“The legend is back” 蘇る名車、新型スープラ誕生!
ここ数年は開催毎に衰退の一方だったデトロイト・モーターショーも、なぜか今年は話題が豊富。その要因は自動運転などのAI化、EVへのシフトを含む電脳化にあるのですが、技術が進歩すればブランディングの再構築に迫られるのは世の常です。時代が大きく動くときは下剋上の可能性も高まります。
ワタシは日本人なので、どうしても日の丸メーカーを応援したくなります。で、注目はトヨタから正式発表された第5世代となる新型スープラ(A90)です。先代モデルは1998年に生産を終了していますので、約20年ぶりにトヨタブランドのフラッグシップスポーツカーが復活を果たしたことになります。
新型スープラの話題の中心は、いまのところBMWとの共同開発ストーリーです。同ブランドのZ4とは兄弟関係になり、基本的にプラットフォーム、エンジンや駆動系は共通ですが、最終的に仕上げていく過程はまったくの別路線をたどっています。
無論、エンブレムの付替えが成立することはなく、エクステリアもインテリアも新型スープラは別物です。同車復活の企画もボトムアップでスタートしていますので、共同開発という筋書きは上層部の打開策なのではと思います。こういったニッチなモデルを単独で開発する余裕はいまの自動車メーカーにはありません。
新型のスープラもZ4も、じつはオーストリアのマグナシュタイア社(グラーツ工場)で生産されます。この名を聞いてピンときた方は情報通。同社は自動車部品のサプライヤーですが、自動車そのものを開発から生産まで請け負える企業体です。メルセデスのGクラスもココに生産ラインがあり、手の掛かる特車車両や少量生産車はメーカーを問わずコチラが誕生の地となることもよくあるケースなのです。
車名の「SUPRA」の由来はラテン語で「最高の、至上の」を意味する言葉です。さらに起源をさかのぼれば、1970年に誕生したセリカがご先祖様にあたります。スープラ誕生は第2世代のセリカをベースに北米輸出用モデルとして開発されたのがその始まり。以後、第3世代のスープラから単独で歩みだします。
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新型スープラの車名ですが、正式には「GRスープラ」といいます。GRは「GAZOO Racing」の略称で、トヨタのモータースポーツ活動を通じた人材育成や新型車両の開発、自動車ファンとコミュニケーションするためのプロジェクト全体を意味します。
スポーツカー開発の聖地であるニュルブルクリンク北コースで徹底的に仕上げられた新型スープラ。車名ロゴも同コースの名物S字コーナーである「Wehrseifen(ヴェーアザイフェン)」をモチーフに新デザインの「S」を採用。日本語に訳すと“防御の谷”となりますので期待が大きく膨らみます。
TOYOTA GR SUPRA
ボディサイズ:全長4,380×全幅,1865×全高1,290(SZ:1,295)mm
ホイールベース:2470mm
グレード RZ
エンジン:3リッター直列6気筒ターボ
最高出力:340ps(250kW)/ 5000-6500rpm
最大トルク:500Nm(51.0kgm)/1600 - 4500rpm
グレード SZ-R
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ
最高出力:190kw(258p)/ 5000-6500rpm
最大トルク:400Nm / 1550 - 4400rpm
グレード SZ
エンジン:2リッター直列4気筒ターボ
最高出力:145kw(197ps)/ 4500-6500rpm
最大トルク:320Nm / 1450-4200rpm
※トランスミッションは全モデル8速AT。
上記のデータは現段階ではメーカー発表の参考値です。日本仕様も大きく変わることはないでしょうが、気になるのは弟分の86(ハチロク)より100mm短いホイールベースです。2シーターと割り切った結果ですが、その分をパフォーマンスに当てたと考えるべきでしょう。さらに気になる情報を追加すると・・・
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参考価格:3.0 $49,990 / 3.0 Premium $53,990 / Launch Edition $55,250
※北米仕様
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ボディカラー:Prominence Red / Black Metallic / White Metallic / Deep Blue Metallic / Silver Metallic / Ice Gray Metallic / Lightning Yellow
※欧州仕様
日本デビューは2019年春とアナウンスされたている「GRスープラ」。海外では6気筒搭載車から発売されるようですが、さて日本はどうなるでしょうか。正直に言えばデザインは好みの分かれるモデルですが、名車であるトヨタ2000GTの面影もチラホラ。注目の日本車の登場です。
Text:Seiichi Norishige
トヨタ自動車
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■Story of GR Supra