LIFESTYLE ― 妻のトリセツ

逆気絶しないための|妻のトリセツ

§6.「事実」を書くだけで妻の機嫌がよくなる。必殺“小田原通過メール”とは

2019.3.5 2019.3.5
2019.3.5
感謝するより、わかっていると伝えよう

「どうせ私のことなんて……」と、ある日妻がつぶやいたら、それは「私はあなたに大切にされていない」という意味である。「私のやっていることに関心もないし、感謝の気持ちもないよね」という意味でもある。
 よくよく聞いてみると、昨晩、急に飲み会になったにもかかわらず「夕飯いらないコール」を忘れたことを言い出した。妻は残業して疲れて帰って、着替えもそこそこに支度をしたのに、と。
 ここで、夫は思いやり半分、面倒くささ半分で「疲れてるときは、作らなくていいよ。夕飯なんてコンビニでも買えるんだし」などと言って、より深く妻を傷つける。妻の作る夕飯をコンビニフーズで代替えできると言ってしまったのである。慌てて「もちろんいつも感謝してるよ」と言い直したところで、「感謝って何に?」と、絡まれてしまい、どう答えてよいのか当惑する。夫が妻に感謝の気持ちを伝えるというのは、簡単そうで、意外にハードルが高いものなのだ。「どうせ私なんて……」と言われたら、「そんなこと思ったことないよ。何より君が大事だよ」とすぐに言おう。照れる暇なんてない

 結果よりも、プロセスを重視する女性脳は、夫や家族のために、毎日繰り返し行う家事を大切にしている。「ありがとう」と言うのが難しい夫は、妻が継続してやってくれていることに対して「君がずっとしてきてくれたことをちゃんとわかっている」と伝えよう。
 伝えるタイミングとして、一番言いやすいのは、やはり結婚記念日。わざとらしくなく、10年なら10年分の、20年なら20年分の来し方を振り返ることができるからだ。

 記念日の朝、「君の味噌汁を飲むのも、もう20年になるんだね」としみじみ言ってみてほしい。妻の脳裏には、これまで何千回と繰り返してきた、味噌汁を作るシーンが思い浮かぶ。「君が僕のためにずっとずっとやってきてくれたことを、僕はちゃんとわかっている」というメッセージは、どんな愛の言葉より、妻の心に響く。

 ふだんの、何もない日に伝えるなら、その「いつものこと」が、たまたまなかった日がいい。
 たとえば、いつもの妻のぬか漬けが、昨晩漬け損ねたのか、今朝は出ていない。そんな日に「あれ? 今日ぬか漬けないんだ。君のぬか漬けを食べないと、朝が来た気がしないな」と言う。
 いつも弁当を作ってくれる妻が、忙しくて作れなかった日に、帰宅してから「君の弁当を楽しみに会社に行ってたことに気づいたよ」と言う。
 いつもコーヒーを淹れてくれる妻の代わりに自分でコーヒーを淹れて飲みながら「やっぱり君が淹れてくれるコーヒーのほうが美味いんだよね。なんでだろ」と言う。
 ポイントは、「君がいつもやってくれている、それ」がなくなったら、僕は途方に暮れてしまうとアピールすることだ。

携帯電話を効果的に活用する

 面と向かって妻に感謝の言葉を口にするなんてとても無理! というタイプの男性もいるだろう。特に最近妻とあまり話していない、そもそも何を話していいかわからない、共通の話題もない、という状態なら、コミュニケーションの手段として、携帯電話のメッセージやメール機能を使ってのコミュニケーションがおすすめだ。

 とはいえ、ふだんから妻へのメールは「帰りに牛乳買ってきて」→「了解」といった業務連絡の返信のみという夫の場合は、一体どんなメールを送ればいいのかわからないというのが本音だろう。
 ここは、妻からちょいちょい来る(であろう)メールを参考にしよう。

 たとえば「今日のお昼は今年初の冷やし中華!」なんていうメールである。これを読んだ夫の気持ちは「で?」だ。自分が食べるわけでもない冷やし中華にどう返信していいのかさっぱりわからない。
 これも妻は「心の通信線」を使っているので、「事実の通信線」しか使わない夫にわからないのも当然だ。翻訳すると「今日は暑いね。ちゃんとお昼食べたかな? 私は今この瞬間もあなたのことを思っているよ」である。伝えてきたのは、「私は、いつもあなたのことを思っているよ」だ。夫はこれに「自分の事実」を伝えるだけでいい。「こっちは汗だくでカツカレー!」とか。

ビジネスの出張は一大チャンスととらえよう

 この“なんでもないメール”、夫からも出してみよう。たとえば、出張帰りの新幹線から「今、小田原通過。満席」で十分。男性脳の得意な「事実」だけ。それを、女性脳は勝手に「小田原を過ぎたから、もうすぐ家に帰れるよ。もう今日はクタクタだよ。君の顔が早く見たいな」と翻訳してくれる。
 車窓から撮影した面白い雲の写真1枚でもOK。受け取った妻は自分も空を見上げながら、「今この瞬間も君のことを考えていたよ」と翻訳する。
「久々に君のカレーが食べたいな。あのひき肉と豆が入ったやつ」なんて、しばらく食卓に上っていない妻の得意料理をリクエストするのもいい。こんなメッセージが来たら、女性脳は嬉しくなる。
「キーマカレーか。じゃあ、ひよこ豆買って帰らなきゃ」と、今晩カレーを囲む家族の姿を思い浮かべて、その段取りを楽しむことができるからだささらに、自分が料理に心を込めていることをちゃんとわかっていて、リスペクトしてくれるのだから、好感度はぐっと上がる。
 いずれにせよ、「どこにいても、君のことを思っているよ」という気持ちを伝えられれば成功だ。
 もちろんこれは戦略の一つなので、仕事をしている日中に妻のことを思い出す必要はない。移動中、昼どき、打ち合わせの帰り道など、ちょっと時間が空いたときに、“意識して”送ってみよう。

 しかし、今までなんにもしてこなかった夫が、急にこんなことを始めたら、妻は不審に思うはず。「どうしたの?」と聞かれたらチャンス。「最近、君とあまり話せてないなと思って」と答えよう。これも単に事実を伝えただけだが、「そうか、私と話したいと思っているのね。かわいいとこあるじゃない」と変換してくれる。

返信に困ったら、とりあえずおうむ返しで乗り切る

 ちなみに、妻からの「返信に困る、実況中継のようなメール」は、妻が夫と心の通信線を繫ごうとしているのだと心得よう。だから返信は必須。しかし難しく考える必要はなし。
「バスがなかなか来ない」なら「○○行きのバスはよく遅れるよね。お疲れさま」。「雨降ってきた。嫌だな」なら「雨だね! 気をつけて帰って」」と、妻の言葉をおうむ返しにすればいいだけだ。これは共感を何よりも大切にする女性脳が日常的に使っているメソッド。
「バスが来ない」というメールに「朝は道が混んでるからね。明日はもっと早く家を出ればいいんじゃない」なんてアドバイスを返すより、情報量はゼロでも心の通信線は繫がる(はずだ)。

お土産を買って、家に帰ろう

 妻を思わずにっこりさせてしまう方法はほかにもある。その一つが、お土産作戦。言葉にするのも、メールやメッセージも苦手、というシャイな男性でも、これなら実行可能では。
 お土産といっても、高価なものである必要は全然ない。ちょっと美味しいもので、普通のなんでもない日に渡すというのが、ポイント。妻にとって結婚記念日や誕生日のプレゼントは半ば決まりごと。だから、「記念日でもないのに、私のことを気にかけてくれた」ことが胸を打つのだ。

 お土産は、会社帰りにデパ地下で購入したお饅頭でもいい。しかし、プロセス指向の女性脳は、「相手を思う時間」を感じたいので、「わざわざ足をのばして、あの人気商品を並んで買った」とか「限定商品を予約して買った」とか、時間と手間と心をかけて入手してくれたお土産を持って帰ってきたら、かなりぐっとくる。あるいは、「○○屋の餡パンが好きって言ってたよね? 今日近くを通ったからさ」なんて、過去の何気ない会話で好きだと言ったものを覚えていたと知れば、美味しさも倍増だ。
 プレゼントに「ものがたり」を欲しがるのが女性脳。手のひらサイズの餡パン1個で、かなり大きな愛を感じてくれる。このお土産作戦、月に1〜2回できればかなりの好感度アップが期待できる。

 photos:gettyimages

20万部突破!妻のトリセツ』著・編:黒川伊保子 定価:本体800円(税別)/講談社+α新書

Author profile

黒川 伊保子
黒川 伊保子
Ihoko Kurokawa

株式会社 感性リサーチ 代表取締役
人工知能研究者、脳科学コメンテイター
感性アナリスト、随筆家

1959年、長野県生まれ、栃木県育ち。奈良女子大学理学部物理学科卒業。コンピュータメーカーでAI (人工知能)開発に携わり、脳とことばの研究を始める。1991年に全国の原子力発電所で稼働した“世界初”の日本語対話型コンピュータを開発。また、AI分析の手法を用いて、世界初の語感分析法である「サブリミナル・インプレッション導出法」を開発し、マーケティングの世界に新境地を開拓した感性分析の第一人者。近著に『前向きに生きるなんてばかばかしい 脳科学で心のコリをほぐす本』(マガジンハウス)、『女の機嫌の直し方』(集英社インターナショナル)など多数。

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