FASHION ― 赤峰塾!間違いだらけの洋服選び

スーツの極意は「引きで見たときに絵になる」ことと見つけたり

2019.2.25 2019.2.25
2019.2.25
ジェントルマン道を極めるドクトル赤峰とファッション界のレジェンドたちが、イマドキファッションの風潮やヤワな着こなし、ガッカリスタイルなどをスパッと一刀両断! 男として、あるいは女として、「清く、正しく、美しく」生きるために必要な服装術や、服を着ることの意味・意義をストレートに語り尽くします。

リアルな人たちがどういう格好しているかに興味があります

今回お迎えしたソリマチアキラさんは雑誌の挿絵や広告作品を数多く手がけているイラストレーターですが、コートやスーツ、シャツはオーダーを着ているという生粋の洒落者です。スーツは10代の頃から着始めていて、「子どもの頃からの憧れで、早く大人になりたいと思いました」と笑います。対談後半は、着続けないと板につかないスーツの極意を伺います。

「やっとたどり着きました」という褒め言葉

赤峰 洋服も料理も文字も「型ができあがると、どう崩してもいい」んですが、基本の型を会得しないと、洋服なら着せ替え人形になってしまいます。

ソリマチ 本当にそうですね。型を持っている人は、どれも自然に板についています。

赤峰 先日、若い男性が「スーツの型を知りたい」とアポなしでめだか荘に来たり、40代の男性からインスタグラムでメッセージが来て、「服が好きでいろいろ着てきたが、自分がしっくりこない」と言う。めだか荘に来たので、「2階で好きなだけ着まくってください」と言ったら、しばらく階下に降りてこなくて、降りてきたら「やっとたどり着きました」と言ってくれたんですよ。

ソリマチ 2階のスーツやコートを見たら、まず圧倒されますが、服好きにはたまらない品揃えです。

赤峰 その男性は、僕が着ているフォックスブラザーズのスーツをインスタで見て、「この感じが着たいです」と言われたんですが、気に入る生地のストックがなかったんですよ。それでフォックスブラザーズにメールをしたら、「生地はないが糸はある」という返事で、特別に織ってもらうことにしましました。

ソリマチ それはすごい。さすが赤峰さんです。自分も赤峰さんのインスタグラムを拝見して、スーツもカジュアルも着慣れた感があって素晴らしいなと思っています。

赤峰 ありがとうございます。僕の役割は、作り手であると同時に、雰囲気をどうサポートできるかという仕事ですからね。

着こなしの極意は、「その場所の景色に似合う自分でありたい」

赤峰 ソリマチさんは着こなしの参考にするものはありますか。

ソリマチ 自分はリアルな人たちがどういう格好しているかに興味があります。ジャン・コクトーやデヴィッド・ホックニー、セシル・ビートンなど昔のクリエーターがスーツを着ている写真をよく見ますね。

赤峰 僕が映画監督の着こなしに憧れるのと似ていますね。ただ「クラシックの解釈」として難しいのは、30年代をそのまま着てしまうとコスプレや舞台衣装になってしまう。なりきるのは奇異な感じがするので、僕が考えるスタイルは、「普通でなんてことないんだけど、違う服」なんです。

ソリマチ そこは一番難しいところですよね。

赤峰 ヨーロッパではそういう着こなし方をしている男性は普通に見かけますが、ソリマチさんは何か気をつけていることはありますか。

ソリマチ 自己満足の部分もありますが、「周りの景色と合わせる」ことは意識しますね。

赤峰 それはよくわかります。「あそこでこれを着たい、こう着たい」というのは僕も大事にしていて、好きな喫茶店で脚を組んでお茶を飲んで、「今日のソックスと靴の相性はいいね!」と悦に入る(笑)。

ソリマチ そうなんです。自分も「コーデュロイのスーツを着てコーヒーを飲んでいる自分」を、服をオーダーする前に考えます(笑)。着こなしというと自分だけを思いがちですが、「引きで見たときに絵になる」のを考えるのはとても楽しいですね。

赤峰 店でも街でも“人とのハーモニー”なんですよ。

ソリマチ 行く場所によって、「その場所の景色に似合う自分でありたい」と思っているので、銀座や丸の内に行くときはスーツやジャケットを着ていきます。そうすると街に馴染むし、全体の景色として見たときに自分がいい感じになります。

赤峰 「引きで見る」ということは自分を客観的に見ることになるので、抑制の効いた着こなしができますね。ただそこで大事なのが“2019年の空気感”。30年代のスタイルを着ていても、自分は2019年という器の中にいるので、その料理法を間違っちゃいけない。

ソリマチ そうですね。時代の空気はしっかり意識していきたいです。トレンドはエッセンスとしてシャレで効かせることで、時代や街との違和感を馴染ませたり。今の空気感を纏うために、時代の空気は必要ですね。

赤峰 クラシックスタイルが好きでも2019年の空気を忘れず、今の時代にフィットする、アップデートしたモダンさが含まれている着こなしを楽しんでほしいですね。

ソリマチ流、ワードローブの整え方

赤峰 めだか荘の2階のしつらえを変えたので、ちょっと見てください。

ソリマチ 赤峰さんが揃えられたワードローブは憧れますね、素晴らしい。

赤峰 今一番のオススメは、シャトル織機で織ったシルクコットンのコードレーンです。夏のスーツにぴったりですよ。あと、入手困難なヴィンテージ生地をイギリスやマルタ島で買い付けてきました。

ソリマチ 白のリネンパンツに合わせるジャケットでお薦めの生地はありますか。

赤峰 やはりネイビーかブルーがいいですね。見繕いますよ。

ソリマチ 赤峰さんが選んでくれる生地と色を楽しみしています。

赤峰 ソリマチさんはご自身のワードローブはどう管理されていますか。

ソリマチ 自分は、「新品の頃はこう着て、少し古くなったらこういう着方が似合ってくる」と考えていくので、そうすると長く服と付き合っていけます。ですからワードローブは変わらないですね。消耗品を買い足していけば、どれもずっと着ていけます。

赤峰 それがソリマチさんの味になっているんですね。よく分かりました。

「ドクトル質問箱」では、赤峰さんへの質問をお待ちしています。こちらforzastyle@kodansha.co.jpまで質問をお送りください。

ジャパン・ジャントルマンズ・ラウンジ
http://j-gentlemanslounge.com

Photo:Shimpei Suzuki
Writer:Makoto Kajii

Author profile

梶井 誠
梶井 誠
Kajii Makoto

今はなき講談社のメンズファッション雑誌『Checkmate(チェックメイト)』編集部のファッション班を経てフリーランス。セレクトショップのカタログやメンズ雑誌のファッションページの取材・原稿を担当。SKE48箱推し、フィロのス・奥津マリリ推し、ジュビロ磐田サポーター。1961年福井県出身。

KEYWORDS
赤峰幸生

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