第66回 バブアーとポマードと男飯と
俺が愛してやまないバブアーのオイルドコート。あらゆる洋服が快適になっていく時代に、ここまでいい意味で時代おくれの相棒はない。
そんなコートに身を包み、静かな「ボロ市通り」を散歩してみる。毎年、年に4日間開催される世田谷名物のボロ市は430年以上の歴史があり、数十万人が訪れる。ちなみに12/15・16なのでもうすぐだ。
バブアーの名作ソルウェイジッパー との出会いは運命的だった。ボタンを全て留め、襟を立て、ウェストベルトは男らしくギュッと締めるのがアニスタイル。
時にはベルトを無造作にポケットに入れ、ジッパーを開けると違った表情になる。
足元は散歩を重ね、足に馴染んできたレッド・ウィングのミルワンだ。イギリスのアウターにアメリカのシューズが心地よい。
ボロ市通りに佇むアニレストランな「バーボン」。ここの料理は、どれも気絶クラスにウマいので油断してはいけない。そう男は油を断ってはいけないのだ。俺は自分に問いかけてみる。バブアーとポマードの油は足りているか?
ネオン管がグッとくる。強烈なアニバイブスとオーラがパねえ。バーボン ……なんともグッとくる響きだ。
いきなり昭和ビンテージに気絶。いかん油断していた。
昭和なレストランや喫茶店にワープしたような落ち着く空間にはマリリンが微笑んでいる。
ハンバーグからスパゲッティの他、メニューの多さが凄すぎる。どれもウマいが俺はいつもバーボンライスと決めている。
厨房でバーボンライスを作るのは渡邉修行さん。俺は眺めているだけで気絶しそうになる。
ここの料理は全て手作りで毎朝6時から仕込みをしている。豚肉、鶏肉、しめじ、ピーマン、玉ねぎが使い込まれたフライパンでライスと炒められる。
とその前に「バーボン」のバーボンソーダだ。これはノンアルコールでグレナデンシロップをソーダで割ったもの。それがバーボンのバーボンソーダなのだ。
ウマい!子供の頃に飲んだどこか懐かしい昭和な味がする。マリリンの微笑みに乾杯。
俺が愛するバーボンライスができた。いつも素敵な、るみかさんアニがとうございます。
言葉にならないこのオーラ。これぞ男の中の男飯と呼べる気絶飯だ。この香りがたまらない。手切りの野菜も愛情がこもっている。
具のデカさが男臭くていい。しっかりと仕込みで味付けされた具とライスが絶妙に混ざり衝撃のウマさが俺を襲う。
完全にアニ気絶……バーボン昇天! この味付けを文章で伝えるのは不可能だ。何味と聞かれてもバーボンの味としか答えようがない。
満足したところで、いきなり、るみかさんから「オリジナルライスもオススメですよ」と。やはり油断していた。気がつくと迷わずオリジナルライス追加! カメラ慎平ちゃんも腹が減って我慢の限界と目が訴えているのでシェアすることに。ハンバーグを焼いた後に崩したオンザライスの衝撃。オリジナル気絶……油断昇天!
結局お酒のバーボンソーダもいただくことに。味付けが濃厚なので酒にも合うのだ。
撮影を中断してオリジナルライスを喰らう慎平ちゃん。バーボンライスとオリジナルライスを2人でシェアすることを勝手にアニバーボンと呼ぶことにした。
バーボンは創業39年のレストラン。カウンター席は、ほぼ毎日決まった時間に訪れる常連の指定席だ。
ジェームスディーンのようにバーボンで男飯を喰らってくれ。
渡邉さんご夫婦の愛情と歴史のこもったバーボンには、ここでしか味わえない気絶飯と最&高なグルーブがある。ハンパなくこだわり抜いた手作り料理は誰にも真似できないオリジナルということだ。ぜひ、アニバーボンしてくれ。
バブアーのソルウェイジッパー 。バウアーの代表モデルとも呼ばれる状態のいいビンテージで2ワラントの名作だ。絶妙に長い丈と細身の身幅に片方だけの胸ポケットは永遠のスタンダードと言える。オイルが自然に抜けるまで着込み自分だけのバブアーに育てていく。現行品もビンテージもどちらもオススメなので自分のスタイルに合わせて手に入れていただきたい男のオイルドコートだ。
Text : Eiji Katano
Photo : Shimpei Suzuki
今回のアニキおすすめの店
「バーボン」
東京都世田谷区世田谷1-29-14 コーポイコマ
Tel. 03-3427-1300
https://tabelog.com/tokyo/A1317/A131709/13013123/
営業時間 11:00~22:00
平日(月〜金)14:00〜18:00は休憩。
土日祝は12:00〜21:00 休憩なし
ランチタイム 11:00〜14:00 ドリンク付き
定休日 火曜
アニインスタのフォロー、シクヨロお願いします。
https://www.instagram.com/eijikatano/