“テクノ・クラシコ”の時代がやってくる!?
あれ? このジャケットって前回紹介していたエンポリオ アルマーニと一緒やないの???と思ったアナタ、とっても鋭いです。
自分でも間違えるほどそっくりなこちらのジャケットは、今年のミラノ出張の際にモンテナポレオーネ通りにあるジョルジオ アルマーニの本店で購入した一着。本当はスウィムウエアを買おうと思って行ってみたのですが……。大のお気に入りのジャケットと ほぼほぼ同じ面構えのものがあるじゃないですか!
折しも、エンポリオのそれはあまりにヘビロテで着過ぎていたんで補充しなくてはと考えていた時期。ブランド的にもワンランクアップということで、迷わずお買い上げとなりました。
360°全方向に伸びるストレッチナイロンで、ネイビーなのはほとんど一緒。かたち的にもほぼ変わらず、前回のエンポリオのそれで説明し尽くした感じがあるんで、何を話したらいいのか自分でも悩みます(汗)。
違っているところをいうと、胸ポケットがなく、素材がやや肉厚で、ネイビーの色調が若干濃くなったぐらいでしょうか。そうなると当たり前ですが、コーディネイトも同じです。まあ、こういう雰囲気がちょっと前からずっと気になっているんですよね。
当連載でも何度も言ってきましたが、ニール・バレットがメンズデザイナーをしていた1990年代のプラダのムードがずっと引っかかっているんです。
ちょっと話は脱線しますが、ピッティ・イマージネ・ウオモの入ってすぐの辺りって、近年はスポーツブランドのブースばっかりなんですよ。
で、ピッティ、ミラノのファッションウィークに来ている関係者の足下を見てみるとスニーカーばっかり。実際、ランウェイで発表される最新のコレクションもそんな感じですから、前以上にファッションとスポーツの境界線が曖昧になってきているんでしょうね。
これはスポーツ≒スポーティカジュアルと解釈するとわかりやすいかもしれません。ファッションブランドとスポーツブランドのコラボも当たり前のようになっていますから。
で、何が言いたかったのかというと、“テーラード+スニーカー”という組み合わせがずっと頭にあって、でも普通のテーラードじゃスニーカーに合いませんよね。
そこでひらめいてしまったんです。“テクノ・クラシコ”なるキーワードを。要は、テクノ素材のテーラードです。
取材すればするほどこれが確信に変わり、もはや現代的なテクニック&テクノロジーは、男の装いの世界にも不可欠。そう思った途端、これまでもモヤモヤしていた気持ちが肚落ちしたんです。
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE