フォルツァーの鳥居直樹さんの「似合ってナンボ」連載5回目は、メガネ探しではなく、「視力測定」にトライ。「今使っているメガネは2年前ぐらいに買って、毎日掛けています。視力の測定は新しいメガネを買うときにしているので、2年ぶりですね」と鳥居さん。訪れたのは、ブランドの一番店で、銀座にある直営店の中でもっと広い『フォーナインズ 銀座本店』。測定終了後に「検査は専門店がやっぱり安心できると思いました」と鳥居さんが言う測定プロセスを紹介します。
40オトコのメガネは、何を重視すればいい?
今回、鳥居さんの測定を担当するのは、『フォーナインズ 銀座本店』店長の久保洋平さん。久保さんはフォーナインズが設けている社内検定制度の中心人物で、測定の指導的役割も果たしている方。まず、今、鳥居さんが使っているメガネのレンズの状態(度数)を調べます。
久保 測定は2年ぶりとのことですが、最近、見え方で気になることはありますか。
鳥居 メガネを外したときにちょっと見えづらいというか、疲れもあるのかも知れません。
久保 今の鳥居さんのレンズは、乱視と遠視ですね。
鳥居 そうですね。度は強いと思います。目が悪くてメガネは5歳頃から掛けています。でも裸眼で0.2~0.3は見えると思いますが。
久保 鳥居さんの年齢(38歳)になってくると、目を楽にするために、「普段用」と「デスクワーク用」に使い分けをする方もいらっしゃいます。
鳥居 メガネ1本では、遠く、中間、手元のすべてをカバーできないということですか。
久保 測定のときに、クルマの運転の有無や、PCなどを使うデスクワークの仕事なのかなども必ずヒアリングします。鳥居さんと同世代の方は、遠くがよく見えるように設定したメガネでは、デスクワーク時に疲れやすく感じる方も多いですね。
鳥居 なるほど。クルマの運転からスマホを見るまでのすべてをカバーするのは難しいわけですね。昔の人と「見る環境」が全然違いますからね。
久保 「よく見えるメガネ」から「楽に見えるメガネ」に変えていくというのもポイントです。
鳥居 それは具体的にどういうことですか。
久保 デスクワークの際の目の負担を減らすことや、家で楽に過ごすために、遠くがよく見えるより、近くを見るときに楽な度数のメガネをもう1本お持ちになると、疲れやすさなどは軽減します。
鳥居 そういう考え方もあるんですね。それを踏まえて測定に臨みます。
最新の測定機器で、「目の緊張状態」を測定する
フォーナインズ 銀座本店には測定の専門スペースがあり、落ち着いた雰囲気の中で測定を受けることができます。測定室の壁面にあるのは約3000枚のテストレンズで、フォーナインズの直営店には完備しているとのこと。測定にかかる時間は通常だと20~30分ほどです。
「測定を受けたことがある方ならご存知だと思いますが、テストレンズは見え方を確認するものです。
目の状態によってレンズを2枚、3枚と重ねることがありますが、重ねていくとどうしても誤差が出てしいます。フォーナインズではなるべく出来上がりに近い状態で見ていただくために、近視・遠視・乱視用の度数を1枚のレンズに組み合わせたテストレンズを常備しています」と久保さん。鳥居さんも「これだけのテストレンズの枚数は見たことがありません」と驚きながら、測定をスタート!
鳥居 40歳前の自分のような年齢の男性は、どんな目の状態が多いですか。
久保 働き盛りで、デスクワークやPCなどを長時間使用する方は、疲れ目を訴える方が多いですね。
鳥居 自分は疲れ目用の目薬とか使ったことがないなぁ。
久保 加齢とともに「目の調節力」が弱くなり、疲れを感じるようになります。
鳥居 目の調節力とはなんですか。
久保 遠方から近方に見え方を調節する力のことです。今の検査機器の精度は飛躍的に向上していて、「目の緊張状態」も測定可能なのでご説明します。
鳥居 それは初めてですね。詳しく教えてください。
久保 目は、毛様体筋(もうようたいきん)が緊張(収縮)して水晶体を膨らませてピントを合わせます。PCやスマホなど近くをじっと長時間見ていると、毛様体筋はずっと緊張していて、筋肉疲労を起こします。
鳥居 なるほど。それで眼精疲労を感じるわけですね。
久保 この機械は、毛様体筋の緊張状態を測定し、「目の調整機能」を診ます。鳥居さんのデータを見ると、やはり近くにピントを合わせるときに緊張状態が見られますね。
鳥居 その対策はあるんですか。
久保 前にもご説明しましたが、「手元が楽に見えるメガネ」があると目を酷使しないようになります。
鳥居 もう1本メガネを作って、場合によって掛け替えるということですか。なるほど。
一足早く、老眼対策の「遠近両用レンズ」を体験!
鳥居さんの今使っているメガネの度数は、右0.9・左0.8・両眼1.0で、利き目は左眼。さらに近方の測定では、右0.7・左0.7・両眼0.9との結果。久保さんは、「鳥居さんは乱視が強いので、今のメガネだと手元が若干見えにくいかもしれません」と、3000枚のテストレンズから最適のレンズを選びます。
久保 乱視をもう一段階強くすると見えやすくなりますが、強くすると疲れることがあります。
鳥居 確かに今のメガネに比べてよく見えますが、「疲れない程度な見え方」というのがいいわけですね。
久保 そうですね。「度数を上げたメリットをどう感じるか」ということです。鳥居さんは今の見え方でも大丈夫ですが、細かい文字の資料を見ることが多いと伺ったので、近くを楽にはっきり見ることができる度数のメガネがあると、仕事中の目の疲労が軽減されます。
鳥居 その対策が、「もう1本メガネを持つ」ことなんですね。「近くが楽に見えるメガネを掛けよう」というのは考えたことがありませんでしたが、「仕事用メガネ」はありかも。「遠近両用レンズ」を試してみることはできますか。
久保 鳥居さんの年齢ではまだ少し早いですが、遠近両用レンズを体験してください。
鳥居 遠くも見えて、近くもよく見えますが、歩くときに足元が怖いですね。
久保 今の遠近両用レンズは継ぎ目がないので、人からは気づかれませんが、慣れないと階段などの段差が怖いです。銀座本店の検査室はそのためにわざと段差を付けた設計にしています。
鳥居 このレンズは左右もちょっと歪んで見えて、最初は違和感を感じます。
久保 遠近両用レンズも年々進化しているので、左右の歪みを抑えたレンズもあります。必要になったらまたいつでもご相談ください。
<検査を終わって>
鳥居 「楽なメガネ、よく見えるメガネ」という考え方は勉強になりました。
久保 鳥居さんの今のメガネの度数は、遠くを見ることには問題ありません。これからは1年に一回測定されてもいいかも知れませんね。あと、疲れ目を感じたら「目を休ませるインターバル」を上手に取ってください。
鳥居 目は知らない間に酷使していますからね。気をつけます。
久保 フォーナインズでは、フォーナインズのフレーム設計に合わせた専用レンズ「Four Nines LENS」もご用意しています。さらにフレームにレンズを組み込む「加工」も総合加工室で熟練した専属スタッフが組み上げます。測定・レンズ・加工まで万全の体制をとっていますので、見え方に違和感が出たらご相談ください。
鳥居 ありがとうございます!
【問い合わせ】
フォーナインズ 銀座本店
東京都中央区銀座3-5-7 マツザワビル2階・3階
※店舗入り口は中央通り側ではなくガス灯通り側
03-3535-4949
営業時間:11:00~20:00
不定休
http://www.fournines.co.jp/
Photo:Shimpei Suzuki
Text:Makoto Kajii
Edit:Ryutaro Yanaka