キャンバスもレザーもどっちも欲しい
第134回目は、スプリングコートのG2クラシックです。
キャンバスシューズの決定版といえば、アメリカのコンバース、イタリアのスペルガ、そしてフランスのスプリングコートでしょう。定番のG2クラシックはセレブの愛用者も多く、なかでもジョン・レノンが愛用していたのは有名な話。
スプリングコートは1936年にフランスで誕生。手がけたのはテニス好きのジョルジュ・グリムメイセンです。樽工場を営む彼の家では、樽の防水にラバーを用いたそう。そのため彼もラバーの知識があり、1930年には完全防水のラバーブーツを発明しています。そして彼が次に目を向けたのがテニスシューズ。当時のテニスシューズといえば、靴底にジュートを使ったエスパドリーユが主流。そこで彼は、丈夫で動きやすいラバーソールのテニスシューズ、スプリングコートを開発。このシューズ名がそのままブランド名となっています。
スプリングコートの最大の特徴は、ソール側面にある4個の通気孔。この孔から熱が排出されることで、長時間履いても蒸れにくく快適さを担保。また、インソールには高いクッション性を備え、側面と裏側に施された溝が空気の循環を促しています。さらにミントの香りがつけられているので、消臭効果も期待できるんです。
そんなスプリングコートの定番といえばキャンバス素材のG2クラシックですが、今回紹介するのは幅広いシーンで活躍できるレザーバージョン。シンプルなデザインと機能はそのままに、アッパーにはピッグスキンを採用。そしてシュータンのブランドロゴをエンボスにすることで、よりミニマルなデザインに仕上がっています。
ちなみにブランド名のスプリングは“春”が由来ではありません。その軽快な履き心地から「バネ(スプリング)のようにピョンピョンとコートを跳ねるよう」と称賛されたことから命名されたんだとか。でも春になるとシンプルで軽快なスプリングコートを履きたくなりますよね。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Tomomi Nishihara
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スプリングコート
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