気絶するほど気持ちいいトラベルジャケットの最高峰
ロロ・ピアーナが開発した「VOYAGER（ボイジャー）」は、旅を愛する人のために多機能で実用的なウェアを揃えたシリーズ。これはそのなかの「SOFT VOYAGER（ソフト・ボイジャー）」というモデルです。
一昨年、購入したのですが、「ひと目会ったその日から」「恋の花咲くこともある」……久しぶりに懐かしのテレビ番組『パンチDEデート』の名フレーズを思い出しましたよ（笑）。だって見てください、この素材感。エロい光沢があるし、触るとヌメヌメする。しかも恐ろしくなるほど軽い！ 「レインシステム®」の撥水加工を施した超軽量のカシミアを使っていて、伸縮性やシワになりにくいという特性もあるんです。僕は、このジャケットを着るとあまりに気持ちいいいので「気絶ジャケット」と呼んでいます（笑）。
これだけ薄手のカシミア素材を一枚仕立てで立体的につくるのって、相当な技術力が必要なんですが、さすがはロロ・ピアーナ。超絶テクニシャンです❤ まるでオーダーで誂えたかのようなフィッティングは、マジで“吸い付くような”という形容詞そのもの。袖を通した瞬間、電流が走りました（笑）。
肩は自然となで肩に見えるナチュラルショルダーで、袖は前振り、胸部は男性的に見えるような設計になっています。正直、昔のロロ・ピアーナはシルエットがオッサン臭かったのですが、これはそんな面影を微塵も感じさせません。ゴージ位置や胸ポケットの位置が低めだから、ポケットチーフを挿したときのバランスが良く、大人の安定感を感じさせてくれます。
また、段返り３ボタン、２パッチポケット、サイドベンツ……とパッと見のデザインはクラシックの王道を行くスタイルですが、襟裏にゴートスキンのスエードを手縫いしていて、寒いときに襟を立てるとアクセントになるうえ、内側にもいろいろと便利なポケットを装備しています。
一枚仕立てなのに縦長の航空券やパスポートなんかも入るように考えられていたり、大切なものを失くさないようにジッパー付きだったりと、いちいち気が利いている。前を開けたときに見える、ネイビー地にオレンジにパイピングもコントラストが美しくて洒落ていますよね。
着こなしは、グレーパンツはもちろん、白いパンツやブルーデニム、ショートパンツなど、何でもござれ。ビジネスからプライベートまで、幅広いシーンに対応してくれます。さらに薄手なので、盛夏を除けば一年中着られるのも大きな魅力。こういうジャケットを、気負わず、さり気なく、着られる大人になりたい……と思って買ったのですが、僕もまだまだ修行中です。
エコラグ-Hoshipedia
「エコラグ」とは、エコノミック・ラグジュアリーの略。economic luxury。極めて経済的だが、上質さやエレガンスは失わないスタイルの意味。「多くの粗悪なものより少しの良い物を」という干場の哲学により生まれた造語。腕時計や靴・鞄、スーツのように長い年月使えるものは高額でも、白シャツや白無地のTシャツのように常に白いまま清潔に着たい消耗品は、高額なものよりもコストパフォーマンスを重視するというスタイル。パテック・フィリップの腕時計やジョン・ロブの靴と、カミチャニスタやデッコーロの白シャツ、GAPの白無地のTシャツは干場にとっては同じ。一点豪華主義とも違う。干場が敬愛するブルース・リー先生が提唱した無駄を排した最短の動き（エコノミック モーション）で相手を倒すジークンドーのように、経済的で盛り過ぎない、かつ無駄のないシンプルで上質なスタイルを指す。
