人生の目標を探して
日本全国大猛暑です! ダンナはご無事でしょうか? 大変気にしております。
御機嫌よう、恋愛中毒JAZZシンガー「ぺぺ」ことRIKAPEPEです。
JAZZというのは、男女にまつわる恋愛のストーリーがほとんど。男と女の歌を扱うのですから、酸いも甘いも人より多めに気絶して参りました。この連載では、ぺぺが毎回読者の皆様からいただいた恋愛相談に対して、JAZZシンガー目線のユルっとした恋愛アドバイスと共に、ちょっと元気が出るJAZZナンバーをご紹介してまいります。
さて、今回のイケナイ読者からの23回目のご相談は、「現在彼女急募中の独身です。周りでは第2次結婚ラッシュが勃発! 若い頃はモテたのですが、老後が不安です」という34歳の男性からからのお悩みにお答えします。ダンナ! さっそくお便り拝見いたしましょう。
【お悩み】
どうも、ぺぺさん。いつもコラムを楽しく拝見しております。
毎日暑くて死にそうですが、もっと僕を苦しめるのは、周りで第2次結婚ラッシュが勃発していることです。心から祝福をしたいという気持ちと共に、僕のお財布と心の隙間に北風が吹いてます。若い頃は良かった。周りがチヤホヤしてくれるから、ある程度はモテました。だけど、インスタで皆んなの家族写真や美男美女のカップル写真を見る度に実は気絶しています。将来はかっこいい大人になりたいです。でも、このままずっと独身だったらどうしよう。不安で今日も眠れません。何か良い処方箋がありましたらください。
( うなぎ三昧 エンジニア / 34歳)
ダンナ! 今回も悩めるアラサー男性からのお悩みが舞い込んでまいりました。
うなぎ三昧さん、お便りありがとうございます。日本全国猛暑で煮えたぎっている中、うなぎさんは心の隙間風に悩まされているというのですね。かっこいい大人ねぇ、、、なるほど。お察しいたしますよ。さて、今回のお悩みを勝手にぺぺ分析しますと、「彼女が欲しい」というのが一番の不安材料ではなく、「自分の今後の人生」が不安なんじゃないですか? 文面から自己のブレブレ感が伝わって参りますし。例え彼女ができても、奥さんを迎えたとしても、必ずしも幸せなのかと言えばそうとは限りませんし。まずは自分自身がきちんと大人になって、自己を確立しなければなりません。
「自分の為に生きる人生にはもう飽きた。これからは人生の楽しみを誰かと共有したい」
そう宣言した男性が半年後に結婚していました。そうです、大事なのは人生の中で目的を明確にすることです。そして、それに向かってブレずに一つ一つ毎日向かっていくのです。そうすれば、自ずとゴールに到達できると思いますよ。
かっこいい大人って、果たしてどんな人なのでしょうね。
再び勝手にぺぺ分析しますと、歴史の教科書に載っている人達ってかっこよくって、大人っぽいでしょうか? それに、戦前・戦後に生きていた人って、若いのに精神も顔付きも大人な気がします。それは、大人になる「覚悟」と、一つのことに向かって毎日切磋琢磨に生きてきたからだと思います。覚悟って、意外と自分でするものではなく、せざるを得ない状況下に置かれて、自然となるものかもしれませんね。
今の時代は先人のお陰で豊かになり、可能性を無限に見出してしまう風潮がありますが、あれこれ脇見をして自分を見失う傾向もあります。それが良いのか悪いのか、自己の確立を遅咲きにしてしまうことに関与しているようにも思えます。仕事や恋愛というのは、自分を成長させるのにはもって来いの機会です。地味なバイトでも肉体労働でも、彼女とのお付き合いでも、まずは何か一つのことを続けてみて客観視してみてください。人生は失敗と成功の積み重ね。何か1つを全うしてみて、思うことがあるでしょう。自己をきちんと磨いてください。
【お答え】
自分の幼児性を捨てなければいけない瞬間がいずれ来ます。
それが親になる瞬間なのか、夫になる瞬間なのか。人それぞれ。
人生の目標を明確にし、覚悟をきめて、勤しむべし。
その横顔に惚れる女もいるのでは?
さて、今回ご紹介するナンバーは、『SONG FOR MY FATHER 』です。
父親と息子の関係って特殊ですよね。ぺぺは女なので分からない部分も多いのですが、周りをみる限りではそう思います。そう、うなぎ三昧さんもいずれ誰かの夫や親になる時が来るでしょう。そんな時に、どんな背中を見せたいのか。この曲を聴きながら、今一度人生を考え直してくださいませ。
今回のお悩みを機に、脱・アダルトチルドレン!お願いいたします。うなぎ三昧さんの飛躍的なご成長を期待しております。では、次のナンバーでお会いしましょう。艶ュー。
■おすすめのJAZZソング
Dee Dee Bridgewater のこの曲は絶品!
スキャットとピアノソロに気絶・気絶・気絶!
【和訳】
寛大で、慈悲深く、品の良い、僕の父こそがそんな人だった。彼は王様のように生きていた、生きることに真の喜びがあるって、彼は知っていたのだから。彼は僕に愛情を注いでくれた。彼はいつでも僕の味方だった。だからこんな風に何も恐れず、自由な人間に僕は育ったのさ。
Photo:Yoshihiro Kamiya,Getty Images
Text:RIKAPEPE
Illustration:Eri Sakai
Edit:栗EP
RIKAPEPE(リカペペ)
ジャズ歌手/文筆家
カワイイが正義である現代に於いて忘れられがちな『色気』を再考し、往年女優が映画の中で歌い演じていた歌唱スタイルを現在の感覚で表現している。ジャズに魅せられたのは、音楽性というよりもスタンダードソングの歌詞と自身の恋愛観とのシンクロニシティから。そこに若者が流行歌を歌うのとなんら変わらない意味を見つけ、ジャズを歌い始める。また音楽に加え、大学で学んだ女性の生き方と共に変容する服飾史や、自己の恋愛遍歴を活かしたユニークな執筆活動もおこなう。現在は、自己のバンド、宣伝音楽のレコーディング、オーダーメイドスーツブランド「SUITBAR」と協力した衣装デザインなど多岐に渡る活動を展開している。
【HP】
rikapepe.jp
【instagram】
https://www.instagram.com/rikapepe/