BEAUTY ― 巷で大ヒットしている製品。その開発秘話を探る!

“少しずつ染まる”白髪染めの大ヒット。
開発のきっかけは「酒造り」だった

2019.3.6 2019.3.6
2019.3.6

発売から1年で計画比1.5倍! いま売れに売れている大ヒット商品をご存じだろうか? 全く新しいアプローチで白髪染めの市場を一気に拡大させた、花王の「Rerise(リライズ)」だ。なぜこのアイテムが生まれたのか? 開発の裏側から探ってみたい。

開発のヒントは “酒造り”!

現在、右肩上がりという白髪染め市場。その起爆剤となったのが花王の「リライズ」である。なぜそんなにも売れているのか?

「当時の研究担当者が学会に出席し、とある酒造メーカーの研究発表を聞いてピンときたそうです」と話すのは、花王 ヘアケア事業部 商品開発 開発マネジャーの古賀浩幸さん。その酒造メーカーとは「月桂冠」のものだったというから驚きだ。酒造メーカーと化粧品会社の接点がどこに?

花王 ヘアケア事業部 商品開発 開発マネジャー 古賀浩幸さん

酒造りの工程には、米・麹を“発酵”させて酒粕を作る作業がある。しかしこの時に、酒粕に黒い斑点が生じる「黒粕(くろかす)」という現象が起こり、それが酒粕の品質に影響を及ぼすのだという。月桂冠は酒造りの“厄介モノ”である黒粕をいかに無くしていくかという研究を発表していた。

花王の研究員はこの黒粕に注目。「黒粕の原因である酒粕中のアミノ酸が酸化されてメラニンが生成するという自然現象を、白髪を染める技術に応用することはできないか?」と考えたのだそう。「酒造会社の“厄介モノ”は、花王では宝物になる」とアプローチし、2001年に月桂冠との共同研究がスタートした。

意外と知らない、「なぜ、白髪」になるのか?

そもそもの話になるのだが、年齢を重ねるとなぜ白髪になるのだろうか?

「肌や髪などの色は、“メラニン”という色素で決まるんです。メラニンの種類は2種類あるのですが、一般的にメラニン量が多いと黒髪に、少なければ白髪になります。実際、白髪を顕微鏡で見てみると、メラニンが無いんですよね。このメラニン、加齢に伴い数が減少する傾向があるため、年齢を重ねると白髪の量が増えるのです」と古賀さん。

では、白髪を黒髪に戻すことはできるのか?

「白髪に悩む人から“白い髪を黒色に戻すことはできる?”という質問をよく受けるのですが、“元に戻す”という点では、現時点では『NO』。減ってしまったメラニンを増やしたり、元に戻したりすることは今の研究技術でも正直、難しいですね」(古賀さん)。

戻すことができないのなら、せめて白髪の悪目立ちを何とかしたい。そんな声に手っ取り早く応えるのが白髪染めだ。

「近年の研究技術の進化に伴い、ここ10年ほどで白髪染めの選択肢が増えました。ヘアカラー、ヘアマニキュア、カラートリートメント、ヘアマスカラなどいろいろな手段があり、それぞれに使用する剤も異なります。たとえば、ヘアカラーなどは髪の内部に酸化染料を浸透させて酸化重合させるため、発色は良いけれどそのときの酸化剤やアルカリのせいで頭皮や髪のダメージもつきまとうわけで……。一長一短なんです」(古賀さん)

見た目と髪のダメージ以外にも、一度染め始めたら止められないという面倒もある。そんな状況下において、“メラニンが減ると白髪になる”というメカニズムを逆手に取り、“黒髪メラニンのもと”を髪に定着させるという発想を思いつき、研究スタート。そうして開発されたのが「リライズ」だ。

「リライズの白髪染めは、麹の発酵技術を応用した製法で作り出した“黒髪メラニンのもと”を髪の表面に定着させ、黒髪色を取り戻すという仕組みです。しかも、繰り返し使うことで髪色が徐々に黒くなり、自然に染まるというのがミソ。今までにない方法で自然な黒髪色を取り戻せるんです」

「オトコの白髪は悪くない」果たして本当に?

ここでちょっと視点を変えてみよう。「男の白髪、そんなに悪くないはず」「ドラッグストアに並ぶ白髪染め商品、使うのは女性が多いのでは?」とお思いの方も多いだろう。だが古賀さんは「男性ニーズも高いはず」と言う。「確かに購入されるのはほとんどが女性です。ですが、その先にいる家族やパートーナーである男性も使っていて、その需要は私たちが思っている以上に高い、と考えています」

「例えば、散髪したらいつも以上に白髪が目立ち、自分の姿にがっかりしたなんてことはありませんか?」(古賀さん)白髪染めをしている人の場合、髪が伸びているときは、染めている毛先の黒い部分に根元は隠れている。ところが、髪を切って根元が見えるようになると、とたんに生え際の白がやたらと目立つようになる……。FORZA世代ならきっと思い当たることだろう。そして、この見た目印象は周囲に伝播するのが世の常。家族や会社の同僚・部下からも気遣われ、あっという間に“おじ(い)さん”扱いされかねないのだ。

また、男性の白髪については、ポジティブに考える人と、そうでない人と真っ二つに分かれる。少し前までは、白髪が目立ってきてもそのままにしている人が多いと言われていたが、最近はちょっと変わってきているようだ。「家族やパートナーに“老けてみえる”と言われ、白髪染めを使い始めた人も少なくないんです」(古賀さん)

実際に、ただ放置しているだけでは、なかなか “ハイセンスな白髪” とはならない。まだらに生えたり、悪目立ちしたり。そして、清潔感のない白髪は、圧倒的な“老け印象”につながってしまう。自分が理想とするロマンスグレーの紳士とは何だかちょっと違う……。そう、白髪問題は結構難しい。

リライズの白髪染めのカギ 「黒髪メラニンのもと」とは? 

酒造メーカー・月桂冠の酒造りの工程で出る「黒粕」に着目し、この仕組みを、白髪染めに応用させることに成功した花王。“白髪”を“黒髪色にする” という発想を形にしたのだ。

「植物から抽出した成分を、麹の発酵技術を応用した製法で完成させたのが、“黒髪メラニンのもと(ジヒドロキシインドール)”という100%天然由来の着色成分。リライズはこの着色料のみで黒色に染めているんです。しかも、一気に染め上げるのではなく徐々に馴染ませ、白髪を目立たなくさせるというのがポイントです」と古賀さん。

色は黒(リ・ブラック)とグレー(グレー・アレンジ)の2色。それぞれ「まとまり仕上げ」と「ふんわり仕上げ」の2タイプがある。最初のみ専用サーバー付きを購入すれば、2回目以降は1.2倍増量のリフィルのみ購入すればOK。

確かに、リライズの愛用者からは「白髪が自然に染まる」という声を多く聞く。この“自然に”というのがミソ。実は、既存の白髪染めを使っている男性ユーザーからは、“白髪を染めていることを、他人に知られたくない”という本音があった。「従来の白髪染めにありがちな、“一気に染めました感”を無くし、徐々に髪色が変わるような白髪染めを作りたかったんです」(古賀さん)

リライズは1回使っただけではあまり効果を感じにくい。でも、2回めくらいに「あれ?」っと思い、3回目には「黒くなってる!」とほとんどの人が感じることだろう。

「しかも、いつもの生活に無理なく取り入れつつ、白髪染めができることにも重きをおきました」古賀さんは続ける。「まず、通常の白髪染めは、染めてから10分〜15分程度置かなければなりませんが、リライズはわずか5分で完了。欲を言えば5分以下で染めたかったんですけどね(笑)。短ければ短いほど嬉しいし、楽でしょうから。それからお風呂で使用できるという点にもこだわりました。一般的な白髪染めはお風呂の外で、乾いた髪につけてから時間を置いた後にお風呂で洗い流しますが、リライズはシャンプー後トリートメントがわりにも使える。つまりお風呂の中で全て済ませてしまえるんです。時短発想ですね」

放置時間が短く、お風呂の中だけでケアが完了。これだけでも十分ありがたいのだが、花王の製品開発は徹底的に消費者目線。さらに細やかな配慮もなされている。

「いわゆるヘアカラーは刺激が強く、髪にも負担をかけがち。そんな概念を覆すモノにしたかったんです。だから髪への優しさにこだわり、40代以降に多いハリ・コシの髪悩みにアプローチするためトリートメント機能を付与しました。また、容器はお風呂場ですべって落とさないよう、手に簡単にひっかかるような持ち手をつけています。また、簡単に押し出されるようなワンプッシュ式のサーバーを開発。指の力が弱くても、上部のハンドルを押すだけでスムーズにクリームが出るように工夫しています」

リライズのために開発されたサーバー。

確かに髪のきしみも少なく、ふんわりと仕上がる。サーバーヘッドは付け替えも簡単で、容器とサーバーとの間にたまった水が自然に排出されるように、小さな穴も開いている。

「リライズ」が牽引する白髪染め市場。業界の新たなる進化に期待!

発売から約1年。「いくら、という細かな数字は公表できないのですが、売れ行きは計画比150%。デビュー当時は楽天やAmazon、ロハコなどのECサイトで先行発売をし、認知を拡大。白髪染めカテゴリーの週間売り上げ№1を記録したと聞いています。ECサイトでは、計画比の300〜400%超え(2018年12月現在)と良いスタートをきっています」と話すのは、花王 商品PR企画部 川上直美さん。その躍進劇はとどまる気配がない。
 
白髪染め商品は数多くあるが、「リライズ」の誕生でその市場は一気に拡大した。花王の独自調査によると、リライズを購入した35%のお客様が「初めて白髪染めの商品を使った」という。発売から1年足らず、しかも大規模な宣伝活動を行っていないにもかかわらず、ここまでの偉業を成し得たというのは異例中の異例と言っても過言でないだろう。

これに続き、他メーカーもより良い商品を作ってくるだろう。ミドル世代を唸らせるさらなる市場の活性は、花王の次の一手にもかかっている。今後の展開が楽しみだ。

リライズ 白髪用髪色サーバー 155g 全4種 ¥2700(編集部調べ)/花王


【お話を伺った方々】


花王 ヘアケア事業部 商品開発 開発マネジャー 古賀浩幸さん「私自身は、あまり白髪がないんですよ」毛量、色ともにうらやましい限りの髪の持ち主。

花王 商品PR企画部 川上直美さん「私は実はグレーアレンジを使っています」という川上さん。やや明るめにカラーリングした髪の根元に生えてきた白髪には、グレーアレンジを使うと自然になじむとのこと。さすがのテクニック、ぜひ参考にしたい。

 

【編集担当・立原の裏話】
何をかくそう、私自身がリライズの愛用者。使い勝手がよく、自然に染まるという以外に、①素手で使っても手に色がつかない ②お風呂場が汚れない というのも大きなポイント。リライズにはビニル手袋が付属しており、花王としては手袋をつけて使うことを奨励しています。とくにネイルをしている方などはその部分が染まりやすいようですので、あくまで自己責任になりますが……。お風呂の壁や床にクリームがついちゃった場合も、すぐにさっと洗い流したり軽くこすればきれいに落とせます。(長時間そのまま放置、はさすがに染まりそうですので、お気をつけて!)

 

FORZA STYLE読者5名様へ
「リライズ」スペシャルプレゼント

今回ご紹介したリライズの「リ・ブラック ふんわり仕上げ」を、サーバーヘッド付きの本体1本+つけかえ用1本をセットにして5名様にプレゼントいたします。男性はもちろん女性のご応募も大歓迎。お申し込みはこちらから。応募締め切りは2019年4月5日。なお、当選者の発表は、商品の発送をもってかえさせていただきます。

【問い合わせ】
花王 0120-165-692
https://www.kao.co.jp/rerise/

Text : Mayumi Hasegawa
Edit : Yukari Tachihara

WHAT's NEW

SPECIAL

view all
  • 信頼を得られる、新しいスーツ #挑戦者のスーツ INDEX 2018.10.9 update
  • 日本のビジネスマンを格好良くする50の方法 2019.2.20 update
  • 49000円から干場義雅編集長のオーダースーツが作れる!タカシマヤ「スタイル オーダーサロン」とは?【PR】 2018.2.28 update
  • Message from FORZA STYLE 2018.3.15 update

SELECT 10

CELEB

SNAP

FORZA FAMILYの連載コラムをいますぐチェック!

ランキング

HOT TOPICS

VIDEO

VIDEO