プラシーボ効果を実践してみる
では、プラシーボ効果を応用して日常生活に役立てたい!とやる気の皆さまへ……。
仕事、恋愛、勉強……様々な場面で使える、プラシーボ活用術をお教えします!
①仕事
すぐに実践できるものとして「成功者の声に耳を傾ける」というものがあります。有名な起業家でも、尊敬する上司でも、優秀な同期でも、誰でも構いません。「この人が言うのならそうなんだろう」と信じて取り組むことによって成果を上げることができるのです。
例えば、ソフトバンクの孫氏の発言にこんなものがあります。
「他の人間にできることならば、同じ人間である僕にできないはずはない。僕はそう思うんです。他の人間ができるのに、同じ人間の一人である僕にはできないとか、できないと思わなければいけないとか、そう思うことのほうが不自然じゃないですか。絶対におかしい」
このセリフからも「絶対にできる」と自分に言い聞かせることの大切さがわかりますよね。それに営業マンなら、自社の商品を素晴らしいものだ!と思い込んで仕事をすると成績が上がる、なんていう話も有名です。
また、部下の育成にも活用することができます。ただ「これやっといて」と仕事を頼むのではなく、「重要な案件だが、お前になら任せられるよ」などやる気をUPさせる言葉を付け足すことによって「自分は信頼されている」「できると思われている」というプラスの思考になるのです。
普段の仕事にちょっと工夫を加えるだけで、かなり円滑に仕事が進むのではないでしょうか。ぜひ実践してみてくださいね。
②恋愛
恋愛において必須だといえるのは、「自分は相手のことが好き」と思い込むことだと言えます。はっきりと自覚することによって「好き」という気持ちが揺らがないものとなり、恋を成就に導くでしょう。
とはいえ、プラシーボ効果が様々なことに使えるとは言っても、他人の気持ちをコントロールすることはもちろんできません。しかし、自分を気になる異性として見てもらえるようにはなります。
例えば、王道のテクニックですが、毎日LINEやメールなどで連絡をとっていた相手からいきなり連絡が途絶えたらどう思うでしょう? 「何かあったのかな?」という単純な心配でも、気になるのは好きだからだと思い込ませることができればこっちのもの。他にも、相手との会話の際に「好き」という単語を多く含ませるという方法もあります。「あなたが好き」ではなくても「この食べ物が好き」「好きな○○は~」といった雑談でも構いません。「好き」を自分に連想させることが重要なのです。告白する前にこのようなちょっとしたテクニックを入れて、相手に自分の存在を刷りこませることが効果的です。
「あの人と付き合えたらなあ」というふらふらした感情では、恋愛は上手くいきません。「絶対にうまく行く」と自分で思い込み、思い立ったら即行動!の精神で立ち向かっていきましょう♡
③勉強
「あなたたちは選ばれた優秀な生徒だ」と言ってから授業をすると、その後の成績が平均を大きく上回る、という話を聞いたことはありますか?
これは実際の実験結果で、「優秀な生徒である」という自己暗示が大きく影響していることがわかります。なお、この実験は生徒に限ったことではなく、「優秀な教師に優秀な生徒を受け持ってもらう」と言って実験に参加させた場合、教師の能力も跳ね上がるそうなんです。これを応用すれば、自分の成績を上げるだけではなく、自分の子どもの成績を上げることも可能です。まさに一石二鳥ですよね。
また、どうしても勉強する習慣がつけられない読者諸氏には、こんな方法を紹介します。
①まず、五感を強く刺激する方法を考える
辛いものを食べるとか、好きな音楽を聴くとか、そういった方法で構いません。何か自分を刺激する方法を考えてください。
②その方法を「勉強のやる気を出す方法」だと強く思い込む
集中力の高まる方法だと脳に刷り込ませます。思い込む方法は、紙に書いたり、繰り返し言うなどが良いでしょう。
なんだか胡散臭いと思われそうですが、模索していればピンとくる方法があるはず。ぜひお試しあれ!
④美容
ダイエットや美容関連は、プラシーボ効果で効果を引き上げることができます。それほどに思い込みが重要なのです。
ダイエット、美容にプラシーボ効果を取り入れるには、まず目標となる人物の設定から始めましょう。その人の写真を眺め、「自分もああなるんだ」という強い気持ちを持つことが最初の一歩です。「今まで着られなかった服を着て街を歩く自分」「異性にモテモテの自分」など、理想の自分を鮮明に思い描くとなお◎。
そして、毎日鏡を見て「こんなに痩せた!」「俺、かっこいい」と思い込んでみましょう。これは芸能人がよくやっている方法でもあります。ダイエット中や手入れをしているときなども積極的に「どんどん肌がきれいになる」「これで痩せるはず」と言い聞かせると良いです!
ノーシーボ効果とは?
プラシーボ効果とは逆の、ノーシーボ効果というものがあります。これは、無害なものでも有害だと思い込んでしまうと、病気になったり、最悪の場合死に至る可能性もあるものなんです。「反偽薬効果」とも言います。
実例として、処方された薬を「副作用があるのかも」と心配しすぎたばかりにありもしない副作用が起きてしまう・診断ミスで「あなたは余命3ヶ月の癌患者です」と患者に伝えたところ、本当は癌ではないのにみるみる衰弱して死んでしまった……などが挙げられます。恐ろしい話ですよね。
思い込みはときに人を死に至らしめるほどの絶大な力を発揮してしまう、ということがよくわかります。
プラシーボ効果で気を付けるべきこと
ノーシーボ効果の件でわかるように、人間の思い込む力は強力です。そんな強力な本能だからこそ、気を付けなければいけません。
「○○になったらどうしよう」と思うだけでもその「○○」が脳内にイメージとして浮かび上がってしまうので、自分では嫌だと思っているはずなのに「○○」の状態に近づいてしまうことがあります。
マイナス思考はできるだけしないように。「病気になりたくない」ではなく「健康でいたい」、「試験に落ちたくない」ではなく「合格したい」と考えるようにしましょう。
自己判断や、他人から言われたことを鵜呑みにして変に心配するのも×。思考の現実化にはお気をつけて!
まとめ
いかがでしたか? プラシーボ効果は、使い方によっては人生の成功には欠かせないものです。どうせ使うならプラスな方向に持っていきたいですよね!
この記事を読んで、仕事・恋愛・etc......にぜひ有効活用してください。
Text:K.S
Photo:Getty Images