ナイロンとは思えない肌触りに、即気絶!
さて、107回めは「ロロ・ピアーナ(Loro Piana)」のレインコート。秋の長雨がダラダラと続いて、なんだか一気に涼しくなりましたね。となると、必要になってくるのはカシミア…、ではなく、まずは雨を避けられるレインコートです。
防水・防風性、透湿性にも優れたゴアテックス®(GORE-TEX®)のものもありますが、秋の雨は しとしとと降る弱い雨なので、そこまで仰々しくなくサラッと羽織れるくらいのものが良い。
というわけで、白羽の矢を立てたのがロロ・ピアーナのレインシステム®(RAIN SYSTEM®)。ロロ・ピアーナ独自のナノテクノロジーにより撥水、防汚の機能を持たせた生地で、化繊や、ポリエステル混ではなく、ウール100%でも水を弾くという。
そんなアイテムを求めて、お店を訪れたら、全然違うものが目に飛び込んで来ました。それが今回のコレ。ナイロン80%にストレッチ性のあるエラスタン(Elasthanne ※ポリウレタン)20%を混紡させた生地で仕立てたバルマカーンタイプのレインコート。

「ナイロンかぁ…求めてたのとは違うなぁ」なんて期待もせずに触れてみたら、まずその触り心地に 気絶! 自分が今まで触れてきたナイロンとは ひと味もふた味も違う。カシミアと一緒でなんというか ほんのりヌメリがあるというか。
そして、試着させて頂いたら再度 気絶! 裏地はさらにしっとりしていて、化繊で作られているとは思えない肌触りだったんです。

「さすが、ロロ・ピアーナだわ」なんて驚きながら、色も軍モノっぽくて渋いなぁ、買っちゃおうかなぁと悩んでいたところ、スタッフの方が まるで追い討ちをかけるかのように「実はコレ、パッカブルなんです」と。「えっ、どこに仕舞えんの??」と脱いでみると、右の見返し部分、ポケット下に大きな縦開きのジップが!!

試着するときは荷物がたくさん入りそうで、カバンいらずだなぁくらいに見ていたんですが、ココに畳んで仕舞えるのか。で、実際にスタッフさんに畳んで頂いたら、あらビックリ!

25cm四方、厚さ3cmくらいのコンパクトさに。これだけ着心地が良くて軽く、しかもパッカブル仕様とあれば普段使いはもちろん、出張や海外に行くときにも重宝しそう。
というわけで、今回も清水ダイブ! 我が家のクローゼットの一員として招き入れました。
実際、使ってみたら素晴らしく快適。多少の雨なら傘いらずですし、海外や遠くへ出掛ける際には必ずバッグの中に入れて持って行きました。そうそう、飛行機に乗ったときや公園なんかでノンビリと寝転んだときには枕代わりにもなってくれたんです。だって肌触りが抜群だから。まぁ飛行機では眠れませんでしたが、公園では気づくとウトウト。なんだかとっても眠いんだ…、パトラッシュ…。ムニャムニャ……
そんなこんなで 購入してからは八面六臂の大活躍。まさに旅のお供として どの国にイクときも一緒。天候柄 袖を遠さなかったこともありますが、旅の思い出には必ずこのコートの存在が刻まれています。なので、擦り切れて着られなくなるまでずっと着続ける一枚になると思います。
そして恐らく、死ぬまで捨てることはないですね。あれ? 企画間違えちゃってるな……

比翼のバルマカーン





Photo:Naoto Otsubo
Text:Ryutaro Yanaka