イタリア人って、アメカジ大好きなんですよね
第76回目は、ロイロジャースのデニムパンツです。
イタリア人って、アメリカンなアイテムが大好きなんです。なかでもデニム愛は、日本に負けず劣らず。イタリアンデニムと聞くと、デニスラを思い浮かべる人は多いでしょうが、実はアメリカンなデニムブランドも結構多いんです。今回ご紹介するロイロジャースは、そんなイタリアのアメリカンデニムシーンにおける、先駆者といえるブランドでしょう。
創業は1949年。イタリアでは最古のデニムブランドとされています。ここ日本では60年代に初の国産デニムが誕生していますから、それよりも前ですね。
イタリアらしくテーラリング仕込みの巧みなカッティングや丁寧な縫製により、今でこそプレミアムデニムブランドとしての不動の地位を確立しましたが、創業当時はファッションアイテムとしではなくワークウェアとして製作していたことから、今でもその名残りを随所ににじませます。
そのひとつがヴィンテージ加工の素晴らしさ。創業当時のアーカイブを現代まで受け継ぎ、インスピレーション源としているだけに、その仕上がりは実にリアル。なにせ、創業者フランシスコ・バッチさんが創業当時にパートナー契約を結んだのが、あのコーンミルズ社ですからね。
そんなアメリカンな要素を香らせながらも、シルエットはあくまでイタリア的。定番シルエットの529を見れば一目瞭然ですが、土臭さとエレガンスが絶妙に調和しています。そうです、このバランス感こそが、大人がリアルに穿けるヴィンテージ顔デニムブランドの定番たる由縁なのです。
現在でも、デニム生地はコーンミルズ社を採用。さらに、日本産のデニムも採用しています。あくまでアメリカン、とはいえイタリアン。言葉にすると変ですが、ロイロジャースはいわば大人になったかつての古着世代が辿り着く境地ってところです。
Photo:Naoto Otsubo
Styling:Takahiro Takashio
Text:Masafumi Yasuoka
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