FORZA STYLE 編集長 兼 ファッションディレクター
尊敬する人は、ロロ・ピアーナの元会長セルジオ・ロロ・ピアーナさん、ピエール・ルイジ・ロロ・ピアーナさん、トッズの会長ディエゴ・デッラ・ヴァッレさん、格闘家のブルース・リーさん、初代タイガーマスクの佐山サトルさん。 スポーティでエレガントなイタリアンスタイルを愛し、趣味はクルーズ(船旅)と日焼けとカラオケ。お酒をある一定以上飲み過ぎると、なぜだか一人感無量状態になって男泣きする小誌編集長。1973年、東京生まれ。
観光都市のイメージが強いフィレンツェですが、実はイタリア屈指の工業都市。ルネッサンスの時代からレオナルド・ダ・ヴィンチやガリレオ・ガリレイなどの芸術家や学者が集まり、最先端の研究が進められていました。そんな背景から生まれたのが1860年にこの地に設立されたパネライです。
パネライといえば、イタリア海軍の特殊潜水部隊のためのミッションウォッチの製造で有名ですが、それ以前から精密機器を軍に納品するなど、この地の科学技術の発展を長年リードしてきた存在でして、現在はフィレンツェの歴史的な工業遺産を守る活動も進めているんです。
そのパネライが、フィレンツェのシンボル、サンタ・マリア・デル・フィオーレ大聖堂にあった大時計の修復をしているとの話を聞いて、昨年、取材に行ってきました。この大時計は1443年に製作され、日没時間を起点にして1日を24等分にする「古イタリア時間」を表示する世界でも珍しいもの。ただ、数百年の歴史のなかでパーツが破損してしまい、動作も不安定だったんです。そんな古い精密機器を元どおりにできるのか、外見だけ修復して中身は最先端のテクノロジーになったりするんじゃないかと思っていたのですが、さすがはパネライ。技術革新を進める一方で、この地に伝わるモノづくりの文化をちゃんと大切に守っているんですね。
で、せっかく取材させてもらうんだからパネライの時計をして行きたいと思い、購入を決意。と言うのも、20年近く前に『LEON』の創刊の頃からずっと欲しかった時計なんです。でも当時は買えるだけの余裕がなかったし、一時、流行し過ぎたおかげで熱が冷めていたんです。それで出張前にあわてて店頭に行ってみると、お目当ての「ルミノール マリーナ」というモデルが品切れ中じゃないですか! ガーン。
それで急遽、「ルミノール サブマーシブル」というプロ用ダイバーズウォッチに転向致しましたが、こちらも軍用時計をルーツにするパネライならではの象徴をたっぷり楽しめるデザインで、思った以上に気に入っています。
47ミリの大型ボディに、逆回転防止ベゼル、リューズプロテクターや2本のクロノグラフ針など、なかなかのマッチョなルックス。ラバーベルトなこともあり、この時計はカジュアルなスタイルに合わせることが多いですね。とまあ、何はさておき、こういう普段のショッピングが、大好きなイタリアの文化遺産の保護活動につながっているというのは気持ちがいいですね。買い物したという以上の満足感がありますから。こういうモノには今後も積極的にお金を使っていきいなぁ〜と!
Photo:Ikuo Kubota(owl)
Text:FORZA STYLE
エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き(エコノミック モーション)で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。
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