姉さん、事件です。カルロス・ゴーン逮捕劇は序の口?!
2018年、自動車業界最大のニュースとなりそうなのが11月19日の元日産自動車代表取締役会長カルロス・ゴーンさんの逮捕劇です。現時点では東京・小菅にお住まい=容疑確定前=推定無罪ですからワタシは敬称を付けます。
同時に代表取締役グレッグ・ケリーさんも逮捕。これを受けて同日、日産自動車(以下、日産)はプレスリリースを発表。その内容は、内部通報を受けて調査を行った結果、実際の報酬額より減額した金額を有価証券報告書に記載していたことが判明した・・・というもの。ん? 会長と社長の二人で虚偽記載なんかできるのかな?
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さらに報道ベースですが情報を集めてみると、日本でもこの6月から施行された司法取引制度による逮捕劇だということが判明。てことは、下手を打った奴がヤバくなって二人を売った(後ろから刺した)ことになります。いったいどんな犯罪を取引したのでしょうか?
また、ゴーンさんの自宅が家宅捜索されるのは理解できるのですが、プレスリリースのタイミングを見ても、ゴーンさんを挙げた東京地検に日産は協力していたはずですし、事実、情報をシェアしていたことを認めています。
しかし、協力していたのに同時に日産本社も家宅捜索が入りました。シロウト目にはいまひとつパフォーマンス臭が拭いきれません。
その後の対応はルノーと日産でキッパリ分かれました。ルノーは処分保留としながらも実権を2番手に引き継ぎ、一方の日産は内部調査でクロという判断ですから両者の職を解くことを取締役会で決議。まあ、妥当なセンといえるでしょう。
今回の逮捕劇、日産のクーデターか? ルノーのクーデターか? などと囁かれていますが、関係者証言やら地検じゃないと出せない情報など様々に飛び交って真相が見えません。
東京商工リサーチのデータによれば、2017年度のゴーンさんの役員報酬は、日産7億3500万円、三菱自動車2億2700万円、ルノー9億5000万円。同年度の日本の役員報酬ランキングを見てもトップ10圏外。業績を考えても安いといえるかも知れません。
高額と言われる日産の役員報酬も取締役会の承認が必要でしょうし、ルノーの役員報酬にしてもマクロン大統領が一度クギを差し現在の金額となっています。というのも、ルノーはもともと国営企業。民間になった現在もフランス政府が株式の15%をもち筆頭株主なのです。そう簡単にインチキできるとも思えないのですが……。
ルノーと日産の出資比率は、ルノー43.4%に対して日産15%。V字回復を果たしたとはいえこの15%が増えることはありませんし、ルノーにとって見れば日産は金の卵。到来するEV時代を思えば手放すはずがありません。それに日産は三菱自動車の株を34%ももっているのです。いや~実に魅力的。
フトコロ事情を考慮すれば、現状のアライアンスより経営統合を望んでいるのはルノーである……というのがワタシの妄想。これまでのビジネススタイルを思えば、ゴーンさんは切磋琢磨させながら業績を伸ばすタイプ。それぞれのブランドが自ら存続してこそ意味があると思うのです。
この国際的な逮捕劇の結末はいかに。ゴーンさんの役員報酬は日産の株価によっても上下するようなので、その解釈の是正と修正申告&罰金が落とし所となるのかどうか。裁判ともなれば逮捕された二人のみならず、さらに関係者が増えることは確実です。また、公判が保つのかどうか、ちょっと気になるブブンもあります。
何れにせよトバッチリを食うのは日産車オーナーです。どうしたって「タイホされちゃったよね~」から会話がスタートします。これは販社など関係者も変わりません。さらに経営統合となれば日本に落ちる税収も減ってしまうかもしれませんね。
で、こんなブルーな話題だけではいけませんね。最後に明るいニュースもお届けしましょう。
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以前、ワタシがいずれ生産中止になる名車として取り上げたアルファロメオ「4C」に限定車2モデルが登場しました。このクルマに魅力を感じるなら迷わずディーラーへ駆け込みましょう。
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アルファロメオが開発しマセラティの工場で生産される「4C」は、本格的カーボンシャシーをもつミドシップスポーツカーです。搭載するエンジンは2リッター直4ターボですが、走る楽しさはパワーだけじゃないことを教えてくれます。
Text:Seiichi Norishige
FCAジャパン
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■2018 Alfa Romeo 4C Competizione Italian Supercars