豆腐にも色々ありますが……
夏は冷奴、冬は湯豆腐と食べて美味しいだけでなく、ことわざ「豆腐にかすがい」や「豆腐の角に頭ぶつけて死んじまえ!!」など、日本人にはなじみ深い食べ物「豆腐」。
最近じわじわと市民権を得つつある言葉「豆腐メンタル」も、なんとなくイメージができてしまうのではないでしょうか。
今回はそんな「豆腐メンタル」を徹底解説!! さらに似たような「〇〇メンタル」もご紹介します。
目次
●豆腐メンタルとは
・意味
・由来
●特徴
①心が折れやすい
②空気を読みすぎてしまう
③マイナス思考
④新たなチャレンジが苦手
⑤期待されるのが怖い
●原因
①完璧主義
②厳しい家庭で育った
●克服方法
①冷静さを身につける
②完璧を目指さない
③意識して自分を肯定する
④ちいさな目標を設ける
●類語「〇〇メンタル」
・蒟蒻メンタル
・鋼メンタル
・菩薩メンタル
●まとめ
●豆腐メンタルとは
・意味
豆腐メンタルとは、読んで字のごとく、豆腐のようにやわらかく崩れやすい、脆く弱い精神や心を指します。そしてそこから派生して、周りの人が驚くようなちょっとしたことでダメージを受けたり、精神面が非常に弱いことを指すようになりました。

・由来
某大人気カードゲームアニメにおいて、とあるキャラクターのメンタルがとても脆く崩壊していったように見えたことからインターネット掲示板で生まれた言葉です。
日本人にとって「豆腐=脆い」というイメージが共有しやすいためか、インターネット上でじわじわと普及していきました。たしかに、初めて聞いてもわりかし意味が推察できますよね。
●特徴
では、豆腐メンタルな人の特徴にはどんなものがあるのでしょうか?? もしやと思っている方は、ここでいくつあてはまるかチェックしてみましょう。
①心が折れやすい
とにかくすぐ挫折してしまう。これが豆腐メンタル最大の特徴です。なにか苦しいことや困難に直面したとき、乗り越えられず意欲が失せてしまう……。

仕事や恋愛など、人間は誰でも心が折れる経験があるものです。しかし、そんなときしっかり問題に向き合って乗り越えられるかどうかで精神的にも経験値的にも成長率が変わってきます。
現代は「無理をしない」ことが大切だとされますが、ちょっと上司に怒られたからといって会社を休んでしまう、少し人間関係がぎくしゃくするとすぐ関係を絶ってしまうというようでは、心が弱いと言わざるをえませんよね。
②空気を読みすぎてしまう
豆腐メンタルに人はえてして「傷つきたくない」という思いを人一倍抱えているもの。そのため、必要以上に空気を読んでしまいがちです。

例えば、気が置けないはずの友人の顔色すらうかがってしまったり、自分の思いを押し殺してまで周囲にあわせてしまったり……。するとかえってストレスが溜まり、精神状態が追いつめられる悪循環に陥ってしまいます。
また、必要以上に相手におどおどされるとえてして人は気分がよくないものです。空気や顔色を読みすぎるあなたに疲れ、相手も離れていってしまうことがあります。相手に気を使った結果相手が不快に思ってしまっては、元も子もないですよね。
③マイナス思考
常にマイナス思考であるというのも大きなポイントです。前提として「自分が褒められるはずがない」という思いや「他人は信用できない」などと考えてしまっているため、周囲の人が励ましや何の気なしに発した言葉を、自分への批判や皮肉だと捉えてしまうのです。
その結果、被害妄想的な形でメンタルが崩壊してしまいます。

④新たなチャレンジが苦手
豆腐メンタルの人はマイナス思考なので、物事を始める前から失敗をイメージしてしまいがちです。しかもそのイメージを確定事項として恐れてしまうため、新たな事柄に挑戦することを避けてしまいます。そういう点では非常に保守的だともいえますね。
「自分にはできない……」「私じゃ力不足だ……」とたたらを踏んでいるうちにライバルたちに抜かされ、更に自己嫌悪に陥るというケースも。
⑤期待されるのが怖い

自己肯定感が低い人は、期待されることを恐れます。なぜなら、期待に応えられるイメージが持ちづらいからです。上記のマイナス思考がその最たる原因ですが、他にも期待を裏切ってしまったというトラウマが根底にある場合もあります。
そのトラウマの代表例は保護者です。親が常に高みを要求するタイプだった場合、期待に応えられずがっかりさせてしまったという経験が子どもにしっかりと植え付けられてしまうのです。
このような経験から、期待を怖がる人が豆腐メンタルには多いのです。
●原因
①完璧主義
完璧主義の人は、物事を0か100かで考えてしまう傾向にあります。そのため何か想定外のミスやアクシデントが起きた場合に、それだけですべてがおじゃんになってしまったように思い込んでしまいがちです。
すると自己嫌悪に陥ったり、必要以上にネガティブになってしまうためメンタルが弱ってしまいます。このような点から、完璧主義は豆腐メンタルの一因だと考えられています。

②厳しい家庭で育った
常に完璧を求められてきた子どもは、将来豆腐メンタルになりやすいそうです。なぜなら、自己肯定感が育ちにくいから。
例えば80点を取っても100点でなければ叱られるといった環境だと、100点以外の点数だったときに自己嫌悪に陥ったり、絶望してしまいます。
成功体験の少ない人はチャレンジ精神も育ちにくく、トライ&エラーできるメンタルの強さが生まれないのです。
●克服方法
脆弱な豆腐メンタルを克服したい!! という方も少なくはないでしょう。ここではそんな豆腐メンタルの克服方法をご紹介します。
①冷静さを身につける
豆腐メンタルの人は、必要以上に自己嫌悪に陥ったり、軽度のミスを重視してしまいがちです。ですがアナタにとって重篤な失敗でも、客観的に見ればいくらでもリカバリー可能な状況であったりします。

落ち込みそうになったら一度冷静に状況を分析してみるくせをつけると、自己嫌悪を回避できるかもしれません。
②完璧を目指さない
上記のように、豆腐メンタルの人は完璧主義者が多いです。高みを目指す姿勢は素晴らしいですが、それが自身の首を絞めているのであれば少し緩めてあげてもよいのではないでしょうか?
完璧な人間はこの世に存在しませんし、失敗の大半は後でリカバリーがききます。最初から100%を目指すのをやめてみませんか?
③意識して自分を肯定する
自己嫌悪に陥ってしまいがちな豆腐メンタルさんは、あえて意識して自分を認めてあげましょう。

何かが出来たとき、少しでも以前より良くなったときは「たいしたことじゃない」「まだまだだ」と思っても、「頑張った!」「成長した」と口に出して自分を褒めましょう。すると少しずつでも自信がつくはずです。
また、自分ばかりが精神的に脆く周囲に迷惑をかけていると思わずに、弱い部分を認めることも大切です。自己嫌悪に陥ってしまった己を責める負のスパイラルを脱出するためにも、落ち込んだときは「こんなときもある」と割り切ることで気持ちを軽くしましょう。
④ちいさな目標を設ける
初めから大きな目標を目指してしまうと、うまくこなせなかったり難航したときに自らを責めてしまいます。

なので、極端な話ですが「朝ご飯を食べる」「この書類を終わらせる」などの簡単な目標を少しずつ積み重ね、達成しやすくしてみましょう。毎日が少しハッピーに変わるはずです。
●類語「〇〇メンタル」
豆腐メンタルの他にも、〇〇メンタルは意外とたくさん生まれています。その中からほんの少しですが、お教えします!!
・蒟蒻メンタル
豆腐メンタルの対義語。パッと見は豆腐のようにやわらかそうでも、実は蒟蒻のように崩れにくく跳ね返るような精神のことをさします。
この言葉もネット掲示板生まれで、バイトを2年間で30件以上ドタキャンした上、後から給料はしっかり受け取りに行ったという人物が由来となっています。

由来は褒められたものではありませんが、レジリエンス力があるということでしょうか……。
・鋼メンタル
これも豆腐メンタルの対義語ですが、蒟蒻メンタルとは少しニュアンスが異なります。
鋼メンタルとは、まさに鉄鋼。普通の人間であれば心が折れるほどのダメージを受けても、びくともしないような強靭な精神力のことを言います。こんな人そうそう現実世界にはいない気がしますが……。
・菩薩メンタル
これは今までの〇〇メンタルシリーズとは少し毛色の違うものです。なぜならいままでの〇〇メンタルが心の強度問題だったのに対し、菩薩メンタルは態度を表す言葉だから。

菩薩メンタルとは、どんなに裏切られようとも酷い目に遭おうとも、人間離れした慈悲深い心で相手を許す心の持ち主を言います。
また、鋼メンタルが「相手からのダメージを受けない」という強さなのに対して、菩薩メンタルは何があっても相手のことを信じぬくという強さを持っています。
●まとめ
いかがでしたか?? 脆く崩れやすい精神状態を豆腐に形容するのは、言い得て妙ですよね。

みなさんのメンタルは豆腐でしょうか、蒟蒻でしょうか(まさか鋼!?)。豆腐は豆腐でも、高野豆腐を目指していきたいですね。
といっても、精神を一朝一夕で鍛えるのは無理があります。それこそ崩れてしまう危険性も……。ほどほどに頑張りましょう!!
Photo:Getty Images
Text:K.S