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ハロー効果を活用すれば、恋も仕事も上手くいく‼

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自分の印象、認識できてる?

「学歴フィルター」だったり、なんとなくルックスがいい人は性格もよさそうに見えたり……。なぜか他人に実力以上の期待をしてしまったということはありませんか? ひょっとするとそれは、ハロー効果のせいかもしれません。

今回は誰でも陥ってしまうハロー効果について、じっくりと解説します。ビジネスパーソンは覚えていて損はありませんよ!!

目次
●ハロー効果とは
 ・意味
 ・原因
 ・由来
 ・ポジティブハロー効果
 ・ネガティブハロー効果

●アッシュの「印象形成実験」

●具体例
 ・日常
  ①CM
  ②口コミ
  ③社会的地位が高い人は立派?
  ④肥満=自己管理能力がない?
  ⑤サービス業の人に一目惚れ?
  ⑥芸能人のスキャンダル
 ・仕事
  ①学歴フィルター
  ②面接
  ③スキルの拡大解釈
  ④目立ち度合いで評価

●ハロー効果のデメリット
 ・不当な評価の恐れ
 ・効果があるのは最初だけ

●対策
 ・先入観や思い込みを排除する
 ・評価基準を明確にする
 ・長期的な観察から評価する

●有効活用:ビジネス編
 ・使えるハロー効果
  ①身だしなみを徹底する
  ②オフィスをきれいに保つ
  ③受賞などを書く
  ④有名人を広告に起用する
 ・注意点
  ①不祥事の際のイメージダウンが強くなる
  ②長期的なイメージの維持が難しい

●有効活用:恋愛編
 ・使えるハロー効果
  ①相手の好む服装をする
  ②自分の長所を目立たせる
 ・注意点
  ①裏表を作らない
  ②すでに良く知られた相手には効きにくい

●まとめ

●ハロー効果とは

・意味

ハロー効果(halo effect)とは、ある対象を評価する際、目立ちやすい特徴に引きずられ他の特徴や対象全体についての評価が歪められる現象のことです。

コンコルド効果カリギュラ効果などと並び、心理学において「認知バイアス」と呼ばれるものの一種となっています。

日本では「あばたもえくぼ」「坊主憎けりゃ袈裟まで憎い」などのことわざがハロー効果を表したものだと言われています。

・原因

ではなぜ、認知のゆがみであるハロー効果が起きるのでしょうか。

まだ確固とした原因の解明はなされていませんが、原始時代には即断即決が生存に有利であったため、遺伝的に受け継がれているからだと考えられています。

たしかに、狩りや戦いの場面においていちいち慎重な判断をしていては命にかかわりますよね。今までの経験や先人たちに教わった知恵などから機敏に行動しなくてはなりません。それがハロー効果につながったというのは納得できます。

・由来

「ハロー効果」という言葉は、アメリカの心理学者エドワード・ソーンダイクが1920年に書いた論文の中で初めて用いられました。

この「ハロー(halo)」とは、西洋絵画でイエスキリストなどの頭上や後ろに描かれる光輪のことです。そのため「光背効果」「後光効果」とも呼ぶことがあります。

たいして知らない絵だったとしても、光輪がついているだけで「すごい人なんだな」と思ってしまいますよね。対象人物そのものではなく、その後ろから輝くように見せている光輪(つまり他の目立つ特徴)によって全体を評価してしまうという人間の傾向をよく示唆した比喩だと思いませんか?

・ポジティブハロー効果

ハロー効果の中には、「ポジティブハロー効果」というものがあります。これは、人の際立った長所を見て、他の点も実際より高く評価するという状況を指します。

例えば、「このビジネスマンは清潔感があってはきはきと笑顔で応対できる。きっと仕事ぶりも優秀だろう」と判断したことはありませんか?

マーケティングや恋愛テクニックなどでも、このポジティブハロー効果は用いられています。

・ネガティブハロー効果

対する「ネガティブハロー効果」とは、ポジティブハロー効果の正反対、ある特定の印象が悪いと感じた場合に他の観点でも評価を下げてしまう現象のことです。

「この人は服装がだらしないから、仕事に対してもだらしないんだろう」と思ってしまったり、有名なところだとアメリカなどでの「太っている人は自己管理能力がない」といった判断基準がネガティブハロー効果に含まれます。

●アッシュの「印象形成実験」

ハロー効果の実験で最も有名な、アッシュの「印象形成実験」を紹介します。ぜひ、あなたも一緒に考えてみてくださいね。

まず被験者に、人物AとBの性格特徴を列挙した紙を見せます。それがこちらです。

A:知的、敏腕、勤勉、温かい、てきぱきしている、現実的、注意深い
B:知的、敏腕、勤勉、冷たい、てきぱきしている、現実的、注意深い

この二つのリストの違いは「温かい、冷たい」の違いのみですが、たったこれだけでも全体から受ける人物像はかなり違ってきませんか? 実際、被験者たちのAとBに対する印象もかなり違いがあったようです。

そして被験者たちにはもう一つリストを提示します。

A:知的、勤勉、強力、非難的、頑固、嫉妬深い
B:嫉妬深い、頑固、非難的、強力、勤勉、知的

この場合、二つのリストの違いが提示順序のみだったことにお気づきでしょうか? しかし被験者が受け取ったイメージはAとBで異なり、Aの人物イメージは「欠点はあるが、能力のある人」、Bは「欠点があるため能力があっても残念な人」という結果になったそうです。

この実験により、どんな印象を最初に得るかで相手への評価が変わるということが証明されました。

●具体例

ハロー効果の定義をご理解いただいたところで、これが我々とどう密接にかかわっているのかをご紹介します。

・日常

まずは、私たちの日常におけるハロー効果です。「あるある!」と頷けるものが必ずあるはずですよ。

①CM

これは、購買意欲をハロー効果によって高められている例です。

見たこともなければ口コミを聞いたわけでもない商品を、CMを見ただけで「いい商品だな」「ほしい」と判断しているのは、その商品を好感度の高い芸能人やキャラクターがPRしているからというハロー効果によるところが大きいのです。

その芸能人への評価が高いために、実際の商品の具体的な長所短所がわからなくても自然とよいものに見えてしまうのは、ポジティブハロー効果が働いているから。この場合の後光は芸能人ということになりますね。

②口コミ

口コミも一種のハロー効果を持ちます。

例えば、SNSで何万人もフォロワーがいるようなインフルエンサーが商品をおすすめするいわゆる「ステマ(ステルスマーケティング)」は、インフルエンサーという後光を利用したハロー効果です。また、芸能人などのステマは信用しないという人でも、身近な人の口コミを聞いて買ってしまった経験があるのではないでしょうか?

商品自体をよく知らなくても、口コミでほしくなる。それはまさしくハロー効果です。

③社会的地位が高い人は立派?

遠い人物では歴史の偉人や大企業の社長、有名医師などに対して漠然と「高潔」「人格者」というイメージで語られることが多いですよね。

実際に人として優れた徳を備えている方も中にはいらっしゃるとは思いますが、だいたいの場合は周囲がその人の肩書きや経歴のみから勝手に連想しているにすぎないのです。

④肥満=自己管理能力がない?

これはネガティブハロー効果の一例です。もともとはアメリカなどで認識されていた評価ですが、残念ながら近年日本でも増えているようです。

その人の日常生活や太った原因を全く知らないにも関わらず、肥満体型というだけで生活態度に関しても悪い評価を付けてしまうという、失礼なネガティブ・ハロー効果となっています。

「太っている」という一つの目立つ特徴をもとに、食べる量を制限できない、運動の計画を立てられない、つまり自己管理能力がないからだ、など様々なマイナス評価を下してしまいます。太っているという身体的特徴と仕事や人柄の優秀さは一体ではないという冷静な結論に辿りつけないのです。

⑤サービス業の人に一目惚れ?

どういうこと?とピンときていない人もいるかもしれませんので、もう少し具体的にしてみましょう。「いつも笑顔で挨拶してくれるカフェ店員さんを好きになってしまった」というエピソードはあるあるではありませんか?

これは、「客に笑顔で対応してくれる」というサービス業の方の良い特徴を受けて、「この人は明るくて素敵な人なんだろうなぁ」と人柄にまで拡大解釈してしまうというハロー効果なのです。

⑥芸能人のスキャンダル

これはハロー効果からくる評価の大暴落の例です。

最初に述べたように、人間はルックスの優れた人を人格者だと思うふしがあります。つまり芸能人などはそのルックスやトーク力のハロー効果により、実物以上に「いい人」だと認識されているということです。

そこでもしスキャンダルを起こすと、今まで好感度が高かったぶん大衆の「裏切られた感」が増幅し、好感度が一気に下落してしまうのです。特に日本人はスポーツ選手に対して公平かつ清廉であることを求めるため、スポーツ選手のスキャンダルにも他国より厳しいそうですよ。

・仕事

ハロー効果はビジネスの場でも頻繁に登場しています。採用面接や人事評価にも影響していることがわかる具体例を見てみましょう。

①学歴フィルター

昨今問題になっている学歴フィルターも、最も一般的なハロー効果の例です。

有名大学を卒業しているということとビジネスパーソンとしての優秀さは、本来イコールではありません。ですが、超一流大学卒の人にはなんとなく仕事もできそうなイメージを持ってしまいますよね。これは、「一流大学卒」という肩書が後光となってその人の実力を底上げして見せているのです。

②面接

あらゆるハロー効果が一堂に会しがちな状況と言えば、面接です。そもそもハロー効果は即断即決のために身についた心理バイアスなので、面接という短時間で採用か不採用かを決めなくてはならない場で生じやすいのも当然。

学歴以外にも、身だしなみや容姿なども面接の場でのハロー効果に強く関わってきます。ある実験で、モデルと一般人の男女をそれぞれ2人ずつ集め同じ面接を受けさせたところ、男女ともにモデルの方が採用率がよかったそうです。

ポジティブハロー効果が働いてくれていれば嬉しいですが、ネガティブハロー効果を相手に与えてしまってはもったいないですよね。

③スキルの拡大解釈

これは、英語やプログラミングスキルなどにおいておきがちなハロー効果です。

例えば「Aさんは英語が堪能」という情報を得たとき、そのAさんがグローバルで通用する力を有していると勝手に拡大解釈してしまうケースがあります。

英語能力だけではグローバルで戦うことはできないはずですが、アピールされた一つの目立つスキルを拡大解釈し、仕事全般において有能だと勝手に想像してしまうのです。

④目立ち度合いで評価

目立っている度合いによって仕事が有能さを判断してしまうというケースも少なくありません。

人には誰しも個性があり、目立ちにくい長所を持っている人や、欠点は隠して長所のみを強烈にアピールできる人もいるでしょう。そのような考慮をせずに目立ち度合いだけで判断してしまって、後々大きなデメリットが見つかったなどという体験談もありました。

●ハロー効果のデメリット

ここまでお読みになった方々の中には、「あれ? ハロー効果ってデメリットがあるな?」とお気づきの方もいらっしゃるでしょう。そう、ハロー効果は一長一短。

活用する前に、どのようなデメリットがあるのかを確認しておきましょう!!

・不当な評価の恐れ

まず、ハロー効果のデメリットの代表は「不当な評価」です。

ネガティブハロー効果の項目でもお話ししたように、見た目や話し方、経歴などに目立つマイナス点があった場合にその人全体の評価が下がってしまったり、実力を鑑みられなかったりします。

評価された側にとってマイナスになるのはもちろんですが、評価した側にもデメリットがあります。ネガティブハロー効果に引っかかったせいで優秀な人材を取りこぼしたり、反対にポジティブハロー効果に引っかかったせいでミスマッチな人材を選んでしまったりするからです。

このようなことが起きないような対策を、あとでご紹介します。

・効果があるのは最初だけ

ポジティブハロー効果にもデメリットがあります。即断即決のために起きたハロー効果は、あくまでも最初だけしか効果がありません。持続力がないのです。

わかりやすい例としては、「かっこいいから付き合ったけど、中身はうすっぺらかった……」「一流大学卒だからデキる男だと思ってたのに実務能力なさすぎ!!」などがあげられます。要するに、イメージと現実の落差が激しいのでガッカリしてしまうということです。

●対策

・先入観や思い込みを排除する

まずはこれが最も大切なことです。ハロー効果は、経験則や知識のよる思い込みが原因ですから、これに気を付けて自覚的になれば自然と防ぐことができます。

もちろん、完全に先入観を排除し第一印象を持たないというのはまず不可能です。ですが、「この第一印象はハロー効果が働いているんだな」と自覚しているだけで、ぐっと軌道修正をすることができますよ。

・評価基準を明確にする

これは、面接などのオフィシャルな場合に必要なことです。なぜなら、評価を評価者の好き嫌いや被評価者の目立ち度などによって行ってしまえば、もちろんハロー効果に陥ってしまうからです。

評価基準が明確になっているということは、評価は項目ごとになっています。複数の項目ごとに基準があれば、全体的なイメージだけで対象を比較することがなくなりますよね。するとハロー効果が起きにくいのです。

さらに評価基準が明確であれば、評価者が変わっても不公平が生じにくくなるというメリットもあります。

・長期的な観察から評価する

目立った一つの特徴だけではなく、相手のこれまでの考え方や行動をよく見てみましょう。口頭や短期間でのアピールが上手い人や、ルックスによるハロー効果を避けることができます。

恋愛や人事評価など、じっくり相手を知る機会があるならば、相手の普段の状態を評価するのが効果的です。

最近急増しているインターン採用などは、長期的に受験者の力を見るための手段として取り入れられています。

●有効活用:ビジネス編

いよいよ、ハロー効果を活かす段階に入ります。ポジティブハロー効果を活用できれば、初対面の相手に良い印象を与え、信頼を素早く得ることができますよね。

まずはビジネスにおける活用方法をご紹介します!!

・使えるハロー効果

①身だしなみを徹底する

これは要するに、与えたいイメージに沿った装いを意識するということです。

制服やユニフォームには、実用性の他もに印象操作の目的がありますよね。それと同じく、営業や商談を行うビジネスマンなら、体型にあったパリッとしたスーツや清潔感のある短髪などによってさわやかで誠実そうな印象を与えることができます。

自分や会社がどんな印象を持たれたいのかによって、服装を意識してみると効果的です。

②オフィスをきれいに保つ

ドラマのロケ地になりそうな開放感に溢れた明るいオフィスと、蛍光灯の下で段ボールやファイルが雑然としたオフィス、どちらが先進的でしょうか?

印象を作るのは、服装だけではありません。オフィスの印象は、その企業の印象に直結します。各々のデスクの上や会議室など、来客から見える範囲だけでもきれいに保つことで信頼性も高まります。

③受賞などを書く

これは広告や宣伝におけるハロー効果活用術です。

よく「〇〇賞受賞!!」などと書かれた商品が売っていますが、これは賞が後光となってポジティブハロー効果が生まれ購買意欲に直結するからです。

なにか受賞歴がある商品なら、ぜひそれを打ち出してみましょう。

④有名人を広告に起用する

これはCMの項目でもお話ししたとおりです。

好感度の高い有名人がお墨付きを出すことによって、消費者がその商品に対して好意を持つという典型的なハロー効果ですよね。

・注意点

これらの活用法を実行した際の注意点をお伝えします。

①不祥事の際のイメージダウンが強くなる

これらの活用法を使うと、企業のイメージはポジティブハロー効果によって好感度をかさましされている状態になります。万が一不祥事が発覚してしまうと、そのギャップが深くなってしまうのです。

②長期的なイメージの維持が難しい

前述のように、ハロー効果は一時的なもの。そのため、有能なイメージはその後の実際の働きによって崩れてしまうことがあります。

ポジティブハロー効果のみで同じ相手に長期的に得をすることは難しいと思ったほうがよいでしょう。

●有効活用:恋愛編

ハロー効果は恋愛にも有効です。合コンや友人の紹介などで活かしてみてくださいね。

・使えるハロー効果

①相手の好む服装をする

これはビジネス編と同じ、服装によって印象を作ってしまう作戦です。

例えば男性の場合、バチバチに個性的な恰好よりはジャケパンスタイルのようなシンプルな服装のほうが「信頼できる」「社会人らしい」という印象を与えられます。

もしマッチングアプリや友人の紹介で会う相手なら、あらかじめ相手の好みの服装をリサーチしていくことで距離感が縮まることもありますよ。

②自分の長所を目立たせる

「あばたもえくぼ」というように、惚れてしまえば短所も長所に見えてきます。同じく、長所が目立てばハロー効果で短所が目立たなくなります。

トーク力に自信のない人は無理に話そうとせず率先して聞き手に回ったり、映画好きならオススメの映画をさらっと貸してあげたり。苦手をごまかすよりも、得意を出すほうがこちらも楽ちんですよね。

ギャップ萎えを防ぎつつ、あくまでもさりげなく自分の良さをアピールしましょう。

・注意点

①裏表を作らない

ポジティブハロー効果を誘発するために長所をアピールしたり、服装を相手の好みに合わせるのと、裏表を作るのは違います。

無理にいい人を演じたり、自分の趣味嗜好とかけ離れた格好をしていては、自分がつらくなってしまいますし長続きはしませんよね。あくまでも今の自分にプラスアルファくらいの気持ちでハロー効果を活用することをオススメします。

②すでに良く知られた相手には効きにくい

何度もお伝えしているとおり、ハロー効果は短期間のもの。第一印象の心理効果と言っても過言ではありません。

つまり、すでにある程度お互いのことを知っている相手(友人など)には効果がないに等しいのです。なぜならハロー効果は少ない情報量から相手を判断するものだから。

アプリでの出会いや友達からの紹介などで初めて会う人からの印象を底上げして恋愛を成就させるために、これは使ってくださいね。

●まとめ

いかがでしたか? 「ハロー効果」という言葉は耳慣れなかったかもしれませんが、内容はあるあるとうなずけるものだったのでは?

ハロー効果の心理バイアスにひっかからずに多角的に相手を見定め、自身は適度にポジティブハロー効果を活用して印象を上げていきたいですね。

仕事での評価向上や、セルフプロデュースに活かしつつ、くれぐれも使いすぎにはご注意を……。

Photo:Getty Images
Text:K.S



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