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「さとり世代」を良く知れば、人間関係も上手くいく!?

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これからの社会を担う世代を徹底解説!!

「団塊世代」に「ゆとり世代」……。今やあちこちで耳にする「〇〇世代」の一つ、「さとり世代」をご存知でしょうか?

今にも「ゆとり世代しか知らない」「さとり世代の部下の指導法がわからない……」という声が聞こえてきそうですね。

今回は「さとり世代」を徹底解説!! これを読めばきっと理解が深まりますよ。

目次
●さとり世代とは
 ・世代
 ・由来
 ・類語

●特徴
 ・仕事
 ・プライベート
 ・恋愛

●原因
 ・教育
 ・時代背景
 ①インターネットの普及
 ②「失われた10年」などのデフレ経済

●ゆとり世代との違い
 ・ゆとり世代とは
 ・ゆとり教育とは
 ・共通点
 ・相違点

●さとり世代の言い分
 ・消費行動について
 ・さとり世代が求める「安定」とは
 ・恋愛にも冷めている理由

●外国のさとり世代=「ミレニアルズ」

●さとり世代との付き合い方
 ・プライベートに踏み込まない
 ・精神論を語らない
 ・マニュアルを与える
 ・サンドイッチ話法

●まとめ

●さとり世代とは

・世代

2010年代に若年世代の人々、つまり1990年前後生まれの世代のこととされています。

・由来

「2ちゃんねる」などのインターネットから生まれ広がった表現です。2013年の新語・流行語大賞にノミネートされたことで認知度が高まりました。

・類語

「ゆとり世代」「草食系」「絶食世代」といった言葉が似たニュアンスで用いられています。そのなかの「ゆとり世代」については後ほど解説します。

●特徴

さとり世代は生まれたときからパソコンや携帯電話がありました。すなわちデジタルネイティブであることが、他の世代との決定的な違いです。そんなさとり世代の特徴を、仕事・プライベート・恋愛の観点から見てみましょう。

・仕事

〈個人の成長やスキル向上重視〉

不況やリストラなどの社会問題が叫ばれる時代に育ったさとり世代は、会社を永久的な居場所だと考えていません。いつどこへ転職してもやっていかれるように、個人のスキルを向上させたいと考えています。

〈自分のニーズと合わなかった場合、早期に転職を考える〉

CMや知人の話を聞くにつけ、転職への精神的ハードルが下がったなという実感はみなさんにもあるのではないでしょうか。さとり世代は特にその傾向が強く、会社はあくまでもスキルアップのための場所だと考えています。そのためより条件のよい環境が見つかればさっさとそちらにシフトしていくのです。

〈会社への帰属意識が低い〉

以上のような理由から、おのずと会社への帰属意識も低くなっていくことはおわかりいただけたかと思います。またさとり世代はオンとオフの線引きをきっちりしたがるため、業務時間外の飲み会などにも気乗りがしないようです。そういった姿が、他世代からは寂しく思えてしまうようですね。

〈世渡りが上手い〉

えっ!? と驚く人もいるかもしれませんね。実はさとり世代は世渡り上手なんです。なぜなら彼らは効率主義だから。わざわざ他人とぶつかり合って面倒なことになるよりは、愛想よく互いに気分よく過ごしたいと考えている人が多いのです。

〈プレゼンが上手い〉

さとり世代が受けてきた新学習要綱では、プレゼンテーションやディベートが重視されてきました。そのため彼らは学校生活で発表などを行う機会が多く、上手にこなします。さらに授業でパワーポイントなどを作成することも多々あったため、見やすく綺麗なデジタル資料を作成することが得意です。

・プライベート

〈SNS を重視する〉

非さとり世代には驚きですが、さとり世代はSNSでの交友関係と対面の人間関係を同質以上にとらえています。

〈所有よりも共有したい〉

車を所有せず、必要ならばカーシェアを利用するように、所有ではなくレンタルする若者が増えています。最近では洋服や家具のレンタルもブームになっていますよね。

〈好きなことをとことん追求〉

ゆとり教育では、たくさんの選択肢のなかから自分の興味のあるものを選び、それを追求するといった学習方針がありました。幼少期から好きなことを自由に追求できる機会を与えられていたためか、好きなことには熱心なようです。

〈趣味には出費を惜しまない〉

若者の消費離れと言われて久しいですが、なんでもかんでも節約しているというわけではないようです。ゲームへの課金やファッション、最新電子機器などの自分の趣味にはお金をかけ、それ以外を節約するという傾向が彼らにはあります。

〈非ブランド志向〉

彼らはブランド名よりも、実用性や本質を重視する傾向にあります。ファッションブランドも多様化しネット通販などでも購入ができる現在は、かつてよりも選択肢が広がったと言えるでしょう。そのため、ブランドに頼らずともよい商品を見つけることができるのです。ネットなどで安くて実用性の高い物の口コミが大ヒットするのもその一環です。

〈ネットの口コミを過信する〉

「行きたかったお店のレビューが芳しくないから行かなかった」という経験は、誰しも一度はあるのではないでしょうか? 情報化社会で育ち、失敗したくない気持ちが強いさとり世代はネットの口コミに特に敏感です。

・恋愛

〈あまり恋愛を求めていない〉

恋愛よりも趣味に熱中しているほうが楽しいと考えている若者は少なくありません。積極的に恋人を作ろうという気はなく「なければないで別に良い」というスタンスでいる人が増えているのです。

〈流れで付き合いたい〉

さとり世代の人は好きな相手がいてもガツガツと攻めず、自然な流れで付き合いたいと考えています。さらにステータスになるような恋人よりも、趣味や感性のあう人と付き合いたいという傾向もあります。

〈見栄を張らない〉

彼らはデートのために過剰に見栄を張るという事もなく、あくまでも対等でナチュラルな関係を好みます。誕生日にしたいデートなどのアンケートでも、おうちデートが1位になっていることからもこの傾向がわかりますね。

●原因

・教育

1989年に改定された学習指導要領で、「新しい学力観」が打ち出されました。いわゆる「ゆとり教育」です。これは、授業への関心・意欲や態度が学力よりも重視されるようになったというものであり、後ほど詳しく解説します。

・時代背景

①インターネットの普及

1990年~2000年代初頭は、家庭用コンピュータや、携帯電話やスマートフォンの爆発的な普及といった怒涛のデジタル時代でした。そのためデジタルネイティブであるさとり世代は、幼いころから当然のようにデジタル機器を扱ってきました。それによってかつての世代からは考えられないような文化や価値観が形成されていきます。

またインターネット世界を自由に行動する彼らは、かつてでは考えられないほど膨大な情報を受け取っています。検索1つで物事の先や結果が見えてしまうので、夢を抱く前から現実の厳しさを知ることになります。そうして「結果のわかっていることに手を出さない」という特徴が生まれたのです。

②「失われた10年」などのデフレ経済

バブル崩壊後の「失われた10年」に幼少期を過ごしたさとり世代は、物心ついたときから不景気でした。そのためバブル世代のような派手なお金の使い方をしません。就職氷河期やリストラを見てきているので、彼らは安定を求めます。ですがその「安定」は従来の意味とは異なるようです。

●ゆとり世代との違い

・「ゆとり世代」とは

1989~2010年度に実施された「ゆとり教育」を受けた世代を指します。具体的には1984年4月2日~2004年4月1日生まれが該当者です。

・「ゆとり教育」とは

1989年や2002年の学習指導要綱で決められた、従来の詰込み型教育に対する、思考力を重視した教育方針のことです。センター試験英語にリスニングが組み込まれたり、討論や発表を多く盛り込んだ授業カリキュラムになっていることが特徴となります。また、小学校の授業日数が完全週5制へと変わったのもこの時期です。

・共通点

該当年代を見ればわかるように、同時期に2つの世代が存在しています。そのため厳密に差別化することは難しく、混同されて用いられるケースも多いです。

・相違点

「ゆとり世代」と「さとり世代」は年齢層としては重複しています。しかし、さとり世代は上の世代の転職やリストラなどの社会問題を見て悟った世代であるという違いがあります。

●さとり世代の言い分

・消費行動について

「物欲がなくなった」などと言われるさとり世代ですが、彼らの言い分は異なるようです。確かにこれまで多くの人が欲しがっていた車や海外旅行などの大きな買い物には消極的になりました。しかしスマホなどの電子媒体や洋服など、自分の興味がある分野にはお金を遣うという人が多いです。つまり「消費離れ」ではなく、消費する対象が時代に合わせて変化したということでしょうか。

・「さとり世代」が求める「安定」とは

不景気で育った彼らは「安定」を強く求めます。そう聞いて「ベンチャー企業や転職率の高さが話題になっているし、それは嘘なんじゃない?」と思う人もいるでしょう。さとり世代が求める「安定」はかつての意味とは異なってきているのです。

かつての「安定」は、有名な大企業に入社して終身雇用という形が一般的でした。

しかし現代は大企業が急に潰れ、そもそも非正規雇用が拡大しています。さとり世代にとって未来は常に不安定であることがデフォルトなのです。そのため彼らは〈スキルを身につけ、どこでも活躍できること〉が安定だと考えています。「個人の成長やスキル向上を求める」「権威主義な指導よりも、コーチング指導を好む」という特徴もこの思考の現れです。

・恋愛にも冷めている理由

近年日本の平均収入は減少しつづけています。多少景気が上向いたとは言われますが、若者の手取りの少なさは改善されていません。経済状況にゆとりがないので、恋愛や結婚を考える余裕もないという人が多いのです。またワンオペ育児や1人親世帯の貧困率など、日々不安感を募らせるような暗いニュースがあふれていることから、結婚に対してネガティブなイメージを持っている若者も少なくありません。

●海外の「さとり世代」=「ミレニアルズ」

「さとり世代」は日本だけの存在ではありません。海外にも彼らのような新たな世代が生まれています。

アメリカでは、新たな世代として「ミレニアルズ」が注目されています。「ミレニアルズ」とは、「1000年間の」という意味の「ミレニアル」を語源とする造語で、2000年以降に成人となった若者層のことを指しています。アメリカの約4分の1を占める最大の人口層として、さまざまな業界が意識しています。

この層がフューチャーされるようになったきっかけは大ヒットドラマ「Girls」です。景気回復の恩恵が行きわたらず未だ不安定な雇用や収入に悩むミレニアルズを描いたドラマであり、同世代の強い共感を得ました。

リーマンショックを間近に見たミレニアルズと、不況の真っただ中で価値観が形成されたさとり世代は消費行動などが良く似ていると言われています。

●さとり世代との付き合い方

以上、さまざまな特徴などを述べてきました。「じゃあどうやって接すればいいんだ??」とお悩みの方も少なくないのではないでしょうか。ここではさとり世代との付き合い方についてご説明します。

・プライベートに踏み込まない

さとり世代は仕事とプライベートをきっちり分けている人が多く、深い人間関係や泥臭い喧嘩を好みません。ですが表面的な気遣いは得意なので、職場でも素直でさらりとした人間関係を築きます。プライベートに踏み込もうとせず、こちらもさらりとした付き合いをすれば円滑に進むでしょう。

・精神論を語らない

さとり世代はロジカルなハウツーを好み、精神論を嫌う傾向にあります。「俺の若い頃は…」といったアピールや、いたずらに同期と比較するようなことは避けましょう。成功した方法などを理論的に教えたほうが喜ばれます。

また感情的に怒られれば怒られるほど、さとり世代の態度は硬化し冷めていきます。なにか腹がたつことがあっても、冷静に論理的に指摘するように心がけましょう。

・マニュアルを与える

彼らは「見て学ぶ」「とりあえずやってみる」といったことは苦手です。しかし合理的なマニュアルや明確な評価基準があれば、しっかりそれを遂行します。また効率的なことを好むため、業務の効率化などには積極的に取り組んでくれるはずです。

・サンドイッチ話法

これは最初にほめてから指摘し、最後にまたほめるという会話法です。

例「あなたはいつもスピーディーな仕事ぶりですね。さらにもう一回内容を確認してみると良いかもしれません。このスピードでミスが0になれば、クライアントからの評価も上がると思いますよ」。

内容は感情的にならず、締めには改善のメリットを述べるととさらに効果的です。なぜなら、さとり世代は効率を重視します。理由やメリットが明確でないものには従いにくく感じるからです。

●まとめ

いかがでしたか? さとり世代の人は納得を、そうでない人は目から鱗の考え方だったのではないでしょうか。

育ってきた環境や時代、受けてきた教育が大きくことなる世代同士では、価値観や考え方が理解しづらいこともあるでしょう。ですがそこでジェネレーションギャップだと思考停止せず、なぜそうなのかを考え互いを尊重することがなにより大切です。

そしてなにより重要なことは、なんでもかんでも「世代」でひとくくりにしないこと。あくまでもこの記事は傾向であることをご承知おきくださいね。

Photo:Getty Images
Text:K.S



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