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FASHION こじラグ谷中の知ってるつもり?

【知ればもっと好きになる】まずは、羊から糸ができるまで

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大阪、泉州地区で作られる、ウールの糸について学びます

突然ですが、皆さんが今着ている服って どんな風に作られているかって知ってますか?

ウールだったら、羊の毛を刈って その糸を織ってできあがった生地を切って縫って完成くらいに思ってますよね。そのプロセスにおいて様々な細かい工程があるのは知っていましたが、その詳細については僕自身もよく知りませんでした。

でも、それでいいのか?? 自分たちが身につけているものが どういう経緯で作られて手元に届くのか、もっと詳しく知りたくありませんか? 僕は知りたい!

それを知ることができれば、同じウールを使っているのに 質や肌触り、価格がこんなにも異なるのかを少しは知ることができると同時に、たくさんの人の手が関わっていることを実感し、もっと考えて服を買うようになれるし、一度手に入れた服にも愛着が湧き、むやみに手放したりはしなくなるはず。

というわけで、こじラグ谷中の知ってるつもり? 第1回めは、敬愛するとともに仲良くさせて頂いているブランド「カンタータ」の松島紳さんに服ができるまでのレクチャーを依頼。

百聞は一見にしかずということで、服作りの現場に同行させて頂くことになりました!

平日の早朝、集合場所である新大阪駅に到着すると、そこには赤峰先生とお邪魔した山栄毛織の山田さんが!

じつは、カンタータの製品の多くも山栄毛織が手掛けており、現場に詳しい山田さんも同行して頂けるとのこと。これは心強い。

まず向かったのは、大阪・泉大津市、泉州地区にある泉州羊毛工業株式会社。創業は明治23年と約130年続く老舗で、ウール、カシミヤをはじめとする天然繊維の総合紡績メーカーです。扱う原料は300種類以上と、おそらく全国一の多様さを誇ります。

こちらでは羊から刈った毛を糸にするまでを勉強させて頂きますが、案内していただけるのは今井社長と、営業の栄さん。

まず見せていただいたのは、染めた原毛をミルフィーユのように重ねては縦に梳き、均等に混ぜて紡績するという、とても手間のかかる工程。

なぜ、そんなに手間のかかる工程をするのかというと、反物を染めたり、糸を染めるのでは出せない、深みのある色を出すためだそう。

そうして均等に混ぜられた繊維は、ローラーを通ることによって2m幅のフィルムとなり、面の状態に。それが均等幅のテープの上に乗せられ、ゴムのシートで揉まれることで糸の手前の状態になっていきます。

工程を見ていた感じたのは、麺を作るのに似ているってこと。粉を混ぜたらよくこねて ダマにならないようにしますよね? それを均等に平たく伸ばしてから等幅に切る。

ストレートな麺の場合はそこで終了ですが、縮れ麺の場合はさらに揉みの工程を加えてから整える。

ウールの場合は強度が必要なので、撚りをかけていくわけですが、この具合で糸の風合いが変化する。やっぱり麺に似ていますね。

まだまだ、羊を育てて刈る、その原毛を洗う、運ぶ。そして染めるなど、ここでは紹介しきれないプロセスが山のようにあるのに……、ここを見ただけでも一本の糸を作るまでには多くの人の手と時間、手間があることを知ることができました。

山田さんも仰っていますが、服づくりのスタートとなる部分だからこそ手を抜くことができないし、徹底的にこだわったイイものを選びたい。そりゃ多少高額にはなりますが、きちんと目を向けていかなくてはいけない部分だと思います。

本当に知らないことばかりで大いに勉強になりました!

ありがとうございます!

服作りにおける最も川上の部分を知ることができたので、さて次は…? 大阪編まだまだ続きますので、お楽しみに!

Video:Kengo Yagawa
Edit:Ryutaro Yanaka



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