何足買えば 気が済むんでしょうか…ね
さて、119回めも恒例の「エルメス(Hermès)」。編み上げタイプのブーツです。前回のチャッカも好きですが、編み上げも大好物。
遡れば、これも藤原ヒロシさんの影響で、レッドウィングに出逢ってから。某誌の連載にてスーパーソールを履いた黒いアイリッシュセッターを、今や定番となった白ソールに変更するというのを見て、速攻で真似して渋谷センター街奧のセダークレストに持って行ってソール交換しました。懐かしい大学時代の思ひ出。
それからも廃盤になったダナーのウッズマンやら、キレイめでいうところのシルヴァノ・マッツァのモンキーブーツ、それから以前紹介したジンターラのコレとか、カッコよくて気になる編み上げブーツは都度都度手に入れてきたような気がします。
ただ、座敷飲みに向かないんですよ、編み上げって。2軒目に移動する際に もたつくし、酔ってるから左右の紐の長さが違くなってイラついたり(笑)。せっかく暖まった空気が一気に冷める…。オンナのコだって きっと「座敷なのにメンドくせっ」って思ってて、選択希望枠から外される可能性大。そりゃ、いつ何時飲みに呼ばれるか分からないですから、段々と着用頻度は下がっていくわけです。ボーダー、いやヨコシマ。
もういい加減 シュークローゼットも満杯気味ですし、そんな状況だから、なるべく我慢してたんです。でも、そんなの御構いなしでカッコいい編み上げブーツってのが世に送り出されるんですね。
それが今回のエルメス。まず つま先のデザインがイカしてる。モカ縫いの処理の仕方が独特だし、まぁステッチワークがとにかく美しい。
そして、ソールがオレンジなんです。サイドから見て、全部オレンジだと強すぎて履くのが難しそうですが、アウトソールの一番下 数ミリだけってのがイイ。黒にオレンジが効きすぎてるとジャイアンツ感が強くて合わせづらいから敬遠するんですが、絶妙な匙加減。コレぞ、エルメスって感じですね。
足裏には、これまた恒例の「よく見たら H」。まず見えることないし、じっくり見たとしても かなり見えづらいんですが(笑)。
まぁ、コレはあってもなくてもですが、さり気な〜く付いたセリエボタン。ただ、意外に女子ウケは良い!
じつは通常店頭で売っていたときは、履かないから儚いと思って断腸の思いで我慢したんですよ。ところがセールにお邪魔したら、マイサイズが残ってるというミラクル。お安くなってるんですから、迷わず清水ダイブです。晴れて我が家に迎え入れました。
ソールの写真見て頂ければ分かりますが、汚れてるでしょ? そう、きちんと履いてるんです。当たり前か(笑)。
座敷飲みも経験しましたが、5ホールなら意外と手こずらず、スニーカーとまではいかないまでも普通の革靴とほぼ同じくらいのスピードで履ける。オンナのコたちの気持ちが冷める猶予も与えません!
というわけで、今後編み上げブーツを買う条件に「5ホールまで」というのを加えようと心に誓いました。まだ買うんか〜いっ!!
Photo:Naoto Otsubo
Text:Ryutaro Yanaka