今までのコートが古ぼけて見えてしまいます
ブランド名は、ES:Sと書いて「エス」と読みます。2014年にスタートした日本のブランドなんですが、こんな優れモノがあったとは! 久しぶりに背中に電流が走りました。
実は、シューズデザイナーである坪内浩さんの真似なんですけどね。坪内さんと一緒にWHのトークイベントで盛岡の菅原靴店に行くとき、坪内さんが着ていたんですよ。坪内さんが新幹線ホームに立っている姿が、遠目からでも凛々しくて……、すぐに どこのコートか聞きました。
で、東京に戻った途端にイセタンメンズに直行。大人が似合う王道な見た目ながら、ビッグシルエットなサジ加減が絶妙なんですよね。
ラグランスリーブの少し落ちた感じといい、ボタンを上まで留めて着たときに出る丸みのある胸のカッティングや、襟元の表情といい、あまりに良すぎて気絶寸前でした(笑)。
ウエストのベルトをぎゅっと締めるとラップコート風になるし、締めないで着てもきれいなAラインになるのもポイントです。
しかも、ミリタリー由来の本格的なつくりでありながら、エポーレットやガンパッチ、D冠、アンブレラヨークといった、トレンチコート特有のシンボリックなディテールをことごとく排除。
それでいて、しっかりトレンチの男らしさや風格を備えているんですから、この潔さには、もはや脱帽するしかありません。大好きだった1990年代のジョルジオ アルマーニにも通ずる匂いを感じます。
素材は、高密度のナイロンタフタ。撥水性があるので、少しの雨なら全然平気です。
軽くてシワになりにくいのも、出張の多い僕にとっては大きな魅力。くるくる丸めてバッグの中に入れておけば、いざというときにも安心です。
最初に買ったのは、ネイビーに限りなく近いブラックですが、あまりに良かったのでこの後にベージュも追加で購入(でも、まだ着ていません)。何だか今まで着ていたコートが、古ぼけて見えるくらいインパクトがありました。
で、これでお値段はいくらだと思いますか? 5万8000円(税抜)ですよ! ちょっとしたブランドモノだったら、20万円を覚悟しなきゃいけないこのご時世に、この価格は絶対に反則でしょう(笑)。ぜひ、2色買いをおすすめします!
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE