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脳疲労とは? 脳が疲れると肥満や認知症、過労死の原因になる恐れあり!

2019.8.14 2019.8.14
2019.8.14

脳だって身体の一部、疲れちゃうんです

日頃なかなか疲れが取れない、なんとなくやる気が出ない、風邪や病気じゃないけどなんだかだるい、会社で働き家で眠るのを繰り返す毎日……。これらを読んでひとつでも「自分のことだ」と思った人は、脳に疲れが溜まっているのかもしれません。

脳疲労とはどんな状態なのか、あなたは脳疲労に当てはまるのか、脳疲労が身体に及ぼすさまざまな影響とは、脳疲労を溜めないためにどんな対策をすればいいのか……脳疲労に関する疑問をすべて解決します!

脳疲労とは?

脳疲労とは、簡単に言えば文字通り脳が疲れた状態のことです。脳は多くの情報に基づいて身体のあらゆる箇所にさまざまな指令を出し続けています。筋肉を使い続けると疲れるのと同じで、脳も適切に休ませなければ疲れてしまうのです。そして脳が疲れると、身体に「疲れた」という信号を出します。その結果「なんとなく全身がだるい」と感じるようになります。

少し詳しく見てみましょう。まず脳は常に体温や血流、呼吸をコントロールしてベストな状態に保ち続ける指令を出しています。例えば運動すると、もちろん筋肉も使いますが、適切な脈拍で全身に血液を送り、呼吸を調節して酸素を多く取り入れ、体温が上がったら汗を出して冷ますなど、脳の指令もたくさん出ていることがわかります。我々が気づきにくいだけで、脳が疲れるのも当然ですよね。

そして、脳と一口に言ってもその中でさまざまな役割分担があり、脳の司令塔である大脳の中でも、言語や理論を理解する知性の部分「大脳新皮質」、本能的な欲求や感情を司る「大脳辺縁系」、と分かれています。普段はその両者が互いに情報を伝え合っていて、その2つから指示を受ける間脳という場所では、自律神経や食欲をコントロールしています。

例えば、仕事が忙しく働きづめのとき、本当は休みたいところですが理性的に考えれば働かないといけませんよね。こんなとき、大脳新皮質は大脳辺縁系の「休みたい」という情報は聞かず一方的に「働かなきゃいけないんだ」と指令を出して、相互の情報交換ができなくなります。

互いにうまく情報を伝え合えていない大脳新皮質と大脳辺縁系の両者から、間脳は矛盾した指令を受けます。そうすると間脳はどうすればいいのかわからなくなり、異常をきたすようになります。自律神経や食欲を制御できなくなり、不眠や過食などが起き始めるのです。こうなると心身ともに健康でいられないのは想像に難くないでしょう。

脳疲労の原因

脳が疲れてしまう原因は日常生活の中でもたくさんあります。激しい運動をした後は体内に普段以上にたくさんの指令を出すため疲れます。その後で休ませればよいのですが、十分な睡眠時間が確保されていないと休息が足りていない状態になります。激しい運動以外も、脳を働かせている以上は睡眠不足は大敵です。

スマホのしすぎやデスクワークなども原因になります。情報量が多い画面を注視し続け、しかも本来なら遠くを見るモードである交感神経を働かせながら近くのスクリーンを見ているため、自律神経はその矛盾に疲れてしまいます。

そしてストレスも脳疲労の大きな原因のひとつ。家族や友人、恋人との人間関係がうまくいっていなかったり、お金に関しての悩みがあったり、職場の上司や同僚、部下のことで頭を悩ませていたり、将来のキャリアや人生設計において不安があったりと、誰でも悩みごとやストレスに感じることはありますよね。

現代社会において、普通に暮らしていて脳疲労がまったく発生しないという人はなかなかいないということは伝わったかと思います。身体の疲労と同じで、溜め込みすぎる前に回復させられるかどうかがカギなのです。

脳疲労度チェック

さて、あなたの脳疲労はどのくらいのレベルでしょうか? 次のチェックリストに多くのチェックがつけばつくほど、脳疲労度が高い恐れが!

□最近あまり食事を「おいしい」と感じない
□夜中や早朝に目が覚めてしまう
□理由もなく不安になったり無気力に感じたりする
□特別身体を動かしたわけではないのに疲れる
□何かに集中すると長時間のめり込むタイプ
□よく便秘になってしまう
□なぜかイライラしたり気持ちが沈んだりする
□自分の仕事は残業してでもやり遂げる
□頭がぼんやりして考えがまとまらない
□物忘れがだんだんひどくなってきた
□カフェインや栄養ドリンクで疲れを吹き飛ばす

ひとつでも当てはまる場合、脳疲労が起こる恐れがあります。また、この中で5つ以上当てはまっていた場合は脳疲労が起こる一歩手前、8つ以上当てはまっていた場合はすでに脳疲労の状態になっているかもしれません。

自分では脳が疲れているかどうかなんて気づけないことが多いため、意外と自分にも起こりやすいことなんだと知るだけでも大きいでしょう。ここから脳疲労にならないように気をつけていきたいところです。どうしても体調が優れない場合は、すぐに病院で医師に相談しましょう。

脳疲労の悪影響

脳疲労が身体に及ぼす悪影響はたくさんあります。その中でも特に病気や命の危険など、大きなリスクにつながるものをご紹介します。

①肥満になりやすい!

肥満になってしまう理由は、食べすぎたり運動不足だったりするからだというのは常識ですよね。しかし、なぜ食べすぎてしまうのかと言われると、わからない人も多いのではないでしょうか。

脳疲労になると、味覚・嗅覚・視覚・聴覚・触覚の五感が鈍くなります。さらに脳の中で食欲をコントロールしている部分にも異常が起きます。そうすると、甘さやしょっぱさを感じる味覚が人より鈍感で食欲も抑えられないために、糖分や塩分などが多く肥満の原因になりやすい食べ物をたくさん食べてしまうのです。

そうして摂取したエネルギーは動いて消費しなければ脂肪として蓄えられます。しかし脳疲労の状態では、身体がなんだかだるく感じてやる気もあまり出ないため、運動する気になれません。そのため消費されるエネルギーが食べた分より少なくなり、どんどん太ってしまいます。

実際、肥満の人は「食べないとイライラして、食べるとホッとする」「どうしても食べたいわけではないのに、つい手を伸ばしてしまう」といいます。エネルギーは十分足りているのでお腹がペコペコになるわけではなく、脳疲労状態では我慢がきかなくなってしまっているのです。

②将来の認知症につながる

脳疲労の状態では、脳の神経細胞にいらない物質が蓄積されて脳に炎症が起きているかのようになり、それが脳細胞を死滅させてしまうために記憶機能に障害が起きる危険性が高くなるほか、記憶に関係した神経伝達物質の働きも低下してしまい、うまく物事を思い出せなくなっていくことがあります。

記憶というのは、頭の中のたくさんの引き出しに覚えておく事柄をしまっておき、必要になったときにその事柄が入っている引き出しを探し当てて取り出してくる、という作業です。しかし、見つけたいものがしまってあることはわかっているのにどこにあったかうまく探し出せないと、「ド忘れ」の状態が起きてしまうのです。

ド忘れの段階であればまだ認知症ではなく、ただの「物忘れ」です。認知症の場合、記憶があったはずなのに探し出せないのではなく、記憶そのものがない状態です。しかし、だからといって安心することはできません。

脳疲労の状態を放置していると脳の老化の原因になり、脳疲労ではない普通の人より早く認知症を発症しやすくなってしまいます。認知症なんてまだ遠い話、と思っているかもしれませんが、脳疲労は若い世代でも起こります。認知症の原因を遡ると30~40代からすでに始まっているともいえるのです。

③過労死のリスクも

脳疲労で過労死なんて大げさな、と思うかもしれませんが、そう思っている人ほど過労に陥りやすいです。そもそも脳疲労は、真面目で責任感が強く頼まれたら断れずに、自分1人できちんとやり遂げようとするようなタイプの人により起こりやすいものです。

デスクワークなどでは身体の疲れを感じにくいですよね。座っているだけなので、長時間集中してやっても平気だと思い込んでしまいます。そして、自分で気づかないうちに無理をして仕上げた仕事が成功したり評価されたりすると、達成感と次の仕事への意欲を得ます。この達成感や意欲が疲れをかき消して疲労を感じさせなくしてしまいます。

自律神経は年齢とともに衰えているのに、若いうちにバリバリ休みなく働いて評価されてきた経験をしている人は、その頃と同じようにやっていると自分自身すら疲れに気づけず、昔の経験に基づいた自信からもっと働けるんだという意欲が邪魔をして、最終的に身体を壊してしまうのです。

脳疲労を防ぐための対策法

さまざまなリスクのある脳疲労ですが、予防や対処にはどのような方法があるのでしょうか。

①睡眠は量も質も大切

脳を休めるためには、やはり睡眠は大切です。しっかりと6時間程度以上は睡眠時間を確保するほか、ぐっすりと眠る質の良い睡眠にも気を遣いましょう。

ベッドのマットレスや枕にこだわったり、部屋の温度や湿度に気をつけたり、お気に入りのアロマの香りでリラックスしたり……。間違っても寝る前にスマホの画面を見ることのないようにしてくださいね。

寝つきが悪い人は、就寝の1~2時間前くらいにゆっくりぬるま湯のお風呂に入ると、上がった体温が下がり始めるタイミングで自然と眠りにつきやすくなります。アツアツのお湯では交感神経が興奮して覚醒してしまうので、40℃以下くらいで副交感神経を優位にしましょう。

どうしても仕事のある日で睡眠時間を確保できない場合は、休みの日にいつもより2時間程度多く寝るのが疲労を取るのに有効です。それより多く寝ると体内時計のリズムが崩れてしまうので、寝坊は2時間までにとどめて普段より遅く起きるか、より理想的なのは2時間早く寝ること。難しければ、1時間早く寝て1時間遅く起きてもよいでしょう。

②意識して脳に栄養を

脳の老化や疲労の蓄積などを防ぎ、改善してくれる栄養を意識的に摂るようにしましょう。「魚を食べると頭が良くなる」とはどこかで聞いたようなフレーズですが、実際サバやサンマ、イワシなどの青魚に多く含まれるDHAは脳の老化を予防したり記憶力を維持させたりすると言われています。

他にも、くるみなどナッツ類に多く含まれるα-リノレン酸にも、脳の老化予防や記憶力維持の効果があります。チョコレートに欠かせないカカオにも認知力向上作用があるとされるため、頭を使うとチョコレートが食べたくなる、なんていうのもあながち間違っていないのかも。

ただし、脳疲労の状態は肥満につながりやすいため、味の濃いものや脂っこいもの、糖分をたっぷり含むものなどを多く摂りすぎないよう、全体的な栄養バランスと食事量に気をつけることも忘れてはいけません。

③長時間のデスクワークは注意

何時間も集中してパソコンに向かって仕事をしているという人は、高い確率で脳疲労の状態になりやすくなっています。4時間やって20分休憩するのと1時間やって5分休憩するのでは、休憩時間は変わりませんが脳の働く効率は全然違ってきます。1時間ごとにこまめに立ち上がったりちょっと別の作業を挟んだりしましょう。

脳にとって本来自然な状態は、少しの変化がある環境の中にいることです。オフィスのように机と蛍光灯が規則的に並んだ場所に長時間いるだけでも、変化がないので脳は疲れます。一方自然の風や太陽の光は少しずつ変化しますよね。ランチはデスクで済ませるより、少し外に出て自然の変化を感じながら脳を休ませるようにしてみてください。

また、その日のタスクをすべて100%で仕上げようとするのは現実的に考えて無理な話です。手抜きというわけではなく、優先順位の高いものや注意すべきポイントにより力を注ぐようなメリハリをつけましょう。優先順位が低いものは忙しくない日に回すなどして、「残業してでも今日すべて終わらせる」という働き方もほどほどにしてください。

④ストレス発散は大切だけど……

脳疲労にはストレスが大きく関わってきます。改善のためには、ストレス発散はとても大切なことです。しかし、その方法次第では逆効果になってしまうこともあります。

仕事終わりにジムなどで激しい運動をして汗をかくとリフレッシュできるというのは間違い。激しい運動では体温や心拍数、呼吸など身体の機能を調節するために、脳と自律神経をよけいに酷使して疲れがむしろ増幅してしまいます。ストレッチやウォーキング、ヨガなどは血流促進になってリラックスもできるため、早く家に帰って睡眠の導入剤がわりに取り入れてみてもよいでしょう。

お酒をたくさん飲むとストレスが発散できて元気になるような気がするのも間違い。アルコールで脳の一部が麻痺した状態になり、疲れがなくなった気になるだけです。飲みすぎはよくありませんが、少量なら全身の血流を促してくれるのでOK。品よく嗜む程度で、ビールなら中瓶1本、ワインならグラス2杯、日本酒なら1合までが1日の適正量の目安です。

まとめ

身体と比べて脳が疲れているのは気づきにくいですが、脳は24時間365日働いてくれているのです。たまには自然の中でぼんやりするだけの時間を設けるなど、脳にも休暇をあげてみてください。

Photo:Getty Images
Text:N.M

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