CAR ― Dr.ノリシゲの妄想ドライブ

妄想は続くよ、どこまでも!

お値段なんと14億円! 漆黒のブガッティに大気絶

2019.3.10 2019.3.10
2019.3.10
説明しよう!妄想ドライブとはヴェテラン モータージャーナリスト・ノリシゲセイイチが「このクルマにのったら、こんなことをしたい。こんなところに行きたい。この街道でぶっ飛ばしてチャンネーとこんなことがしたい!」と妄想の世界に遊ぶ気絶コラムである!

超絶気絶級14億円オーバーのブガッティはお買い得ですよね~?

事前情報はチョロチョロと伝えられていたものの、ベールを脱げばまさにサプライズ。今年のジュネーブモーターショーでとんでもないモデルが登場しました。その名は「ブガッティ ラ・ヴォアチュール・ノアール」。なんだか舌を噛みそうな車名です。

小市民なワタシはつい値段を気にしてしまいますが、年末ジャンボが当選しても買えない円換算で約14億円という気絶級。14億超といえば2017年に顧客リクエストで制作された「ロールス・ロイス スウェイプテイル」以来でしょうか。

ガルフストリームやスーパーヨットに比べればお安いものですが、世の中にはこんな価格でもシレッと買っちゃう方がいらっしゃいます。ブガッティによれば1台限りのワンオフカーで既に売約済み。後世に残る名車と考えれば、そのファーストオーナーになれるのですから名誉この上なし。14億円もデポジットと思えばバリューなお買い物です。

いい機会なのでココで少々ブランド解説を。ブガッティの創業は1909年。父方も母方も芸術家一族という血統のエットーレ・ブガッティ(出身はイタリア)という人物が起業した自動車会社です。場所はフランスのアルザス地方モルスハイム。設立時はドイツ領でしたが、ブガッティはフランスのラグジュアリーブランドという解釈でよろしいかと思います。

ブガッティの名声を高めたのはレースでの活躍です。特に第一次世界大戦以降、T35シリーズが大活躍。皆さんご存知のモナコGPでは1929年の第1回大会から3連覇を成し遂げ、また、タルガ・フローリオも制しています。ブガッティは大小様々なレースで1000勝以上をマークしているのですからハンパないブランドです。

また、社交家でもあったエットーレがある日パーティで御婦人に「レースではご活躍ですが、一般的なクルマとしてロールス・ロイスに劣るのでは?」といわれたそうです。その声を聞くや否や、ちょっと失礼とばかりに踵を返し、自室にこもり「モデル41」の図面を書き上げたとか。後にこのモデル、アルフォンソ13世(スペイン王)が興味を示したことから「ロワイヤル」と呼ばれることになります。

ジャン・ブガッティとタイプ41ロワイヤル
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希代のエンジニアとして名を馳せたエットーレですが、レースカーのみならず、バランスよく市販車も開発していたのが功を奏し1947年の没後以降も会社は存続しました。しかし、優秀な開発ドライバー兼エンジニアだった長男のジャン・ブガッティを、ル・マン24時間を制覇した1939年にテスト中の事故で亡くしています。

ジャンはエットーレの片腕として「モデル41」を、1934年には同社の最高傑作といわれる「タイプ57」をデザインしました。エンジンやシャシーは父エットーレ、エクステリアデザインと走行テストを長男ジャンが担当。ブガッティはまさに親子鷹が生んだ名車なのです。

ジュネーブショー2019で披露された「ブガッティ ラ・ヴォアチュール・ノアール」は、先の「タイプ57」のなかでも、特別な2ドアクーペのボディにスーパーチャージャーエンジンを搭載した生産台数わずか4台という「タイプ57アトランティック」へのオマージュとして誕生しました。

タイプ57アトランティック
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❝Nothing is too beautiful, nothing is too expensive. ❞

ナッシングから始まる英文例は学校ではほぼ習わないでしょうが、エットーレが残したこの言葉をどう解釈すればいいのでしょうか。

故人になりますが、この時代のブガッティを専門に整備してきたある達人は、ブガッティは何者にも似ず、また独特のディテールをもっているとよく語っていたそうです。どうやらブガッティには、エンジニアの魂と芸術家のDNAが宿っているようです。

ワタシが20代の頃、すし屋のカウンターで美味そうなミル貝を眺めていると大将が「金で買えるなら安いもんだよ」とニヤリひとこと。その言葉の奥深さが今なおココロに染み入ります。

Text:Seiichi Norishige

ブガッティ

■BUGATTI’s latest Masterpiece: "La Voiture Noire"

 

Author profile

教重 誠一
教重 誠一
Seiichi Norishige

自動車雑誌の編集者を経てモータージャーナリストへ。駆け出しの頃からサラリーマンの限界に挑戦し数々の輸入車を乗りまわす。印象深かった愛車はポルシェ911(930)、Ruf CRo
コンバージョン(964)、メルセデス・ベンツ500E、フェラーリ412、BMW6シリーズ、RG500Γ(バイク)。趣味はシガーとパイプとすし屋巡り。ジャンルを問わず酒好きだが、一定以上飲むと睡魔が襲い銘柄を失念する。1964年、北海道生まれ。

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