グリルに入る赤いラインは、永遠の憧れの目印!
皆さんは“GTI”と聞いてナニを連想しますか? クルマ好きであれば十中八九“ゴルフGTI”と口にするでしょう。そのGTIに触れて来たのでここでご紹介します。場所はスペインのマラガ。サーキット走行を含む国際試乗会となります。
ステアリングを握ったのはまさにGTIファミリー。アップGTI、ポロGTI、ゴルフGTIパフォーマンスです。アップGTIとポロGTIは今年夏頃日本で発売される予定、ゴルフGTIパフォーマンスはすでに日本で500台限定で販売され、完売しているものです。
中でも注目はアップGTIですね。ルポの時代にGTIはありましたが、アップにスイッチしてからはお初。このコンパクトボディがどんな走りをするのか楽しみでした。
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というのも、アップのサイズは1976年リリースの初代ゴルフGTIに近く、エンジン出力も当時のそれと5psしか違いません。アップGTIが115ps、初代ゴルフGTIが110psです。
そんなこともあり、フォルクスワーゲン的にもアップの走りにはかなり力を入れた模様。今回は会場に初代ゴルフGTIを用意し、少しだけ試乗も許されました。懐かしくて涙ものです。
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でも、実際に走らせるとそれは比べるものではありません。アップGTIはいたって現代的なつくりをしていて、安定した走りには安心感もありました。ボディ剛性はもとより、ステアリング剛性、足回りのセッティングと、すべて高いクオリティで仕上がっています。2つくらい上のカテゴリーに属すような品質の高さですね。さすがフォルクスワーゲンです。
スピードもそうです。スタンダードモデルで75psの1リッター直3エンジンを115psまでスープアップしたのですから頼もしい。低回転からの太いトルクもそうだし、中間加速の瞬発性も不服はなし!といったところですね。およそ1トンの軽量ボディが数値以上のエンジン出力を体感させてくれます。
ただ、高回転になると3気筒ですからそれなりに振動や音も発生します。ボンネットの中で働いてる〜って感じ。この辺の荒々しいフィーリングはやっぱり4気筒とは違います。が、それも6速MTを巧みに使えば美味しいところを引き出せます。このくらいのパワーソースはマニュアルシフトで走らせるのがじつに楽しいです。
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それに比べるとポロGTIはすごく大人でした。スポーティなステアリングフィールとサスペンションのセッティングなのですが、アップよりもロールを抑えたことでキャビンは安定し、快適さも同居させます。そもそものキャビン剛性もいいのでしょう。遮音性は高くロードノイズは気になりません。言ってしまえばゴルフGTIに近い感覚。このサイズにして高級感もあります。
そんな2台を試した後のゴルフGTIパフォーマンスはさらに上の存在でした。あれだけの走りのパフォーマンスを持ちながら大人の乗り物としての雰囲気があります。シートに使われるタータンチェックもシックでそんな感じでした。
GTIはやはり特別な存在です。SUVもいいですが、この辺のモデルをサラッと乗っているのもかなりかっこいいですね。個人的にもGTIにのみ許されるグリルの赤いラインは憧れの目印です。
【プロフィール】
モータージャーナリスト兼コラムニスト/日本自動車ジャーナリスト協会(AJAJ)会員/2014-2015日本カーオブザイヤー選考委 員/日本ボートオブザイヤー選考委員/(社)日本葉巻協会会員http://www.tatsuyakushima.com/index.html