弱まっています。一方、後者はターゲットを決めて具体的にアピールしているので、客の脳内に冷たいビールが具体的なイメージとなって想起され、集客率が上がります。

さらに、暑い人混みにいる人は冷たい飲料を求めているので「キンッキンに冷えたビール」というフレーズがカクテルパーティー効果によって耳にとびこんでくるのです。

②ターゲットが求めていそうな単語をちりばめる

カクテルパーティー効果の視覚的影響を利用します。

家族向けマンションの宣伝ポスターなら、「家族団欒」「育児」「出勤」といった世帯主が日頃から気にしていそうな単語を書き入れることによって、ターゲットの目に留まりやすくなります。

カクテルパーティー効果で脳トレ

カクテルパーティー効果は脳の色々な部位を使用しています。

つまりカクテルパーティー効果を応用すれば脳トレになるということ。とくに聴覚に関する脳機能を鍛えることで、情報処理能力が向上すると言われています。

・ざわついたところで

カフェや駅のホームなどのざわついた場所で、あえて自分から離れたところにいる人々の会話を聞いてみるという方法です。最初はざわめきにかき消されたり他の音に意識がいってしまいますが、そのうち聴覚の意識を集中させやすくなります。

・音楽で脳エクササイズ

音楽を聴くときにも、聴覚の脳機能をトレーニングする方法があります。

それは、「特定の楽器に注目して音楽を聴く」ということです。良く知った曲でも、何か一つの楽器の音色に注目して聴くことで脳の活用される場所が変わります。

歌詞に意識がいってしまうと、楽器の演奏が記憶に残りにくいですよね。これは、歌詞を理解するときに使われる脳の機能と、演奏を判断するときに使われる脳の機能が異なるから。ベースや歌詞、コーラスなど多様な観点で音を追っていくことで、聴覚の脳機能強化につながりますよ。

カクテルパーティー効果がない人

カクテルパーティー効果は、習得した覚えはないけれど気づいたら身についているという人がほとんどです。しかし、世の中にはカクテルパーティー効果が弱い人や備わっていない人もいます。

・発達障害を持っている人

発達障害と診断された人のなかには、カクテルパーティー効果を持たず苦しんでいる人が一定数います。その理由は大きく分けて二つ。感覚過敏と感覚鈍麻です。

①感覚過敏

感覚過敏とは、読んで字のごとく五感が敏感すぎることです。

例えば聴覚過敏の場合、感覚が鋭すぎるためにすべての音を拾ってしまいます。他の人々が普段無意識にシャットアウトしているような秒針の音や冷蔵庫の稼働音などが人の会話と同じような比重で聞こえてくるため、音を選別することができません。意識の選択が難しいので、他のことに集中しようとしても音の洪水に邪魔されるというわけです。

街中でたまに見かける、大きなヘッドホンに似た器具をつけている人は聴覚過敏を防いだり和らげたりしようとしているのです。

②感覚鈍麻

これは感覚過敏とは反対に、感覚が鈍すぎることを指します。

さきほどの音の例を利用すると、感覚鈍麻の人は音を意識しづらい状況にあります。聴くことが難しい難聴とは少し異なり、耳に問題はないが音の意味を認識しづらかったり、反応しづらかったりするようです。脳のシャットアウトが強すぎるというイメージですね。

・選択的注意力が弱い人

カクテルパーティー効果が弱い=発達障害というわけでもありません。そのように診断されていなくてもざわめきで目の前の人の声が聴きとりにくいという場合はあります。

「聴力検査で異常が出たことはないし、日常会話で困ることはない。でもノイジーな環境では遠くの人の会話がクリアに聞こえて、目の前の人が何を言っているか聞こえない」と困っている人も。

これは選択的注意力が弱いのが原因だと考えられます。かなり集中すれば目の前の声も理解できますが、気を抜くと注意があっちこっちに飛んでしまうため、カクテルパーティー効果が働きにくいのでしょう。耳のチューニングがあっていないような感じだと思われます。

生活や人間関係に支障を来すようならば、きちんと耳鼻科などを受診してくださいね。

まとめ

とっても身近な「カクテルパーティー効果」。

実は私たちの心に大きく左右されているということがわかりました。ヒソヒソ話などのネガティブなことばかりが気になって、良いことが意識の外へ消えてしまってはもったいないですよね。気にしすぎては逆効果ですが、できるだけ前向きなことを意識して過ごしたいものです。

また、今回は恋愛とマーケティングの分野での活用方法をご紹介しましたが、きっと他にも活用できるシーンがあるはずです。ぜひ、活かしてみてくださいね‼

Photo:Getty Images
Text:K.S



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