長年探し求めていたせいか、値札も見ずに清水ダイブしてしまいました…
さて、118回めは恒例の「エルメス(Hermès)」。スムースレザーのチャッカブーツです。以前も書きましたが、チャッカブーツと言えば、アディダス(adidas)のキャンパス、プーマ(PUMA)のクライドと並び、ビースティボーイズの影響を受け、買い漁ったアイテム。
クラークス(Clarks)を筆頭に、カンペール(CAMPER)のキャンバスもの、 コム デ ギャルソン・オム プリュス(COMME des GARÇONS HOMME PLUS)のつま先が黄色いヤツ、ジルサンダー(JIL SANDER)別注のジンターラに加え、最近はエドワードグリーン(Edward Green)のシルバーストーンまで、とにかく色々なモノを履き捲ってきました。
中でも強く印象に残ってるのは、クラークスのアイコンであるデザートブーツ。大学の入学式用にスーツを買いに出掛け、グレーの3つボタンスーツとレジメンタルタイをコム デ ギャルソン・オム(COMME des GARÇONS HOMME)で、ただ まだまだ生意気 by 中山美穂 でパンク精神に溢れていたもんだからカッチリし過ぎるのは癪。シャツは各所に切り替えの入ったコム デ ギャルソン・シャツ(COMME des GARÇONS SHIRT)、そして足元もプレーントゥを履くのに抵抗を感じ、クレープソールまで黒に染まったブラックスエードのデザートブーツを買ったんでした。
なんかその感じが心地好かったのか、それからは やたらクラークスのデザートブーツを履いていた気がします。そして、サンドやブラウンを買い足したりしてる内に、スエードではなくスムースレザーのチャッカが欲しくなったんですが、どうもクラークスのスムースレザーには食指が動かず…。
かと言って他に欲しいブランドがあるワケでもなく、気になりながらも頭の隅に追いやられ 購入することはなかったんですね。
でも、長い年月を経て、理想に近いスムースレザーのチャッカに出逢ってしまったんです。いつものエルメスで。
レザーの質感は エルメスなので言わずもがな。適度にポッテリとしながらもシュッとしてて、程よくカジュアル。コバの張り具合も丁度えぇ。
ソールはヒールリフトされたクラークスのものよりは、エアウォークのリップルブーツのような雰囲気。シャークソールではありませんが、エルメスの例のソールは ややギザギザで似てなくもない(笑)。
そして、これまた恒例の「よく見たら H」。足裏なので、どうやってよく見るの?ってな感じではありますが。
黒靴をあまり好まない自分にとって、ダークブラウンとのいうのも堪らない! コレに関しては きちんと価格を確認せずに清水ダイブしちゃいました(笑)。まぁ エルメスなので、おぉぉぉ…ってなお支払いとなりましたが。
でも、写真をご覧になって頂くと分かるように、とにかくよく履き込んでおり、イイ感じに味も出てきています。ベタなくらい何にでも合わせやすく、しかも天気も気にしなくてイイので、秋が訪れる度に登板機会が増え、何履くか迷ったときに気がつきゃ足を入れてる便利な相棒になってくれています。
どこ行っても「エルメスばっかり買って」と言われるのが常となりましたが、エルメスにはこんな風に"ド"ベーシックで使い勝手も良く、とにかく上質でありながらも パッと見じゃ どこのブランドなのかは分からない通好みな逸品が多いんですよ、奥さん! だから、ダンナのワガママってヤツもたまには聞いてあげてくださいな。
Photo:Naoto Otsubo
Text:Ryutaro Yanaka