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ゆとり世代の取り扱い説明書! 職場で扱いづらい新人との接し方

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一度叱ったら退職届を持ってくる!? ゆとり世代の真実とは

誰でも一度は耳にしたことがある、「ゆとり世代」という言葉。しかし、実は漠然とわかったつもりになっているだけで、どの世代のことなのか正確に答えられる人は少ないのではないでしょうか。

「どうせ最近のダメな若者や、仕事ができない新人たちのことだろ?」と思っているそこのあなたのために、ゆとり世代とはいったい何年生まれなのか?といった基本から、ゆとり世代の人との接し方まで、ゆとり世代の真実をすべて解説します。彼らの特徴をしっかり把握すれば、イメージが変わるかもしれませんよ!

目次

■「ゆとり世代」とは


 ①名前の由来

 ②何年生まれの何歳が「ゆとり」なの?

■ゆとり世代の特徴


 ①典型的な「指示待ち」人間

 ②叱られるのに弱い

 ③付き合いが悪い

 ④スピード重視

 ⑤将来が不安

 ⑥競争意識が低い

 ⑦守りに入る

 ⑧直接のコミュニケーションが苦手

 ⑨執着心が薄い

■職場の「ゆとり新人」との付き合い方


 ①褒めて伸ばす

 ②目標をはっきりさせる

 ③秘めた力を引き出す

 ④一定の距離感を保つ

 ⑤叱るときはソフトに

■番外編・ゆとり世代の恋愛事情


 ①ゆとり世代の恋愛

 ②ゆとり世代へのアプローチ方法

■まとめ

「ゆとり世代」とは

「ゆとり世代」という言葉は知っているけれど、その名前の由来や正確な年代はわからない…という人も多いはず。ここでは、そもそも「ゆとり世代」とはいったい何なのか?をはっきりさせておきましょう。

①名前の由来

「ゆとり世代」という言葉は、マスコミや報道機関が使うための造語です。1980年度から始まった「ゆとり教育」を受けた世代、というのがその由来となっています。

ゆとり教育は、それまで行われてきたような知識を詰め込むだけの学校教育ではなく、思考力を養い課外活動にも力を入れて豊かな人間が育つような教育に方針転換する目的で、授業時間を減らして経験や過程を重視する学習指導要領に沿って行われました。

週休2日制に移行したり、成績を絶対評価でつけたりと、「ゆとり」を持った教育をするのが「ゆとり教育」であり、小学生~中学生の義務教育期間にその「ゆとり教育」を受けて育ったのが「ゆとり世代」ということです。

②何年生まれの何歳が「ゆとり」なの?

ゆとり世代がいったいどの年代の人を指すのかについては諸説ありますが、一般的には1987年度~1995年度に生まれた世代が該当します。この世代以降になると、小中学生時代を「脱ゆとり教育」の学習指導要領に基づいた教育が行われた時期に過ごした長さのほうが、比重が大きくなっていくためです。

2018年現在で計算すると、今年23歳~31歳になる人が当てはまります。つまり、今年の大卒新入社員は最後の「ゆとり」なのです。

ゆとり世代の特徴

ゆとり教育を受けて育ったゆとり世代は、他の世代とは少し違った特徴を持っています。ここでは、そんな「ゆとりあるある」をご紹介します。あなたの周りのゆとり世代には、いくつ当てはまっているでしょうか?

①典型的な「指示待ち」人間

ゆとり世代には自主性や積極性がなく、職場では上司に具体的な指示をもらえるまで動こうとしません。マニュアルから外れたこととなると、自分で少し柔軟に考えればわかることでもできなくなってしまいます。逆に言えば、指示さえ与えればなんでもその通りにこなし、自分で勝手にやり方を変えることもないので、単純な作業などを依頼するのであれば使いやすいともいえます。

②叱られるのに弱い

ゆとり教育の間に親や先生から叱られることなく育ったゆとり世代は、少し叱っただけでも萎縮してしまったり、良かれと思って注意したのに泣き出したり……とにかく叱られることに不慣れです。中には1回叱られただけで会社を辞めてしまう新人もいるとか。

③付き合いが悪い

仕事よりプライベートを優先したがるゆとり世代は、仕事終わりの上司との飲み会を嫌がります。年上の人と接した経験が乏しい彼らが、上司とのコミュニケーションに苦手意識を持っていることも要因のひとつとされています。他には、仕事より自分の時間を優先したいと考えているため、就業時間が終わったらさっさと家に帰りたいと思っている、という理由も挙げられます。

④スピード重視

なんでもネットで調べることができる環境で育ってきたゆとり世代は、地道にコツコツ努力することが苦手です。効率的で楽できるものや一瞬で結果が出るようなものを好み、地味で面倒くさいものや成果がすぐにわかりづらいものは、途中で諦めたり挫折してしまったりします。

⑤将来が不安

自分に自信がなく将来に不安をおぼえているゆとり世代は、もし今の会社を辞めても生きていけるようなスキルを身につけることに必死になります。「成長したい」という思いはあるものの、具体的にどうなりたいのか、将来何をしたいのかは自分でもよくわかっていません。

⑥競争意識が低い

勉強の成績が絶対評価だったり、徒競走で順位をつけずみんなで一緒にゴールしたりと、競争する経験をほとんどしてこなかった彼ら。ライバルに勝ってやろう!などといった負けん気があまりなく、出世競争にもあまり興味を示しません。恋愛においても、恋敵がいるとわかったら土俵にも上がらず身を引くタイプが多いです。

⑦守りに入る

ゆとり世代は自信のなさからなのか、失敗したり損したりすることを恐れて、守りに入ることが多いです。ミスするかもしれない仕事にははじめから手をつけず、ギャンブルにもあまり手を出したがりません。

⑧直接のコミュニケーションが苦手

メールやオンラインゲーム、そしてSNSでのコミュニケーションに慣れ親しんでいるゆとり世代は、画面上で文字を打ち込むのではなく顔を合わせてコミュニケーションをすることが苦手です。仕事の欠勤連絡ですらLINEで済ませようとする……なんてことも。ネットが身近すぎる環境のせいで、面と向かって話すことに高いハードルを感じているといえます。

⑨執着心が薄い

高級ブランドやお金など、モノに対してあまり執着しないのがゆとり世代。それが転じてか、今の職場も転職までの間にスキルを身につける場としか考えていなかったり、恋人に夢中になるよりも自分の時間を優先したがったりと、ドライなところがあります。マイペースともいえるでしょう。

職場の「ゆとり新人」との付き合い方

ゆとり世代の職場の後輩に対して、どのように接していいのかわからない人もいるでしょう。何を考えているのかわからず、扱いに困るという声もよく聞かれます。そんなゆとり世代に対する新人教育を成功させるための接し方を学んでいきましょう。

①褒めて伸ばす

ゆとり世代は叱られると非常に傷つきヘコみます。ストレスへの耐性があまりなく、少し叱るだけでやる気をなくしてしまうことも。また彼らには自信もないため、たくさん褒めて長所や強みに気づかせてあげると伸びます。

そして、絶対評価されて育ったゆとり世代は、人に勝つよりも人から必要とされることに喜びを感じます。ナンバーワンではなくオンリーワンを目指す教育を受けてきたため、他の誰でもない自分が貢献できて感謝された時にうれしいと思うのです。

②目標をはっきりさせる

ゆとり世代は、自分で考えて動くことは苦手でも、明確な指示やマニュアルがあるとしっかり仕事をこなします。また、効率重視の彼らには、今やっている仕事がどんな意味を持ち、それをすることで何が変わるのかを合理的に説明すると、仕事の重要性を認識してもらいやすいでしょう。

「汗水垂らす」「根性」という精神論を押し付けるのではなく、あくまでロジカルに目的意識を持たせることが必要なのです。

③秘めた力を引き出す

マイペースで自分のスキルアップにしか興味のないゆとり世代に、「会社第一主義」を求めるのは無理な話です。彼らのやりたいことを聞き出し、今の仕事の業績を上げることがそのやりたいことに繋がることを示してあげると、やる気を引き出すことができるかもしれません。

また彼らは、小さい頃から慣れ親しんだPCスキルをはじめとしたポテンシャルは持っているのに、自分から力を発揮することができていないだけというケースも多くあります。そして、自分の興味があることに対しては驚異的な集中力を維持できるので、彼らの得意なことや適性を見極め、最大限に実力を出せるような仕事を与えるとよいでしょう。

④一定の距離感を保つ

彼らは職場の人にプライベートを詮索されることを嫌がります。素直で人当たりがよく気遣いはできるので、ある程度の距離をとって接していれば、お互い気持ちのよい付き合いができるでしょう。親睦を深めようと飲み会に誘っても断られる場合は、昼休憩時の社食ランチに誘うなど、ハードルの低そうなところからはじめてみるのもひとつの手です。

⑤叱るときはソフトに

叱られた経験があまりなく、失敗を極端に恐れているゆとり世代は、一度失敗して叱られるだけでそのことを引きずってしまいます。ただ、まったく叱らずにいるというのも無理な話。どうしても注意する場合は、人前で大声を出したりせずソフトに叱ることを心がけましょう。そして、失敗は恥ずかしいことではないということをしっかり伝え、次からできるようにサポートするのが上司の役目です。

また、叱る前になぜそうなったか理由を聞くのも有効です。彼らには彼らなりの行動原理があるはずなので、それを理解することで失敗する原因を突き止めることができるかもしれません。

番外編・ゆとり世代の恋愛事情

ここまで職場のゆとり世代についてお伝えしてきましたが、ここでちょっと番外編。ゆとり世代の恋愛事情はどうなっているのでしょうか? そして、ゆとり世代とお付き合いするにはどんなアプローチが有効なのでしょうか?

①ゆとり世代の恋愛

ゆとり世代の競争意識や執着心があまりないというのは、恋愛においても同じです。恋のライバルがいれば諦めるし、友人と同じ人を好きになってしまったら友情を取ります。

そして、毎日会わなくても自分の趣味の時間が取れればそれでいい、と考えています。何事においてもプライベート優先で自分のペースを守りたいため、それを曲げてまで恋人が欲しいとは思えないのです。

また、子どもの頃からインターネットが普及していたため、主なコミュニケーションはメールやチャットで済ませます。そのため、面と向かって会話するのが苦手で、気になる人にもグイグイいけない「草食系」が多いのも特徴。恋人がいなければいないで別にかまわない、と考えているので、積極的にアプローチせずに終わってしまうのです。

②ゆとり世代へのアプローチ方法

ゆとり世代に対しては、彼ら・彼女らの恋愛観を踏まえたアプローチをする必要があります。まず、恋愛に関してあまり貪欲でなく、自分のプライベートな時間を優先したがる傾向があるため、しょっちゅう会おうと連絡したり、あまりガツガツ攻めすぎると逆効果です。また、電話よりもメールやLINEを好む派も多いので、あまり頻繁に電話をするのもやめておいたほうが無難です。

それから、ゆとり世代同士のカップルではお会計をすべてワリカンにするケースもあるくらい平等で対等な関係を理想としているので、毎回こちらが奢っていると奢られるほうはむしろ負担に感じてしまうかもしれません。たまにワリカンにしたり、お会計の3分の1だけ出してもらうなど柔軟に対応して、重く感じさせないようにしましょう。

まとめ

周りにいるゆとり世代の若者の扱いに悩んでいたり、イマイチ考えがつかめない職場の新人への教育がうまくいかなかったり……。まさに「ゆとり」が持てなくなっている上司の方もいるかもしれません。しかし、世代や価値観が少し違っても、彼らもゆとり世代である前に同じ人間であり、同じ職場で働く仲間でもあります。

彼らの特徴をしっかり把握した上で、秘めた力をうまく引き出すことができれば、優秀な人材に育て上げることももちろん可能です。「ゆとり世代は仕事ができない」と先入観を持って決めつける前に、彼らの得意分野を見抜いてスキルを伸ばし、適材適所で仕事をさせることが必要なのです。

彼らゆとり世代の後輩たちを、生かすも殺すも上司次第です。未来の会社を背負う新しい世代の育成のために、この取り扱い説明書がお役に立てることを祈っています。

Photo:Getty Images
Text:N.M



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